「2万円」にこだわる意味はない

おはようございます。渋澤健です。

今週の日経ヴェリタスの特集で、日経平均が同じ2万円であっても、内容が違うという指摘は本当にその通りですね。2015年6月にバブル後の最高値(2万0868円)とつけたときの内容と現在を比べると、金融政策のサプライズや円安の追い風を受けていません。当時は123円台で、現在より10円ほど円安でした。


コモンズ30ファンドの投資先の30社のおよそ半分の企業の海外売り上げは50%以上。70~80%ぐらいの企業もかなり多いです。

通常で考えれば円高になっているのであれば、円ベースの業績が下がっているはずです。それが、そうなっていないということは、端的に言えば、売り上げの数量が増えているのです。世の中のニーズに応えているのです。

業績が下がっていないどころか、反って過去最高益の企業も少なくありません。例えば・・・



2月決算。

セブン&アイ・ホールディングス。2017年2月期の連結営業利益が前期比3%増の3645億円であり、6期連続で最高益を更新しました。国内のコンビニが好調だったことに加え、イトーヨーカ堂で費用の削減も進んだようです。


3月決算。

ダイキン工業。2017年3月期の連結営業利益は前期比5%増の2300億円程度でした。インドネシアやベトナムなど新興国で省エネ型のエアコンの販売が伸びて、4期連続で最高益を更新しました。

ディスコ。2017年3月の連結営業利益は前期比4%増の315億円ほどで、3期連続で過去最高益を更新しています。半導体需要の拡大により、北米やアジアの半導体メーカーからの受注が好調でした。利益率が高い交換用の部品(ブレードなど替え刃)販売が伸びています。


また、前期は最高益を更新できなかったものの、今期には良い業績を期待できる投資先企業もあります。

東京エレクトロン。2017年3月期の連結経常利益は32.0%の1575億円に伸び、18年3月気も前期比37.1%増の2160億円の見込みで、10期ぶりに過去最高利益を更新するという見通しで、5期連速の増収増益です。すごいですね!また、同時に年間配当を305円→352円(前期は237年)に増額して、2018年3月気も497年に増配する方針です。

東レ。2017年3月期の連結経常利益は前期4.3%減でしたが、2018年3月気は前期比12.7%増で、2期ぶりの過去最高利益の更新となる見通しを立てています。

リンナイ。2017年3月気の連結経常利益は前期比1.5%の352億円でしたが、2018年3月期は前期比7.7%の380億円を見込んでいて、4期ぶりに過去最高益の更新、8期連続の増収になるようです。


自動車産業など踊り場のセクターもありますが、他のセクターの増収増益により、今期のコモンズ30ファンドに期待ができると思います。


運用コストが安いインデックス・ファンドの信奉者が少なくない世の中ですが、やはり、上記のような企業に厳選投資した方が、ピリッとした運用パフォーマンスに期待できると思いますが、いかがでしょう。

目の前の運用コストだけを見てるか、それとも運用パフォーマンスへの期待を抱いて投資するか。それは、ぞれぞれの価値観やテイストによって決まることであり、正しい・間違った答えはありません。でも、私は、「期待」の方に期待しています!

そういう意味では、「2万円」という意味はありません。日経平均インデックスを構成する企業の内容が全然異なるですから。

こんなことも、本日の21:30~21:45に日経CNBCで出演する「日経ヴェリタス・トーク」でコメントしようと思っています。