100周年を迎える長寿企業リンナイの魅力を探る

コモンズ投信 伊井です。
 
皆さんは、“リンナイ”というと何をイメージされるでしょうか?
ガス給湯器やコンロ、または、食器洗い乾燥機、ガス衣類乾燥機などが思い浮かぶのではないでしょうか。
コモンズ30ファンドでは、2011年7月からリンナイへの投資を始めました。当時、社内の女性社員から「リンナイのビルトインコンロは最高!」とユーザーとしてのコンロの評価がとても高かったことを覚えています。運用部メンバーも、実際にショールームへ出向いたり、カタログを広げてどれがいいのかを議論していました。
リンナイとのお付き合いは調査期間を含めると、6年強となります。投資を開始するとき、受益者向けにはリンナイのポイントを次のように説明しました。
~「熱」を通じて「快適な暮らし」を提供~
リンナイは給湯、暖房のトップメーカーです。製品デザインの刷新、製販一体の全員経営、経営の見える化などの経営革新の成果が現れています。創業期より海外展開を行っており、韓国、インドネシア、インド、オーストラリアなどでも、強いブランドを築いています。

ーリンナイの原点と生活必需品としての持続的な成長の背景
1918年11月のある日、今川焼きの店先に立ち寄った内藤秀次郎は、輸入品の石油コンロの青い炎に見惚れました。「こんなコンロを自分で作ってみたい」と思った秀次郎は、このコンロを店主に頼み込んで譲り受け、見よう見まねで作り上げました。この手作りの石油ガスコンロがリンナイの源流です。
その2年後の1920年、秀次郎は、名古屋ガス(現・東邦ガス)を退職し、同僚で幼馴染であった林兼吉とともに独立し「林内商会」(現・リンナイ株式会社)を設立しました。社名は、創業者である林兼吉と内藤秀次郎の二人の名字から林=リン、内藤=ナイとしました。その後、順調に事業を発展させ、1979年に株式上場を果たしました。


リンナイ瀬戸工場の様子
リンナイは「熱と暮らし」に貢献する総合熱エネルギー機器メーカーとして、「安全・安心」「快適性」「環境性」をキーワードに、コンロ・炊飯器などの厨房機器、給湯器・風呂釜などの給湯機器、ガスファンヒーター・赤外線ストーブなどの空調機器、食器洗い乾燥機、衣類乾燥機など、多様な商品を提供しています。


コモンズ30ファンドは30年目線の長期投資ファンドです。長期投資家としてコモンズ投信は、世界の潮流を背景に、リンナイの持続的な成長を次のように考えています。
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 ①世界の人口は2100年くらいまでは、増加を続ける
 ②新興国における一人当たりGDPも増加を続ける
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その結果、上記のように世界中の人々の日々の暮らしに欠かせない生活必需品を扱うリンナイへの需要も増加を続けることが予想されます。さらに、世界的な地球温暖化問題の解決が、年々重要なテーマとなる中で、同社のハイブリッド給湯・暖房システムに代表される省エネ性、環境性、経済性、快適性における世界トップレベルの技術は、ますますニーズが高まるでしょう。
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リンナイは、1970年代から海外へ本格的に進出し、現在、アメリカ、オーストラリア、韓国、中国、インドネシア、ブラジル、イタリアなど世界16の国・地域で、それぞれの生活文化・気候条件・エネルギー事情に最適で高品質な熱エネルギー機器を開発し提供しています。
連結売上高地域別構成比(2016年度) 
それぞれの生活文化・気候条件・エネルギー事情に合わせた商品展開が重要で、例えば、日本のようにお風呂に毎日入る国もあれば、シャワーが中心の国もあり、そうなると給湯のタイプも当然違ってきます。こうした、各国ごとに異なったニーズにきめ細かく対応することで競争力を高めていきました。
リンナイは、先進技術を駆使した商品を開発し、CO2排出量の削減や省エネに貢献する高い環境性能、日本のモノづくり技術が活きる利便性と快適性、そして何よりも品質への高い信頼から、多くの国々でNo.1ブランドの評価を獲得しています。これが、リンナイの強さの秘訣であり、競争力の源泉です。

