8周年イベントでのご質問と回答

コモンズ投信 伊井です。
8周年イベントの運用報告の部では事前と当日に多くの質問を頂きました。
当日取り上げられなかった質問への回答、そして当日参加できなかった皆さんにも順次ここで共有させていただきます。
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質問:『コモンズ30ファンドは長期投資ファンドですが、企業の業績が悪くなるときやトラブルを起こした時は、売却をしないのですか?』

回答:長期投資の時間軸の中では、当然、企業はコンディションの良い時も、悪い時もあります。
また、時にはトラブルを引き起こしたり、巻き込まれたりもします。人間も企業も同じです。どうでしょう、人間を考えても人生で一回も失敗のない人と、過去に沢山の失敗や苦労を乗り越えて成長してきた人。どちらも素晴らしい方と思いますが、コモンズ30ファンドでは後者に投資するケースが多いイメージです。

そのような投資方針においては、コンディションの悪い時、トラブルを起こしているときほど、企業との対話が重要になります。
コンディションが悪いから売る、トラブルを起こしたから売るでは、とても短期的な視点です。
コンディションが悪くても次の回復時のサイクルでは業績のボトムを切り上げる、あるいは長期的には企業価値の向上のトレンドの中の一時的な落ち

込みと判断が出来れば保有を続けられます。

その見極めを行うためにも対話は大切になりますし、危機時の対応ではその企業の「見えない価値」もよく分かります。こうした企業と対話するとき、10年後、20年後から振り返って今は投資を続けるかどうかを考えることを大切にしています。

一昨年、海外の大手公的年金の方に、当社の投資委員会メンバーが面談する機会をいただきました。「長期投資のファンドの組み入れ銘柄でトラブルが発生した時にはどう対応していますか?」と質問したところ、「フォルクスワーゲンなどのケースが該当するが、私たちのトラブルを起こした企業に対するファーストリアクションは、セルではない。対話だ。」と話されました。「3年間対話を続け、それでもダメだと判断したときは売却する」とも。
まさに、“我が意を得たり”でした。
つまり、コモンズ30ファンドは、単純に長期保有を続けるファンドではなく、長期投資の視点で定点観測を続け、企業価値向上のイメージが持てれば保有を続ける姿勢を大切にしているわけです。その為にも緊張感のある企業との対話を大切にしています。



質問:『トランプ政権になって政治、経済に混乱が生じているように見えるが、コモンズ30ファンド、ザ・2020ビジョンの投資方針などに変化はないですか?』

回答:私は、今を、行き過ぎたマネー経済や資本主義の修正がリーマンショックを起点にして起こっている最中と考えていますが、現在の環境においても、「コモンズ30ファンド」「ザ・2020ビジョン」ともに投資方針は変わりません。

では、この不確実な環境をこの2つのファンドはどのように乗り切っていくのかですが、まず、コモンズ30ファンドは、外部環境の変化に強い企業を厳選して投資していますので、企業自身がこの荒波も乗り越えていくと考えています。リーマンショック、東日本大震災、75円の超円高も乗り越えて成長を続けている企業は、この大きな時代の変化も対応できるはずです。事実、トランプ政権誕生からの4カ月の間だけをみても、「信越化学」、「堀場製作所」、「ダイキン工業」、「マキタ」が上場来高値を更新しています。

本来、外部環境の変化を短期的に吸収して成長の機会に変えることは(企業にとって)難しいことです。しかし、5年、10年のスパンで考えれば変化に対応できる企業はあり、そんな企業にわたしたちコモンズ投信は投資出来ていると考えています。

一方のザ・2020ビジョンは、運用部長の糸島を中心とした運用チームが、環境の変化を見極めダイナミックな運用を行って、この不確実な環境を乗り越えていきます。「変化」をキーワードに投資対象を選別しますので、トランプ政権での影響を分析し、機敏に銘柄選択を行います。また、市場の動向にも注意を払い、株式の組み入れ比率も大胆に変化させることも行っています。

タイプの違う2つのファンドではありますが、外部環境の変化からお客さまの資産をしっかりと守り、直実な資産の成長を心がけて地道な調査を続けていることに変わりありません。



どうぞ、今後ともご期待ください。

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コモンズ30ファンド、ザ・2020ビジョンの運用報告動画がアップされました!
下記URLよりご覧下さい。

「コモンズ30ファンド」第8期(2016年)運用報告
「ザ・2020ビジョン」第3期(2016年)運用報告 

その他のコンテンツも順次アップ中!

