未来予想図 4:ザ・2020ビジョン2017年の着眼点

未来予想図
4:ザ・2020ビジョン2017年の着眼点
2017-01-09-MON

2017年の着眼点は、アベノミクス第2ステージ(安倍政権が重視する成長戦略)における『日本再興戦略2016』と『ニッポン一億総活躍プラン』、及び『海外の政治経済動向』です。

『日本再興戦略2016』とは、主に戦後最大の名目GDP600兆円(GDP100兆円増加)を目指す官民政策プロジェクトで、「第4次産業革命(IoT・ビッグデータ・AI)、「世界最先端の健康立国」、「サービス産業の生産性向上」などで構成されています。そして、これを供給面から後押しするのが『ニッポン一億総活躍プラン』であり、具体的には規制改革を通じた新規需要を賄うための「労働力確保・生産性向上」、「働き方改革」や賃上げによる「適切な分配」があります。
日本が将来にわたり持続的成長を実現するには、直面する少子高齢化問題に真っ向から立ち向かい、同様の課題を抱える他の先進国に先駆けて成長と分配の好循環を達成する日本型モデルの構築に取り組む必要があり、2017年は大事な一年になると考えています。

日本の株式市場が外部要因に影響を受ける構図に変化はなく、海外のニュースフローや為替動向などによって日本株が短期的に大きく振れることも予想されます。米トランプ次期大統領の政策の行方に目が離せないのは言うまでもありませんが、欧州や中国などの『海外の政治経済動向』にも注意が必要です。2017年5月にはフランス大統領選挙(決選投票)、6月にはフランス国民議会選挙、8月~10月にはドイツ連邦議会選挙が実施されるなど、欧州主要国では重要選挙が目白押しです。世界的にポピュリズムの流れが広まるなか、欧州で反EUの動きが強まれば、既に国民投票で決着がついたブレグジット(Brexit)と相俟って、世界的なリスクオフ・イベントとなる事態も否定できません。

これらの着眼点から、”変化をはじめた企業”、”変化にチャレンジする企業”を中心に中長期視点で”厳選”し、”ダイナミック”な運用を行ってまいります。

チーフポートフォリオマネージャー 糸島 孝俊