日本経済が黄金期に入った


おはようございます。渋澤健です。二週間連続で連休があると、ちょっとゆとりを感じますね。皆さま、いかがお過ごしでしょうか。

さて、UCLA大のMBA時代の一年先輩でいつもお世話(授業の勉強より、どちらかというと芝生の読み方の勉強w)になっていた塚崎公義さんの新刊をご紹介させていただきます。

「日本経済が黄金期に入った これだけの理由」




良いタイトルですね!日本には「輝かしい未来」が待ち受けているという前向きなスタンスを経済学者が解くという視点が面白いです。(なぜなら、日本にはミクロ的な取り組みでワクワクすることはたくさんありますが、マクロ的にはそのような感情を覚えないからです。)

コモンズ投信の長期投資「未来を信じる力」とシンクロしている内容が多い本だと思いました。

日本の経済社会のデフレ問題の根源には日本人の「心のデフレ」があるとずっと思っていたので、そこから解かれる処方や考え方は大事です。

長年のお付き合いから、塚崎さんはめちゃくちゃ頭が良くて合理的な方であることを知っていますが、経済学の初心者であっても理解できるように平たく執筆されますので、お薦めです。

いくつか、自分の「頭の体操」になったところをご紹介します。

まず、塚崎さんは「日本政府の財政は破綻しない」と断言されます。また、「財政破綻の定義をしないと議論にならない」と主張されます。

私が財政破綻について思うところは、仮に「破綻」しても、その手前の財政危機に陥ったとしても、国の領土が減る訳でもなく、政府が無くなる訳でもなく、国民の生活が無くなるわけでもない。けれども、国民の資産価値が著しく棄損することが最大なリスクです。

現金の価値が著しく下落する(政府の信用orハイパーインフレによって)ので、現金保有率が高い国民が一番「損」することになります。

では、どうすべきか。塚崎さんは「財産税を課せば良い」と提言されます。

そうですね。私も「お金持ち」に増税すべきだと思っています。でも、それは、まさに「お金」、現預貯金を課税すべきだと思っています。970兆円ぐらい国民は持っていますから!

パターン(暴論):一定の金額(1千万円?)以上は相続税100%。でも、他の資産はゼロ。こうすれば、停滞しているお金が社会に循環するでしょう。(このお金の循環を促すことが、そもそも「異次元の金融政策」が目指していたところ。でも、家計の現金保有は増え続けるばかりです。この側面では、政策設計に誤りがあったことは明らかだと思います。)

パターン(やや暴論):生活費のために維持する銀行残高(1千万円?)以上の現預金に年率3%(2%のインフレ目標より高く設定)を課税する。タンス預金や壺に入れて埋めている現金保有者は脱税者と見なす。(ので、タンス預金等をあぶりだす)これも、徐々に、お金の循環を促す策です。

また、塚崎さんは「日本の労働者は勤勉で素晴らしいが、管理職以上はまちまち」と指摘されます。

私も、その通りだと感じています。でも、これは労働者(現場力)が素晴らしいので、管理職以上がまちまちで、今までは、何とかなったということかもしれませんね。

そして、塚崎さんは「終身雇用制は日本向きの制度」「年功序列賃金制が合理的である理由」と評価されています。ただ、終身雇用・年功序列制度があったからこそ、管理職以上になるとまちまちになるという原因もあるかもしれませんね。

ぜひ塚崎さんの新刊を一読ください。きっと良い「頭の体操」になると思います。

2018年9月24日月曜日

見えない資産にスポットを当て、企業価値の向上ストーリーを語る

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定期的に開催されているコモンズ30塾。
今回(2018年8月24日)は堀場製作所のびわこ工場「HORIBA BIWAKO E-HARBOR」で開催しました。
今回のテーマは「統合レポートを読み解く」で、京都企業の代表的な1社である堀場製作所IR担当副部長の上杉英太さま、堀場製作所びわこ工場長の西村公志さまと共に、弊社代表取締役社長の伊井哲朗が対話を行いました。
参加者は(当日の台風の影響もあり)15名。統合レポートのワークショップ終了後は、びわこ工場HORIBA BIWAKO E-HARBORの見学、そして懇親会も行われ、和やかなうちに1日のプログラムを終えました。
今回のレポートでは、冒頭に行われた堀場製作所の上杉英太さまによる統合レポートのプレゼンテーションと、その後に引き続いて行われた、上杉英太さまとコモンズ投信最高運用責任者伊井哲朗のトークセッションをお届けします。
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株式会社堀場製作所
IR担当副部長 上杉英太さま
「見えない資産にスポットを当て、企業価値の向上ストーリーを語る」