先日「認定NPO法人」となり新たなるスタートを切ったコモンズSEEDCap応援先3keys。
イベントでの森山さんのスピーチ動画はこちら。

イベント当日の写真コモンズ投信のFacebookのアルバムも是非ごらんください。雰囲気がよく伝わる写真をたくさん撮っていただきました。

2017年3月24日金曜日

夢を膨らまして、つなげよう!

こんにちは。渋澤健です。 今日の休日は、ごゆっくりされたでしょうか。

私は、HAPPYな一日を過ごすことができました。東京の日比谷公園で開催されたHAPPY DAY TOKYOコモンズ投信はブースを設け、風船を膨らまして、夢を描いていただき、他の夢とつなげけることをお呼びかけしました。


うれしいことに、大勢の小さなお仲間たちが立ち寄ってくださり、たくさん、たくさんの夢を膨らまして、つないでいただきました! 



こんな感じでどんどんと夢がつながっていきます。


みんなの夢が叶うと良いですね! (^^♪







大人たちも、結構、楽しませていただきました!








このように、笑顔をたくさん、たくさん世の中につくる運用会社になることを目指しているコモンズ投信を引き続きどうぞよろしくお願いいたします! Share the Vision!




2017年3月20日月曜日

つながりに感謝! コモンズ投信8周年ダイアログ

おはようございます。渋澤健です。 土曜日(12日)にコモンズ投信8周年ダイアログを開催しました。大勢の方々のご参加のおかげで、充実した、とても素晴らしい一日を過ごすことができました。心より御礼を申し上げます!

今年は、初めての試みとしてコモンズ30ファンドザ・2020ビジョンの報告会を合わせて午前中に行ってから、午後のもりだくさんのイベントへと展開しました。


午後のオープニングには長年の念願が叶い、コモンズ30ファンドの投資先であるユニ・チャームの社長の高原豪久さんの基調講演を実現することができました。


2017年3月13日月曜日

コモンズ投信「企業価値研究会」-SDGs

おはようございます。渋澤健です。


コモンズ30ファンドの投資の理念は「30年」「30社」「対話」でありますが、その実践として、「30年」が象徴する持続的な価値創造を「30社」投資先企業にお呼びかけして、「対話」をするコモンズ投信「企業価値研究会」を去年から設けています。先週は、その二回目を開催したところ、ほとんどの企業からお返事をいただき、当日は日程の都合が良くて参加された企業は約半分の14社でした。


当研究会は、基本的に企業の非財務的な「見えない価値」の見える化について意見交換することを目的としており、今回のテーマはSDGs(持続可能な開発目標)でした。


2015年に開催された「国連持続可能な開発サミット」で掲げられた2030年までの「持続可能な開発目標(SDGs)」は、2000年から2015年まで適用されたMDGs(ミレニアム開発目標)とは異なり、先進国が途上国を援助する開発目標ではなく、先進国自身も含む持続的な経済開発の目標です。

MDGs8つの目標にまとまっていましたが、SDGsでは全部で17の目標と169のターゲットもあります。大企業であっても、中小企業であっても、一個人であっても、SDGsに取り組むことができる莫大なメニューです。

研究会では、UNDP(国連開発企画)駐日代表の近藤哲生さんに冒頭にSDGsについて講義をお願いしました。MDGsのように専門家の行動目標ではなく、SDGsは全ての人々の成果目標であり、政府だけに持続性という世界的課題を任せるのではなく、民間も意識的に取り組むべき共創という内容のお話しをいただきました。



