積立NISA創設へ!

伊井です。

来年の税制改正要望に「積立NISA(少額投資非課税制度)」の創設が金融庁より出されました。

これは、先月初めの経済対策に盛り込まれた分散投資を通じた国民の安定的な資産形成の促進。

具体的には、家計の「貯蓄から資産形成へ」という流れを政策的に後押しすべく、少額からの積立・分散投資の促進のための要望となります。

では、なぜ、「貯蓄から資産形成へ」が必要になるのでしょうか。

下記をご覧ください。日本、米国、英国での家計における金融資産の特色をみています。

日本の家計金融資産における株式・投信の投資割合は、米国・英国の半分程度。

この数字からは、日本では短期的な売買目的で株式・投信が活用されているにすぎない状況が推察されますし、一方で、米国や英国は、売買目的以外に中長期の資産形成を行う手段として株式・投信が定着している様子がうかがわれます。

その結果、ここ約20年間の日本の家計金融資産の増加率も、相対的にかなり低い状況です。

また、家計の金融資産は、主に勤労所得と金融資産などからの財産所得で構成されますが、米国では勤労所得と財産所得の比は3:1、日本ではなんと8:1と勤労所得が大部分です。

これでは、なかなか家計金融資産は増えません。

この度の、「積立NISAの創設」には、単なる売買目的で株式・投信を活用するのではなく、月々の積み立てを通じて、家計の金融資産を中長期で増やしてほしいとの思いが込められています。

これまで、投資経験のない皆さんも、まずは積み立て投資からスタートをしてみてはいかがでしょうか。

○日本、米国、英国における金融資産の特色

家計金融資産における株式・投信の投資割合 運用リターンによる家計金融資産の増加率

日本 18.8% 1.15倍(1995年を基準として)
米国 45.4% 2.32倍(1995年を基準として)
英国 35.7% 1.63倍(1997年を基準として)

(出所:金融庁「平成29年度 税制改正要望項目」より)