■5つの事業セグメントで世界シェア向上を目指す

堀場製作所の会社概要から説明したいと思います。
本社は京都市南区吉祥院。JR西大路駅の近くにありまして、近所にはワコールや、GSユアサの本社があります。

1945年に創業者の堀場雅夫が、現在の堀場製作所の前身となる会社を立ち上げ、それが1953年に株式会社化されました。

なので、株式会社堀場製作所の創設は1953年になり、そこから数えて、今年は創業65周年になります。

グループ全体の従業員数は、7700名。
決算日は12月末の12月決算企業です。
代表者は堀場厚(代表取締役会長兼グループCEO)です。創業者である堀場雅夫の息子で、社長としては3代目です。
現在は会長になり、4代目社長は足立正之が就いています。が、現状、会社のビジネスをリードしているのは、CEOの堀場厚になります。

事業内容ですが、堀場製作所は5つの事業セグメントを持っています。

一番大きいのが自動車事業で、自動車のエンジン排ガス測定装置を提供しています。
二番目に大きいのは半導体事業で、それに次いで医用事業があります。自動血球計数装置を中心として、血糖の測定装置も製造しています。いずれも個人向けではなく、病院に納めています。つまりプロ用の機器ですね。
これら以外に科学事業と環境事業があります。
製品の種類はさまざまで、たとえば水質計測装置とか、大気汚染監視用の分析装置があります。
世界市場におけるシェアは、各分野とも高く、一番ビジネスとして大きいのは、エンジン排ガス測定装置で、世界シェアの約8割を占めています。
そのほか、半導体製造装置に組み込まれるマスフローコントローラーや煙道排ガス分析装置、自動血球計数CRP測定装置なども、高いシェアを持っています。

業績ですが、2018年12月の最新予測だと売上高が2,120億円、営業利益が310億円で、営業利益率は14.6%です。
この予測通りだと、ROEは13.8%になり、この業種においては、かなり高い水準になります。
自動車、環境、半導体、科学の4事業で、売上は最高を更新する予定となっており、営業利益では自動車と半導体が、やはり過去最高を更新する予定です。

■3つのエピソードで語る堀場製作所の歴史

堀場製作所の歴史を簡単に紹介します。
現在に至るまでの歴史には、3つのエピソードがあります。


最初のエピソードは、初代社長である堀場雅夫の時代で、学生ベンチャーとして起業しました。pHメーターといって、酸性、やアルカリ性を電気的に計測する装置を開発し、売り出したのが最初の事業です。

二つ目のエピソードは、2代目の社長である大浦政弘の時代です。大浦さんは堀場家の出身ではなく、堀場製作所の従業員から社長になった方です。この方がエンジン排ガス測定装置を開発し、堀場製作所の自動車計測事業の礎を築き上げました。

エンジン排ガス測定装置の前に、人間の息を測る装置を作っていたのですが、これが非常に優れた性能を持っており、排ガスの測定装置に応用できるのではないかという話が出て、米国の自動車メーカーにそれを売り込んだのが大浦さんです。創業者の堀場雅夫は、「もともとは人間の息を測定する機械なのに、汚い自動車の排ガスを測るなんてとんでもない」ということで大反対だったそうですが、大浦さんは、こっそり排ガス測定装置を開発して、売ってきてしまったのです。

そして三つ目のエピソードが、現会長である堀場厚の時代です。1992年に社長に就任した後、グローバルなM&Aで事業をさらに拡大させました。

最初のM&Aが96年で、その後、97年、2005年、2015年というように、M&Aを行い、売上高を4倍以上に増やしました。今年度、売上高が2,000億円を超えれば、4倍どころか5倍に増えたことになります。

このように、グローバルなM&Aを4回も行った結果、何が起こったのかというと、外国人従業員の比率が高まりました。2017年12月の数字ですが、日本人の従業員比率は40%を割りました。ただ、ちょっと面白いのが、多くの日本企業はアジアを中心に進出していますが、弊社の場合、アジアはむしろ少なくて、比率として高いのはフランス、イギリス、ドイツ、アメリカといった先進国です。

