人の価値の可視化

おはようございます。渋澤健です。

この週末の土曜日に沖縄の糸満市にある平和記念公園に訪れる機会がありました。ごらんの通り、きれいな海を展望できる丘の上にあり、日常の雑念から開放される素晴らしいロケーションです。

ただ、この場所は、24万人も亡くなったといわれる悲惨な沖縄戦の最後の戦場だったそうです。亡くなった沖縄戦で亡くなった国内外のすべての方々のお名前が平和の礎に刻んであり、可視化されています。これは、かなりのインパクトがあります。


ここで思ったこと。

どんなに悲惨なときでも、いずれ平和が戻るという希望があること。そして、戦争も、平和も、結局、人間がつくっているんだということも。

連想すると、これは長期投資でも同じことがいえると思います。

長期投資に、良いときもあれば、悪いときもある。順境・逆境が永遠と続くことはなく、大きな振り子のように、ゆっくりと行ったり来たりします。それを、ゆったりとした気持ちで長期的な投資にコミットできるのがつみたて投資だと思います。

そして、長期投資では外せない企業の価値創造。投資対象となる企業の価値を創るのも、壊すのも、結局、人間であります。

コモンズ30ファンドは、目先の株価ではなく、企業の持続的な価値に長期投資することに努めています。その、持続的な価値創造は、5つの要素に支えられていると私たちは考えています。

① 収益力
② 競争力
③ 経営力
④ 対話力
⑤ 企業文化

私たちは、これを「5つの軸」と表現する場合が多いですが、実際のところ独立している5つの柱というより、レイヤーという土台のイメージの方が正確かもしれません。

一番、「見えやすい」レイヤーは、①の収益力です。なぜなら、これは数値化がしやすい価値だからです。一方、②から⑤へ向かってだんだんと数値化が難しくなってきます。つまり、非財務的な「見えない価値」になります。言い換えると、「見えない価値」という土台のレイヤーがあるから、その結果が、数値化により可視化できる「見える価値」になるのです。

「見える価値」で投資判断することは当たり前のことであり、これは外せません。コモンズ30ファンドも同じです。

ただ、数値化できないけれども、企業の価値創造の源となっているのは「見えない価値」であり、それが世代を超えられるような長期投資には重要ではないかと考え、私たちはコモンズ30ファンドの運用を通じて表現しています。

そして、「見えない価値」の源とは、その会社で働いている経営者および社員です。

どの会社も自分たちの最大な資産は「人材」であると誇り高く公言します。しかし、その「人材」の数値化はBS(貸借対照表)の資産側に表現されていません。むしろ、PL(損益計算書)の「費用」としか可視化できていないのです。

人の価値の可視化。これは、平野記念公園でも、企業の持続的な価値創造を考える上でもとても大切なことだと思います。

コモンズ30ファンドは、「対話」を通じて、「見えない価値」の可視化に努めています。

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