その後、各社のSDGsの取り組みのディスカッションの時間を設け、その活動を企業価値へとつながる見える化の工夫を共有しました。


今回は、企業のIR担当、CSR担当のご参加をいただきましたが、CSR担当であればSDGsは毎日の仕事で考えていることです。一方、IR担当の場合、日本の機関投資家はもちろんのこと、欧米大手のESG系の投資家とのミーティングであっても、話に出るほとんどの内容は「G-ガバナンス」であり、「E-環境」 「S-社会」への取り組みについて聞かれないということのようなので、日常のお仕事で使わない部分の頭の体操になったと思います。

コモンズ30ファンドを「ESGファンド」と掲げたことは、設定来の8年と間、いままでありません。でも、「30年」目線の企業の持続的な価値創造を投資対象にすることと、ESGの関係はかなり重なっています。

コモンズ投信は世界的にESG投資家として有名なわけでもありません。しかし、他の有名なESG投資家が「G」に関する対話が多いのであれば、我々はSDGsのように「E」「S」について長期投資家として対話のテーマにすることは意味あると思います。世界的には「メダカ」のような存在ですが、メダカであるからこその動きができるはずですから。

価値を創る。仮に経営者であろうが、従業員であろうが、取引先であろうが、顧客であろうが、社会であろうが、株主であろうが、そして、「株価」であろうが、価値を創ることにはメリットがあり、つながる共通の接点になるでしょう。
2017年3月6日月曜日

渋澤より皆さまへ|The 8th Commons Dialogへの想い

こんにちは。コモンズ投信 渋澤です。
3月に入り、春の訪れが待ち遠しいですね。

3月11日(土)コモンズ8周年イベント
「The 8th Commons Dialog~共に創る"対話"の時間~」では私の永年の念願であったユニ・チャームの高原社長とのトーク・セッションが実現します。

冒頭、高原さんからの基調講演に続き、たっぷり時間をとって対談させていただきます。
ユニ・チャームの持続成長の航路を描くために持っている世界観を色々な側面からお伺いできることをとても楽しみにしています。

「ユニ・チャーム」という同じ船に乗っている役員・社員に対して高原さん自身が実践していることなども掘り下げて伺っていきます。

さらに「企業との対話」の時間では、コモンズ30ファンドの投資先企業から東レ・日東電工にご参加いただきます。

コモンズ投信は、創業以来、この”対話の場”を大切にしてきました。

なぜかというと、コモンズの投資先企業とは、記号や株価でなく、そこにはリアルな人間が働き、チャレンジし、不安に直面しながらも、希望や喜びを見出しながら進化し続ける生き物で、コモンズのファンドを持っている皆さまには、このような対話の場を通じて、「こんな“人”たちが働いている会社に投資している」と感じていただけると思うからです。

また、私たちコモンズは、皆さまから長期投資を託されているんだということを改めて認識する場とし、原点を再確認して、現状を踏まえ、これからの発展の追い風にしたいと考えています。

遠方やご都合で当日参加できないという方々には、後日、動画やレポートでしっかりこの場のご報告をさせていただきます。

私自身、長期投資を実践していく仲間として、皆さまとこの場を共有していくことをとても楽しみにしています。

お時間が許せば、ぜひ会場に足をお運びください。

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The 8th Commons Dialog~共に創る"対話"の時間~
日時:3月11日(土) 10:30~17:30(受付開始 10:00)
場所:東京都中野区(コングレスクエア中野)参加費無料
http://www.commons30.jp/8th/
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2017年3月1日水曜日

ホンキの長期投資による資産づくりを語る草食投資隊

おはようございます。 渋澤健です。先週の金土に東証IRフェスタ2017が東京国際フォーラムで開催されましたが、初日の午前中に朋友のセゾン投信の中野晴哲さんとレオス・キャピタル・ワークスの藤野英人さんと2010年に結成した「草食投資隊」のトーク・セッションを設けていただきました。