社是は、「おもしろおかしく」です。人生の中で最も活動的な時期、会社で時間を費やすことが多くなりますが、だとしたら仕事が面白くなければ、人生が不幸になります。だから、「おもしろおかしく」なのです。最初、堀場雅夫がこれを社是にしたいと言ったら、「いやいや、おもしろいのは社長だけです」というように従業員からの反対意見もあったと聞いています。

■「見えない資産」をどう読ませるか

さて、ここからは統合レポートである「HORIBA Report」について紹介させていただきます。
弊社のIR活動が本格化したのは、2000年からなので、その歴史は18年足らずですが、この間にIR協議会などから表彰いただいたこともあります。
統合レポートは2013年から発行しています。

堀場製作所が考える統合レポートとは、財務情報をベースにしているものの、同時に、財務諸表に載らない情報、つまり見えない資産である人材や技術などにスポットを当てつつ、企業価値の向上ストーリーを語ることだと思っています。

言い換えると、会社を最も正確に表現する年次報告書が統合レポートであるという認識です。また2013年版までGaiareportというCSR報告書を発行していたのですが、現在、冊子としては発行を止め、詳細情報をウェブサイトに公開する形に移行しました。

対象読者は長期視点の投資家です。何を伝えれば、長期目線の投資家が堀場製作所のファンになってくれるかを日々考えながら、年1回の冊子にまとめる努力をしています。そのために、アクセントと一貫性のある誌面構成を心掛けています。

特徴は4つあります。

第一に、「見えない資産」にフォーカスしていること。統合報告書としてのHORIBAレポートは2013年からですが、アニュアルレポートは1998年から刊行していて、「見えない資産」を掲げるようになったのが2004年からです。

堀場製作所の株価は、上場した1970年代から2000年前後まで、ずっと1,000円前後で底這いだったのですが、徐々にその辺りから、企業価値の向上を目指し、見えない資産に注目するようになりました。

第二に、コンパクトなページ数と、持ち運びしやすい軽さ。実際、ページ数は少ないですし、手に持った感じも軽くするため、紙質にも工夫をしています。

第三に、自分で考え、自分で書くことを心掛けています。ライターに依頼する部分は、ごく一部に過ぎません。出来る限りIR担当が、自分の言葉で書くことをモットーにしています。

第四は、人の顔が見えること。製品そのものよりも、堀場製作所という会社を紹介するための媒体ですから、どのような人がこの会社を運営しているのかを紹介したいと考えています。

個人的に注目していただきたいのが、HORIBA Reportの5ページ目にある「HORIBAの価値創造サイクル」というタイトルの特集です。堀場製作所の価値創造サイクルを、木に喩えて表現してみました。「おもしろおかしく」という企業文化が土壌になり、冒頭で触れた5つの事業という「幹」を築き、見えない資産や事業、価値といった果実がなっていく。

そして、果実の種が地面に落ち、それがさらに豊かな土壌を築いていくというものです。お金という経済的な価値だけではなく、社会的な価値を生み出していく形も見せられるようにしました。

特にSDGsやESG投資の考え方を踏まえ、CSRのページで、それらの考え方や活動内容の説明につなげています。
加えて、今年の1月から、それまで社長だった堀場厚が代表取締役会長兼グループCEOになるのと同時に、代表取締役副会長兼COOに齊藤壽一、代表取締役社長に足立正之という3人を中心にした体制で経営していくことになりましたが、新経営体制の発足により何が変わるのかを明確にするため、所信表明として堀場のCEOメッセージだけではなく、齊藤、足立の両名についても、自分たちは何をするのかを公言してもらいました。

加えて社外取締役の方々の客観的な意見を取り入れたうえで、どのようにしてこの新経営体制が決まっていったのかというプロセスも明らかにしています。

そして、これは将来的な話ですが、継続的かつ長期的な成長を目指していくうえで、今後の経営人材育成をどうするかも含めて解説しています。 

また、19ページから22ページでは、次世代モビリティへのシフトにおけるHORIBAのチャレンジについて特集を組みました。ビジネスの目前に拡がるリスクとチャンスを事業セグメントの特長と共に紹介し、エネルギー問題にも一石を投じたいという思いで作り込みました。

最後に、統合レポートを作るうえでの苦労話ですが、やはり58ページという限られたページ数の中で、すべてを紹介し切れないもどかしさがあります。あるいは各事業部門が、それぞれのお客様に対してアピールしたいことと、株主の皆様に対してアピールしたいことには、どうしても違う視点が入ってきますので、そのすり合わせをどうするかも、苦労しました。ここは常に頭を悩ませるところです。

