投信と寄付とわたし

こんにちは、マーケティング部の福本です。

テレビをつければ「震災から5年」が大きく取り上げられている今日。

その5年前、私はある投資信託を購入しました。

それは、信託報酬の一部が東日本大震災の被災地や被災者へ寄付に回るという、債券の単位型(最初の募集期間にしか購入することができない投資信託のこと)の投資信託。

投資先は、東日本大震災からの復興に寄与すると考えられる企業や地方公共団体の国内債券。

信託期間(運用期間)は5年と決まっていました。

東日本大震災があったとき誰もがそうだったように、自身の無力感や虚無感を感じずにはいられませんでした。

それでも日々の仕事や家事や育児をこなす毎日の中で、これでいいのかと思いながらも時間が過ぎていったように思います。

そんな時、自分が働く証券会社を通じてこの商品が発売されることが決まりました。

自分が携わる金融でもこんな形での貢献があるんだ、と救われたような気持ちになったことを思い出します。

迷わず購入を決めました。

その商品も、まもなく償還(運用期間の終了)を迎えます。そう、5年が過ぎたのです。

正直、寄付金額がいくらになり、どこに寄付されたのかということをしっかり確かめることもないまま、5年が経過してしまいました。
そして今更、と思いながらも、過去の運用報告書などを紐解きながら、寄付実績などを確認しました。

こんないい加減でいいのかな、とか、寄付がしたかったなら直接すればよかったんじゃないかな、とか、思うことはあります。

でも、私にはこれでよかった、と心から思います。

寄付というのは、自分にとってはまだ少し、ハードルが高かったから。

今でこそ、自分で寄付先を選び、実際に寄付をすることが少し、できるようになったけど、5年前の私にはできなかったから。

この投資信託を保有することで、結果的に5年間継続して、寄付をすることができたから。

そしてなにより、私の預けたお金が、震災復興に携わる企業などの活動の血流となることができたから。

その活動の成果は、私に果実となって、しっかりリターンも生み出してくれました。

ひとつだけ、残念だったこと。
5年という運用期間の中で、この投資信託の残高は、当初の設定時より、現在、約半分以下になっています。

国内の債券に投資をするので、ほとんど値動きはありません。ということは、価格が下がって半分になったのではなく、単純に解約があったということでしょう。


コモンズが考える寄付は、れっきとした社会への投資です。
そういった考えに共感してくれる人をもっと増やしたいと、心から思う今日このごろです。