長期投資を日常生活の「文化」として日本全国へ広めたい。そんな想いで、独立系運用会社の代表の三名が意気投合して始まった活動ですが、7年間を経て素敵な友情、そして良きライバルの関係を築けたのも、草食投資隊を支えてくださる全国の皆さんです。当日も、平日の日中に関わらず、草食投資隊の応援団が前列の席に駆けつけていただいたとは、本当にうれしい限りです。


当日は、会場でただステージを渡されただけで進行の司会は無し、事前の打ち合わせもほぼゼロという状態でしたが、長年、一緒に登壇しているだけでお互いの呼吸が身についているので、まるでジャズ・セッションのような楽しいライブ感に溢れたセミナーでした。

「ホンキの長期投資」とは
・価格を追うのではなく、価値に投資をすること
・価値創造の当事者であるという意識を持つこと
・「つみたて投資」を通じて時間とは自分の大切な資産である自覚を持つこと
などなど、本質を満員御礼の会場でお伝えすることができました。

また、「資産づくり」とは
・「お金」持ちになることではなく、「資産」を持って活用すること
・「利確」を眼中に常に置くようでは資産づくりはできない
・今の自分の利益だけではなく、子どもの成長を育むような視点も必要
などなども、ご来場いただいた皆様へお送りしました。


一時間という短い時間で、「草食投資隊」のセミナーへご参加された方々が多かったと思いますが、皆さんのお顔の表情を拝見すると、我々三人の長期投資へのホンキ度が伝わってようです。とても、うれしく思います。
2017年2月27日月曜日

プリファード・ネットワークスってどんな会社?

自動運転ではトヨタ、ロボットではファナックと資本提携。IPS細胞の山中伸弥研究室との共同研究。国立がん研究センターとのがん医療システムの開発プロジェクト…
3/11に開催される8周年イベント「The 8th Commons Dialog~共に創る"対話"の時間~」のザ・2020ビジョンのテーマコンテンツ『2020年に向けて』では、AIの最先端領域で世界を相手に戦うベンチャー企業、Preferred Networks(プリファード・ネットワークス)の取締役COO長谷川順一さんをゲストにお招きします。AIの最前線をご紹介いただきながら、AIを通して見る産業の変化、働き方の変化、有望な企業などについて会場の皆さんと一緒に少し先に見えてきた未来を描きます。

でも、面白いことは少しでも早く知りたいですよね。そこで、実際にイベントで登壇していただく長谷川さんに、当日お話しいただくさわりだけ早速聞いてきました。

AIの最先端領域で世界を相手に戦うベンチャー企業
プリファード・ネットワークスってどんな会社?
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プリファード・ネットワークス
取締役最高執行責任者 長谷川順一さん
1986年ソニー株式会社入社。 IT研究所システムアーキテクト、 BSCカンパニー プラットフォーム技術部 統括部長などを歴任。


コモンズ投信マーケティング部 横山 玲子
3月11日のイベントをただの運用報告会ではなく、対話を楽しむ時間にしようと、意気込み中。今回のイベントに登壇していただく方のなかで、個人的に気になっているテーマのひとつがAI。


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長谷川さん、プリファード・ネットワークスってどんな会社ですか。
人工知能を使って、自動車や工作機械などの機械をより賢いものにするのが、うちのミッションのひとつです。
たとえば、産業ロボットがたくさん稼働している工場では、人間がプログラミングして、こういう動きをしなさいと決めているので、ひとつのロボットが故障して動きを止めてしまうと、ライン全体が動かなくなってしまいます。しかも、なるべくロボットが止まらないよう、非常に細かい調整を積み重ねていくため、ロボット自体の値段よりも、そのシステムを組むシステムエンジニアリングに掛かるコストの方が高くなるという問題がありました。
でも、ロボットがもっと賢くなって、たとえば1台の動きが止まっても、他のロボットが協調し合い、止まったロボットの役割を補完しながら稼働し続けられるようなネットワークが組めれば、ラインが止まらずに済みます。機械単体に組み込まれた人工知能をより高度化させるだけでなく、人工知能と人工知能をつなぐネットワークの領域も含めて、より賢いものにしていく。社名の「ネットワークス」には、ネットワークをより賢いものにするという意味も込められています。