このような苦労はありますが、継続的な企業価値の向上に向けて、今後もさまざまな工夫をしていきたいと考えています。ご清聴、ありがとうございました。


【トークセッション】
上杉英太さま(株式会社堀場製作所IR担当副部長)
             ×
伊井哲朗(コモンズ投信株式会社代表取締役社長)
「投資のヒントになる統合レポートの読み方・着眼点」

伊井   まず、どうして統合レポートのようなものが作られるようになったのかという経緯ですが、もともとは外国人投資家向けだったのです。外国人投資家は普段、日本にいません。
実際に投資を検討する段階になって、日本の企業を調べようとしても資料がないということで、統合レポートや、その前身にあたるアニュアルレポートが作られるようになりました。
ただ、日本の機関投資家って、特に昔は全く読もうとしませんでした。長期投資ではなく短期投資でしたから。そこで上杉さんに伺いたいのですが、今、日本の機関投資家の何割くらいが、統合レポートに目を通していますか。

上杉   そうですね。国内機関投資家との面談に行くと、大抵、HORIBA Reportの冊子か、Webサイトから印刷したものを読み込んでいる方が多いと思います。

伊井   なるほど。何を申し上げたいのかと言いますと、個人で個別企業の株式に投資している方は、統合レポートを機関投資家よりも読み込んだ方が良いということなのです。
これ、中身にとても価値があります。コモンズ30ファンドは、2009年1月に設定されたのですが、最初に組み入れた30銘柄のうちの1社が堀場製作所でした。なので、かれこれ9年くらい保有し続けているのですが、この間に株価は4、5倍になっています。
では、堀場製作所の株式を、何度も売買して資産が5倍になるかというと、多分ならないと思います。短期の投資家はそれを行うわけですが、これだとつまみ食いは出来ても、本当の意味で、その企業の成長から果実を得ることは困難です。一方、私たちは長期投資家なので、この9年半の株価上昇を全部取れています。
では、コモンズ30ファンドに組み入れる銘柄を調査しはじめた10年ほど前に、堀場製作所の売上が倍になっているとか、1株あたり利益が4、5倍になっているという予想が可能だったのかというと、それも困難です。10年後の売上がいくらになっているのかは、ほぼ予想できません。すると、見えない資産に注目するしかありません。
コモンズ投信では「見えない価値」と称しており、収益力、競争力、経営力、対話力、企業文化に注目します。この5つのうちの、収益力以外の4つは、見えない資産です。
競争力は、当時から高いシェアを持っていたものの、それをどこまで維持できるのかという点に注目しました。

経営力は、堀場厚さんの負けん気の強さ、熱いスピリッツを持った経営者であることに加え、バランスの良い経営陣であるのと同時に、次代を担う経営者を育てていく姿勢を持っていました。
対話力や企業文化も、この統合レポートでも非常に高いものを持っていることが分かります。
以上の点から、この会社なら長期で株式を持てるのではないかという判断のもとで投資しました。今日、お越しいただいた皆さんも、バランスシートのように見える部分だけでなく、こうした見えない資産にも注目すると、長期で持てる企業に出会えると思います。
2015年、イギリスのMIRAを買収したわけですが、どうやってこの買収を成功させたのかを伺ったところ、堀場製作所の企業文化である「Joy and Fun」が気に入ったのだそうです。なるほどなと思いました。

上杉   MIRAについては2015年に買収しまして、特に自動運転や電気自動車の開発支援の分野に注力しています。正直これからですね。
私たちも年間30億、40億円投資し続けている状況ですから、これを本当にうまく成長させられるかどうかは、次の時代の堀場製作所にとって、非常に大きなチャレンジだと思います。
これまでも何度か買収は行っているのですが、今回はちょっと状況が違います。
たとえば1996年と1997年に、いずれもフランスの会社を買収しているのですが、両者とも競合企業ではなくて、堀場製作所がフランスから仕入れ、日本で売っていた製品を作っている会社でした。したがって、堀場製作所のブランドを壊す心配がありませんでした。
また2005年には、ドイツの事業を買収しているのですが、その事業は、堀場製作所の製品開発事業とのシナジーが期待できました。
今までの買収は、いずれも分析計測機器というハードウェアを作っているメーカーでした。でも、MIRAというイギリスの会社は、開発支援やコンサルティングを行うエンジニアリング会社で、ハードウェアは作っていません。堀場製作所にとってまったく新しい事業なのです。しかし、買収後の統合は今までよりもスピードを上げられると期待しています。
というのは、MIRAの社長であるジョージ・ギレスビーは、実は過去2回、経営に関わっていた会社を堀場製作所に買われるという、希有なビジネス人生を歩んでいる方です。ですので、堀場製作所の企業文化は百も承知です。MIRAには600人前後の社員がいるのですが、堀場製作所の考え方は、きっと上手に伝えて下さるでしょう。
なので、あとは今変わりつつある自動車産業で、堀場製作所とMIRAが持っているノウハウを、どのように生かすかを全力で考えている最中です。