今後も、国内では電力・ガスの自由化や環境・省エネにおける各種政策の推進、海外では、新興国での生活水準向上や先進国での環境・省エネ製品に対するニーズの高まりなど、それぞれの地域での事業環境の変化が一層激しくなると思われますが、リンナイのこれまでの技術開発や事業環境の変化への対応力を考えれば、こうした大きな変化こそビジネスチャンスだと考えています。

―リンナイの企業理念
リンナイは、創業家が経営をリードするオーナー系の企業ですが、企業理念も大切にしています。コモンズ30ファンドは、5つの軸(4つの力「収益力」「競争力」「経営力」「対話力」と「企業文化」)で企業評価を行っています。その一つの企業文化は企業理念などにより作られていきますので、企業調査を行ううえでも重視しています。

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【リンナイ企業使命観】
リンナイは『熱』を通じて『快適な暮らし』を社会に提供します。
【3つのこだわり】
熱と暮らし
リンナイは、"「熱」を通じて「快適な暮らし」を社会に提供する"ことを企業使命とし、「熱」を扱う高度な技術を強みとし、人々の暮らしを支えます。
品質
リンナイは、「品質こそ我らが命」を銘とし、品質にこだわりを持ち、内製重視の商品づくり・モノづくりを行い、お客様に「安全・安心」をお届けします。
現地社会への貢献
リンナイは、何よりも現地の人々の生活文化の向上に貢献することを信条とし、現地に密着した販売・サービス活動と現地生産を基本に海外展開を行います。
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―リンナイとコモンズ投信の共創
コモンズ30ファンドは、「企業とコモンズとの対話」、「企業とコモンズのお客さまとの対話」を重視しています。リンナイは、名古屋市に本社を置く企業であり、コモンズ投信が名古屋で開催する「企業とコモンズのお客さまとの対話イベント」に積極的に参加していただいています。
5周年フォーラムの様子
2014年に開催したコモンズ30ファンドの5周年フォーラムには取締役 専務執行役員の小杉様にお越しいただき、リンナイのご紹介プレゼンテーションと渋澤との対話をしていただきました。リンナイが地道に進める「熱と暮らしを創造する」努力と日々の姿勢が想像でき、また、社員旅行や運動会の話などを通じて社風がよく伝わる内容でした。
参加者からは、
5周年フォーラムにて会長渋澤(左)と小杉様(右)
「企業の活動について詳しく知ることができました。このような情報は今回のようなプレゼンの機会でないと得られないと思います。」(60代男性)
「1時間にわたり、直接、投資先企業の方の話が聞けてとても貴重な時間となりました。株価ではなく企業に投資するというポリシーを実感できました。」(40代女性)
などの声をいただきました。

 今年6月に名古屋で開催するイベントでは、再びリンナイにご協力いただき、給湯器(国内・海外)の生産工場である瀬戸工場見学ツアーと小杉様をお招きしての対話セッションが実現します。今回のイベントも、是非ご期待ください。

2020年に記念すべき100周年を迎えるリンナイ。安全で快適、そして環境を考慮したモノづくりで、世界の人々の暮らしを豊かにする。そんな総合熱エネルギー機器ブランドとして、進化を続けるリンナイにこれからも大いに期待しています。

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6月23日(金)
◆リンナイ瀬戸工場訪問ツアー(コモンズのお客様優先予約受付中)
https://www.commons30.jp/seminars/detail/522
◆リンナイ×コモンズとの「対話」セッション
https://www.commons30.jp/seminars/detail/523
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6月24日(土)
渋澤・伊井によるトークセッション
「創業時からの変わらぬ想いと今、伝えたいこと」
http://www.commons30.jp/seminars/detail/524
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