機械が賢くなるって、具体的にどういうことですか。
身近な事例で言うと、お弁当屋さん。これから人口がどんどん減っていくと、お弁当を詰めるという単純作業の分野で人手不足が生じてきます。だからロボットにやらせればいい、という意見もありますが、実は一見、簡単そうに思える「お弁当に唐揚げを3個ずつ入れる」ことが、ロボットには難しかったりするのです。揚げられた唐揚げの大きさはバラバラなのに、同じスペースに入れられる大きさの唐揚げを3個選ぶことが出来ない。人間ならその作業を簡単に行えるのですが、ロボットにはまだハードルが高いのです。でも、ディープラーニングによって機械が賢くなれば、決められたスペースに、大きさの異なる3つの唐揚げを入れられるお弁当ロボットが出来ます。
あとは、自動車の自動運転です。これは2020年にもなれば、かなり実用化されていると思います。自動運転では、自動車に複数のカメラとセンサー、ミリ波レーダーを搭載し、人、標識、車道、路側帯などを認識しながら、人や荷物を目的地までより安全に運ぶことを目標に開発が進められており、私たちはその認識の部分などもディープラーニングで学習し、その精度を上げるところで競争しています。この競争は本当に日進月歩で、カメラやセンサー、そしてディープラーニングの進化によって、昨年までは出来なかったことが、今年は出来るというくらいのスピードで、どんどん進化が加速しています




ディープラーニングってどういう仕組みなのですか。
今までは人間がルールを作ってそのルールに従ったアルゴリズムを開発してました。たとえば、自動運転なら、人間にぶつかってはいけない、他の車に接触してはいけない、曲がる時はこうすれば上手に曲がれる、信号が赤になったら停まれ、歩道を走ってはいけないということを、すべてプログラミングしなければならないのですが、人間はすべての場面をルール化できません。ディープラーニングではまず、ぶつかってはいけないということを教え込みます。ぶつからなかったらプラスのポイントを上げる。だから、どうやったらぶつからずにポイントがもらえるかを学習していきます。動き出して他の車と接触したら、今度はポイントをガンガン減点します。すると、他の車にぶつからないように動いて、最高得点を取れるようになるにはどうすれば良いのかを、機械が学習し、よりスムーズに動けるようになります。障害物も最初は1個だけ置き、それを避けられるようになったら3個に増やすなど、徐々に難易度を上げていくうちに、全て避けて動けるようになります。
このように、自分で学習した結果をもとに起こしたアクションで得た結果から、さらに学習することを繰り返していくのが、ディープラーニングです。この方法だと、通常のプログラミングで行うと1年くらいかかるものが、1時間程度でクリアできてしまう。
しかも、コンピューターは決して疲れたとは言わないので、24時間365日学習し続けられます。勝手に賢くなっていくのです。




人工知能を活用して病気を治せる時代も来るのでしょうか。
国立がん研究センターおよび産業技術総合研究所と組んで開発プロジェクトをスタートさせました。国立がん研究センターには、がんに関する膨大な診断データがあり、これをゲノムデータと組み合わせることによって、過去、こういう遺伝子を持った人はこういうがんに罹ったという学習をさせていきます。現在の血液検査だと、がんに罹っているかどうかを判明できる確率は80%程度で、どの部分のがんなのかという精度もあまり良くなく、ディープラーニングを用いることによって、1滴の血液からがんであることを判明できる確率は99%以上まで上昇し、しかもどのがんなのか、ということまでわかるようになります
今、IBMのワトソンという人工知能も、医療分野での応用が行われていますが、これは大量の論文、医療カルテから、こういう人にはこういう処方をすれば良いというように、あくまでも過去の知見から処方箋を見つけ出すものです。
これに対して我々が今、取り組んでいるのは、今まで分からなかった知見を、ゲノムデータから見つけ出すというチャレンジです。これが実現すれば、99%以上の確率で、特定のがんを早期発見できるようになります。