伊井   対話力は、コモンズ投信の投資基準のひとつですが、堀場製作所の統合レポートは本当に読みやすいですし、先ほどお話がありましたように非常に軽く、持ち運びやすいし、ページもめくりやすい。加えて、出来る限り自分たちで書くようにしている点が非常に評価できると思います。
現在、統合レポートを出している上場企業は500社ぐらいあるのですが、私たちが読むと、「これ、社長は書いていないでしょ」と気づいてしまうケースが結構あります。

上杉   うちも社長が直接、ワードで文章を埋めるわけではないのですが、私たちが話を聞いてまとめても、物凄い数の修正が入ります。それだけ、統合レポートに対する思い入れが強いのでしょうね。でも、伊井さんへ質問ですが、どこで社長の言葉ではないなんてわかるのですか。

伊井   文章の冒頭で、「私が・・・・・・」と書き出している文章は、社長が直接書いている、あるいはIR担当者が書いたものを、社長自らきちんと手を入れているケースが多いように思えます。
でも、「当社は・・・・・・」って書いている会社もありますよね。これは大半、広報IR担当者任せのケースが多いようです。
大事なのは、見た目が綺麗な冊子を作るのではなく、自分たちの想いをしっかり伝えることです。いろいろな部署が力を合わせて、この1冊を作っているのかどうかは、読んでいるうちに何となくわかります。

上杉   もちろん、いろいろな部署に原稿を起案してもらうケースもあるのですが、たとえば営業部門だと、明らかに取引先であるお客様を意識した書きぶりになります。でも、統合レポートは投資家向けの冊子ですから、私たちIR担当者がしっかり直させてもらいます。

伊井   他の部署の方からの協力は得やすいですか。

上杉   はい。いろいろな部署から、統合レポートに載せて欲しいというリクエストが来ます。毎年、各部署からいただく情報をもとに、今年はどれを載せようかなどと考え、ディスカッションまでさせていただけるのは、とても楽しいですし、より良い統合レポートを作っていくうえで重要だと思います。

伊井   本日はありがとうございました。
★当日の様子はこちらのアルバムからもご覧いただけます★



2018年9月21日金曜日

SDGs~未来を信じる力

おはようございます。渋澤健です。気温がだいぶ過ごしやすくなったと思ってましたが、今日はちょっと夏戻りですね。連休はいかがお過ごしでしょうか。

さて、朝日新聞の未来メディアプロジェクト「2030 SDGsで変える」で三回のコラムを担当させていただいています。今回は、国連が2015年に採択したSDGs(持続可能な開発目標)が掲げる2030年まで「誰一人取り残さない」世の中を築くという文脈で、10月14日(日)の第十回コモンズ社会起業家フォーラムに登壇していただく武藤将胤さん、そして、第四回コモンズ社会起業家フォーラムに登壇していただいた鬼丸昌也さんをご紹介いたしました。

私はお二人に、自分の可能性に限界を作らないこと、そして、自分は決して「無力」ではなく「微力」であるということを教えてもらっています。自分だけでは何もできないかもしれないが、他の人たちの共感と共助、そしてテクノロジーのおかげで色々なことが共創できます。自分だけでは「微力」かもしれませんが、他と合わせれば「勢力」となりえます。

SDGsとは、未来を信じる力なのです。


これは、コモンズ投信を設立した理念と通じるものがあります。「今日よりも、よい明日」は一人だけでは実現は難しいです。そして、日常は目まぐるしく忙しくて、将来は漠然たる不安を抱えているかもしれません。でも、ちょっぴり「未来を信じる力」を持っていれば、大丈夫。「未来を信じたい」けど、わからないでも十分。他の「未来を信じる力」とどんどん合わせれば、それは大きな流れとなるでしょう。


