今週の日経ヴェリタスは読み応えがありました

今週の日経ヴェリタスは読み応えがありました。

「カリスマが去るとき」~社長交代 ピンチかチャンスか~という特集の内容は、いつもコモンズ投信の投資委員会で議論している最も重要なテーマです。

また、アクティブ運用会社の世界最大手であるキャピタル・リサーチのラブレス社長のインタビューの内容が、僭越ながら、コモンズが大事にする思想と親和性していると感じました。

特に、
「投資判断において企業文化は非常に重要な要素を占める」というところです。

コモンズ30ファンドの投資判断とは「見える価値」(財務的価値)と「見えない価値」(非財務的価値)と分けています。

「見える価値」の判断は投資として欠かせないもの。

これは、主に
・企業の収益性や資本政策です。

一方、長期投資の場合に重要な判断は、経済や事業環境が変化する中、投資先の企業が「進化」し続けて持続的な価値創造の可能性が高いかは「見えない価値」です。

これは、
・企業文化/DNA
・経営力(の持続性)
・国際競争力/ブランド力
・対話力
です。

ラブレスさんは、「企業文化を検討するうえで重視する点は大きく2つある」とご指摘されます。

「1つは『成功の文化』。企業として長期的に成長するための方法や意義がよくわかっているかどうか。」

「2つめは『少数株主と利益を分かち合う意志』。配当はコミットメントを測る重要な指標だ。」
(ここでいう「少数株主」とは、minority shareholderの翻訳であると推測しています)

また、ラブレスさんは、企業の「本拠地がどかはあまり関係ない」とご指摘されます。

これも、コモンズ30ファンドが提唱する、日本企業を通じて世界の成長を取り込むという考えとシンクロしています。

ラブレスさんは「例えば欧州経済の回復を見込んで欧州のインデックスファンドを買っても、指数に対する比重が重いネスレやユニリーバ、医薬品メジャー各社といった企業は、収益のほとんどを欧州以外で稼いでいて、欧州に投資したことにはならない。」とインデックス投資の限界についても言及されています。

そのように考えると、インデックス投資にとって、企業の『成功の文化』『少数株主と利益を分かち合う意志』という個別企業の文化なんて全く関係ないことです。そもそも、「文化」のように数値できない要素を「見える化」しようとするのは不可能で、コストがかかる無駄であるという考えなんでしょう。

でも、そんな長期投資って、楽しいのかな? コモンズ投信が長期投資のロールモデルとして目指しているのはバンガードのような徹底的なマシーンではなく、やっぱり、人間味を感じるキャピタルです。

しぶさわ