人工知能が本格的に普及するのは、そう遠い未来ではないとお考えですか。
人工知能は昔のトランジスタと似たようなものだと考えています。トランジスタが世に出た最初の頃は、性能そのものが悪くて、「こんなもの何に使うんだ」という声ばかりでしたが、ソニーが一所懸命、トランジスタの性能向上に努め、それを小型ラジオに搭載したことで、爆発的な需要を生み出しました。具体的に、何に使えるのかということが分からないと、爆発的な需要には結びつかないのです。
人工知能もそれと同じで、現時点では自動運転や産業用ロボット、あるいは医療分野などでの応用が行われていますが、これと組み合わせたら需要が爆発するというものは他にもまだ沢山あります。
ただ、ひとつだけ確信をもって言えるのは、トランジスタは電気信号に関連する部品なので、おもに電機業界に広がりましたが、人工知能は世の中に存在するすべてのデータを扱えます。データはさまざまなセクターの、さまざまな企業が持っているものですから、それがもたらす影響の度合いは、トランジスタと比べ物にならないくらい、大きなものになります。




人工知能は企業の何を、どのように変えていくのでしょうか。
自動車業界は、これまで自動車を作って、それを世界中で売れば利益が得られたわけですが、将来、自動運転が本格的に普及すると、自家用車という概念そのものが無くなるでしょう。そうなったら、自動車業界は車を作って売るということ以外の部分で、利益を得ていく必要があります。
その時、膨大な自動車、交通関連のデータを持っている自動車メーカーは、自動車保険のビジネスに乗り出してくるかも知れない。
あるいは医療機関が生命保険のビジネスに関わることも考えられます。
恐らく、高品質なデータをたくさん持っているところが、垂直統合的なビジネスに乗り出してくるでしょう。
また、それだけ膨大なデータインフラを、莫大な資金を投じて整備できる企業は、業界内でも1位、2位くらいまでに限られます。
つまり、人工知能が普及していくなかで、生き残れる企業は業界で1位、2位までということになります。きちんとデータを生み出して、それを新しい付加価値につなげられるような企業じゃないと、生き残れない時代になるでしょう。




最後に、プリファード・ネットワークスにはどんな人が集まっているのかを教えてください。
スタッフは全部で60名。うち20%は外国人のエンジニアです。毎年インターンを希望する方も多くて、海外からも50名くらいの方が応募してくれています。
こういう分野で、世界を相手にしのぎを削るわけですから、人数が多ければいいということではなく、草野球チームじゃなくて、プロフェッショナルな集団を作っています。
社内を見渡すと、国際的なプログラミングコンテストでのメダリストだったり、数学オリンピックで金メダルを取ったりしている人が普通にいますし、副社長の岡野原自身、10歳の頃から論文を読み、今も週に100本の論文に目を通して良いものはすぐにプログラミングしてしまうくらいの人物です。
世界的にトップレベルのエンジニア集団と自負しております。


長谷川さん、たいへん興味深いお話ありがとうございました!


3月11日当日は、今回、日本ベンチャー大賞において経済産業大臣賞を受賞したプリファード・ネットワークスとファナックが共同開発している機械の映像や、自動運転の映像なども使いながらさらに詳しくお話いただく予定です。また、長谷川様と鎌田・糸島との対談を通して、「ザ・2020ビジョン」が見据える"変化"を皆さまに体感していただけると思います。
ぜひ、会場に足をお運びください!
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The 8th Commons Dialog~共に創る"対話"の時間~
日時:311() 10:3017:30(受付開始 10:00
場所:東京都中野区(コングレスクエア中野)参加費無料
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※長谷川さんにご登壇いただくのは『2020年に向けて』(15:30~16:30)です

→ 取材記はこちらのブログで紹介しています。


2017年2月20日月曜日