そんな大きな流れを長期投資を通じてつくりたい。これが、コモンズ投信を設立した理由です。ちょうどリーマンショックの真っ最中に関東財務局で投資信託会社としての登録が完了しました。今から10年前のことです。


今回の社会起業家フォーラムは10回目という記念になるイベントです。これまでやってきたこと。そして、これからやりたいこと。10年を節目に、登壇される社会起業家の皆さん、そして、コモンズの大勢の「お仲間」の皆さんと一緒に想いを共有し、一歩一歩ずつ「今日よりも、よい明日」へ前進したいです。ぜひ、10月14日にコモンズ投信がご用意するコモン・グラウンド(共有地)へお集まりください!
2018年9月17日月曜日

リーマンショックから学ぶべきこと

コモンズ投信 伊井です。

2008年9月15日、米国の証券会社リーマンブラザーズが経営破たんしたことをきっかけに世界規模での金融危機が発生しました。

9/15、この「リーマンショック」から丁度10年を迎えます。

未曾有の金融危機を教訓に、この10年間で私たち生活者の資産形成はどのように変わったのでしょうか。当時、株式や投資信託で資産運用されていた方々には、とても大きなショックだったことでしょう。

しかし、振り返ってみると長期的にはリーマンショックも私たち人類はしっかりと乗り越えてきたことが分かります。

目先の大きな出来事に絶望することなく、長期的な視点で未来を信じることが大切です。
例えば、国内市場だけみてもリーマンショック直後は日経平均株価も7,000円程度にまで下落しましたが、現在はその3倍以上の株価になっています。

また、東証上場の企業数も約2,400社だったのが現在3,600社を超え、上場企業数は約1.5倍になりました。

新たに上場した企業も多く、資本市場はこの10年間で大きく成長したと言えます。
この間、個人金融資産は約1,500兆円から約1,800兆円と1.2倍。

ただし、資産別シェアでは株式が約6%から11%ですが、投信信託は3.4%から4.0%に留まっています(出所:日本銀行資金循環統計などから当社作成)。

この数字から、この10年間での資産形成においては資本市場の拡大を上手く活かせていないと思われます。

一方で、政策的な対応は格段に進みました。2014年から導入されたNISA(少額投資非課税制度)の導入を皮切りに、ジュニアNISA、iDeCo(個人型確定拠出年金)、2018年からのつみたてNISAと資産形成を後押しする非課税制度は矢継ぎ早に導入・拡充されました。
この結果、NISA制度全体で約1,200万口座が開設され約14兆円の買い付けが行なわれています。

このように100年に一度と言われた金融危機を乗り越え、資本市場は拡大しています。
将来こうした危機が訪れることがあるかもしれませんが、私たち生活者がリーマンショックから学ぶべきことは、長期的な資産形成を実現させるためには外部環境に一喜一憂することなく、制度を活用して長期・積立・分散を続けていくことの大切さを教訓とすることではないでしょうか。

「投資とは未来を信じる力」ですから。

2018年9月15日土曜日

社会起業家フォーラムはもうひとつの本業

こんにちは コモンズ投信 馬越です。
先日、会長渋澤が朝日新聞主催のイベントに登壇させていただくのに同行しました。テーマは、「企業はSDGsをどう伝えるのか?」。昨今SDGsへの関心が高まる中、会場は企業の精鋭たちで満席でした。
会長渋澤の話を聞いていて改めて気づかされます。言葉の定義やしくみの理解に心奪われるのではなく、「できるのか」「できないか」なのでもなく、本来問われるのは【やりたいのか、やりたくないのか】。
これはここ数年「女性の活躍」「働き方改革」の促進を求められる企業の取り組みを見ていても感じること然り。結局大切なのは、【本気かどうか】。何事においてもそこが一番大事、と改めて感じた次第です。

来る10月14日開催の社会起業家フォーラムは今年で10回目を迎えます。

「社会起業家」といった言葉に馴染みのなかった10年前、リーマンショックのダメージが色濃いタイミングに誕生したばかりの投資信託を運用・販売する会社が、なぜ、今、このイベント?なぜ、今、彼らに注目しているのか?と疑問に思われた方も少なくなかったと思います。また注目してくださる方もさほど多くはありませんでした。
でもわたしたちは【本気】でした。

金融ベンチャーとしてスタートした私たちコモンズ投信が目指していたのは、金融が本来持っている「お金を社会に循環させる」という役割を再定義し、意思を持ったお金の使い方を促すことでよりよい社会、そしてよりよい明日を共に創っていくことでした。

