教えて!未来予想図~私も量子コンピュータを使うようになるんですか?~

2019年10月、Googleが自社のプロセッサで、「量子コンピュータが従来のコンピュータでは現実的に実行できない計算を実行可能とする量子優位性に到達した」とする論文を発表して話題となり・・・って、(翻訳もどうかと思いますが)何言ってるか全然わからないんですけど。

ということで、今日は2020年4月次レポートの掲載コラム「未来予想図」のテーマ「量子コンピュータ」について運用部シニアアナリストの末山さんにイチから色々教えてもらいました


解説 運用部シニアアナリスト 末山 仁

聞き手 マーケティング部 横山 玲子

横山 今回の未来予想図は出だしから難しいというか、とにかく一回読んだだけでは全然わからなかったです(苦笑)。 

末山 相当やさしく書いたけどなぁ(笑)。 

横山 日本語はわかるんですけど、でも説明されていることをイメージできなかったです。 

末山 量子コンピュータという言葉を聞いたことのある人は多いと思うけど、実際これが商用ベースに乗るのがいつごろかというと2040年とか結構先の話。なので今はまだ頭の片隅に入れておいてもらえばいいと思う。研究ベースで今とてもホットなんだ。 

末山 投資額では中国が頭ひとつ抜き出てる。アメリカは2019年から5年間で12.8億ドル(約1400億円)規模、欧州は2018年から10年間で10億ユーロ(約1200億円)規模、そんななか、中国はアリババと共同で760億元(約1兆1000億円)。日本は、中国とは2ケタ、米欧とは1ケタ出遅れている状況だ。 

横山 量子コンピュータが実用化されてくるとどういうふうに世界が変わるんですか? 
というか、私も量子コンピュータを使うようになるんですか? 

末山 量子コンピュータは演算システムの基礎技術なので、今のコンピュータがどんどん便利になっていっているように、ある日突然変化が生まれるのではなく、ゆるやかに進化していくんだよね。だから僕らが進化の境目を感じることは難しいと思う。

横山 えーと、では間接的に使うということ?? 

末山 例えば、前回(vol.1)の5Gの話題の中で、通信速度が速くなることで、手術を離れたところで実施する遠隔医療が可能になると話したけど、それと同じように、量子コンピュータで処理スピードが劇的にアップすることによって、今できないことができるようになる。だから今ある社会課題を解決できる可能性があるということなんだ。 

横山 まずは、私たちが使うような身近な商品やサービスの裏側で量子コンピュータをうまく使うプレーヤーが出現する。私たちはそういう商品やサービスを通じて量子コンピュータの恩恵を受けるようになるってことですね? 

末山 そうだね。今は研究者が研究目的で使っていることもあって、用途が「宇宙の謎を解く」とかだったりして、まあ、それはそれで興味深いんだけど、僕らとしては、プレーヤーが民間に置き換わったときに何がどう変わっていくかに注目していくことになる。 

横山 量子コンピュータの技術を使って、新薬の研究開発が進んだり、道路の渋滞などが劇的に改善されるって聞きました。 

末山 量子コンピュータの能力のうち、組み合わせの最適化に特化したものが「量子アニーリング技術」で、これが新薬を作るときのテストパターンや自動車のルート選択に力を発揮するというものだね。

横山 そうでした、そうでした。

末山 もともとこの量子アニーリングの技術を1998年に確立したメンバーのひとりはコモンズ30ファンドの投資先のデンソーで働いている門脇さんという日本人。その後、約20年を経て量子アニーリングマシンはカナダのD-Wave Systems社というところが2011年に発表して話題になった。日本で生まれた技術だから、もっと積極的に乗り出していってほしいよね。 

横山 商用ベースに乗るのはしばらく先だということですが、ここ5年〜7年くらいのスパンでは活躍が期待できる企業はありますか? 

末山 コモンズの投資先企業でも、先程のデンソーを筆頭に、ザ・2020ビジョンで投資しているリクルート、メルカリなど、その他多数の企業も量子アニーリングマシンの能力に期待して自分たちのビジネスにおける有効活用方法を模索している。

横山 なるほど。  

末山 ハードウェアでは、時間軸は難しいけど、NECや富士通、日立製作所などから量子コンピュータの製品が出てくる可能性はあると思う。ただ、富士通のスーパーコンピュータ「京」がそうであるように、量子コンピュータ製品が企業全体の収益に与えるインパクトは、今のところ限定的と見ている。 
ソフトウエアにしてもかなり高度な技術が必要で、フィックスターズという会社がD-Wave Systems社と協業し、量子コンピュータの導入支援サービスを提供するなど、一歩リードしているようだね。 

横山 夢や技術を追いかけて最前線でがんばる会社をファンドとして支えたいですね! 

末山 実現しようとしている技術やサービスで世界がどう変わるかということに個人投資家の皆さんと一緒にワクワクしながら、そういった会社を「投資」という手段で応援できたらいいと思う。 

横山 お話を聞いてやっとレポートコラム未来予想図の内容がわかりました(笑)ありがとうございました!

※文中に記載の内容は特定銘柄の売買などの推奨、または価格などの上昇や下落を示唆するものではありません。