その意思あるお金を企業や経済の持続的な成長につなげていくことを目的にコモンズ30ファンドは生まれたのです。
また、企業や経済の持続的な成長には、安定した社会基盤が不可欠であり、様々な社会課題に取り組むチャレンジャーにも意思あるお金を循環させていく仕組みとして、寄付の仕組みコモンズSEEDCap(シードキャップ)を生みだしました。

今回のフォーラムで登壇くださる社会起業家の数は延べ100名を越えます。
世界から児童労働撤廃、被災地復興支援、こどもの貧困対策、若者支援、産後うつの対策、中間支援組織、森林保全、ソーシャルファイナンスなど、様々な社会課題に取り組むリーダーたち。わたしたちが日々気づかずに、また関心を寄せずに通り過ぎてしまっている社会問題にいち早く目を向け、【本気】で行動を起こした人たちの7分間スピーチリレーをお届けしてきました。そして、過去の登壇者からコモンズSEEDCap応援先(寄付)を毎年1名選出してきました。

参加者は初回数十名でしたが、昨年は250名を越えました。想いとマイクだけを手にしたリーダーたちのスピーチは、多くの参加者の心を動かし、ここでの出逢いが【主体的な一歩】を生み出してきました。

今年は参加者500名を目指しています。
1年間かけて新たな【本気】のリーダーを11名選出しました。
コモンズSEEDCapの応援(寄付)先を、コモンズ30ファンドを保有してくださるお仲間(受益者)と社員と共に、【本気】で選びました。
より良い明日の共創に、わたしたちは【本気】です。
ぜひお友達同士で、親子で、ご夫婦で、お誘いあわせの上、奮ってのご参加をお待ちしております。ひとりでも多くの方にお声掛けいただき、みなさまで熱き7分間に耳を傾けていただけましたら幸いです。

◆◆第10回コモンズ社会起業家フォーラム 参加者募集中◆◆
■10月14日(日)14:00~17:00フォーラムの部
https://www.commons30.jp/seminars/detail/694
■10月14日(日)17:30~19:00懇親会の部
https://www.commons30.jp/seminars/detail/695
2018年9月7日金曜日

この一枚が、社会を変える JAMMIN

"社会をよくしたいと思う人の気持ちを、少しずつ・たくさん集めて、
ほんのちょっとでも社会をより良くしていきたい。"

これは京都に拠点をおくチャリティーファッションブランド「JAMMIN」の大切にしているコンセプト。

ふと気づきます。
JAMMINのコンセプトとコモンズ投信の理念に込められた想いが共通していることに。

"1人ひとりの未来を信じる力を合せて、次の時代を共に拓く"

これがわたしたちコモンズ投信の理念。

そして、「JAMMIN」の語源は「そこで出会った人たちが即興で奏でるJAM SESSION」なのだそうですが、ここにも共感を覚えます。

わたしたちコモンズ投信も、企業、社会起業家、障がい者スポーツのチャレンジャー、そして長期投資家といった様々なセクターの人たち、より良い明日を願ってCommon Ground(共有地)を共創することを目指しています。

そこで今年5月、JAMMINに「コモンズTシャツ」を製作していただくことに決定!


JAMMINの共同創設者の高橋佳吾氏がコモンズ社会起業家フォーラムを登壇してくださるこの機会に。そしてコモンズの10周年、フォーラムの第10回を記念して。

なんだかわくわくしてしまって、心躍る気持ちです。
実は、コモンズのお仲間のみなさんと一緒に楽しめるグッズを、ずっと欲しいな~と思っていたのです。

しかし、何事も「つくる」というのはインスタントにはいかないもの。

JAMMINは、普段から大切にされている製作プロセスに沿って、わたしたちが事業において大切にしていること、想いなどもしっかりとヒアリングしてくださりながら、丁寧に丁寧に製作を進めていってくださいます

そしてわたしたちは、何度も頭を抱えます。

デザインはもちろん、サイズや色だってなんでもいいわけでなく、素材も然り。

「いかにかっこよく着れるのか」、そして大事にしたいコンセプトにあっているのか。
ファッションの真髄に触れることになるわけです。

こちらの写真はコモンズの社員たちがわいのわいの、高橋さんが送ってくださったサンプルで議論をしているところ。
人によって大きめに着たい人、意外にぴったり目が似合う人、色は自分だったらこれだ、あれだと、Tシャツ1枚でしっかりとダイバーシティーを感じてしまう奥の深さ。

そして、3つのデザイン案ができあがってきました。
これまた頭を抱えてしまいますが、社員ひとりひとりが投票して決めました。
さて、どんな想いが込められた、どんなデザインになったか!?
どうぞお楽しみにされていてくださいね。

みなさんは、10月14日のコモンズ社会起業家フォーラムで購入いただくことができます。そして、売上の一部は今年度コモンズSEEDCap応援先PIECESに寄付をさせていただきます。

そうです。
"この一枚が、社会を変える"
JAMMINはチャリティーファッションブランドなのです。
毎週、様々な社会課題に取り組む1団体をピックアップ!
団体のオリジナルTシャツが、寄付つきで製作・販売されます。

団体にとっては自分たちの存在や活動をより多くの人たちに知ってもらえる貴重な機会となり、また楽しく、かっこよく、多くの人と想いが共有できる1週間となります。

わたしたちが寄付のしくみコモンズSEEDCapや社会起業家フォーラムで応援してきたリーダーたちの団体も多くJAMMINとコラボしてきました。

例えば、、、
第3回コモンズSEEDCap応援先の、長岡秀貴さんの今人 スクオーラ―侍学園

第4回応援先 吉岡マコさんのマドレボニータ

第7回応援先 森山誉恵さんの3keys

などなど。

他にも様々な社会課題に取り組む団体の素敵なTシャツを下記サイトからご覧いただけます。

8月、いつもは京都にいらっしゃる高橋さんが、渋谷ヒカリエの1階入り口のベストポジションにPOPUPSOTREを出展されているというので、ご挨拶にいってきました!

フォーラムのちらしの写真でちょっと怖そうな人と囁かれていた高橋さん。
いやいやとってもお優しい人物でした。笑

少し遠くから観察していると、おしゃれなカップルや通りがかりの人が、「かわいい~~」「これいいね」と、普段のファッションに取り入れたい商品として素直に手にとって、いざ買おうと高橋さんのところにいって、「あれ、これ寄付にも繋がるんですか?」という感じ。
「寄付」ってお金持ちがするもの、ちょっと自分にとってハードルが高いものと思っていた人たちの心のバリアーがファッションを通して消えていくのがわかります。

ということで、馬越もちゃっかり我が家の男子たちに仕入れて帰宅しましたら、センスがよく、着心地よい質感の良さに、母としての「株」が急上昇(笑)。
社会課題の解決にも繋がっているブランドのコンセプトと、胸にデザインされた明るくてすてきなメッセージの意味を伝えると、息子たちの背筋がすっと伸びているようにも見えました。現在ヘビロテ中です。


10月14日、再びJAMMIN 高橋さんが京都から東京に来てくださいます。

第10回社会起業家フォーラムの今回のスピーチテーマは、「これまでしてきたこと、これからすること。」
高橋さんの熱き7分間を聞きに、そして、コモンズTシャツと出会うために、ぜひ会場にお越しください。
スタッフ一同、Tシャツ着用でお待ちしております。
~詳細・お申し込みは下記をご覧ください~
https://www.commons30.jp/seminars/detail/694

コモンズ投信で寄付のしくみ担当
馬越裕子







2018年9月5日水曜日

コモンズ投信のメンバー


おはようございます。渋澤健です。秋の気配を感じるようになりましたが、これから大型台風の上陸にも構えなければなりません。どうぞお気を付けてください。

さて、先日、うれしいことがありました。コモンズ投信にご関心いただいていた方と面談中に、なぜ独立系投信かとお伺いしたところ、大手金融機関と比べて顧客と目先の取引だけではなく長期的な関係を築いているところというお答えをいただきました。

そして、なぜ独立系の中でコモンズ投信に関心を持っていただいたのかとお伺いしたら、各社のHPを見た中で、コモンズだけがメンバー全員の顔を見せていて、プライベートな側面も見せているところというお答えでした。これは、うれしかったです!

コモンズ投信のメンバー

ご覧のとおり、コモンズ投信は少人数の会社です。しかし、少人数だからこそ、できることもあると思っています。

その一つはメンバー一人ひとりが顧客(コモンズ的には「お仲間」と呼んでいます)との距離感を縮めて、単なる「顧客ニーズ」に合わせることなく、「顧客本位」を大事にしていると自負しています。これが、伝わっていたんだと、面談で感激しました。どうもありがとうございます!

今度、ぜひとも、コモンズ投信へお立ち寄りください。全員が笑顔でお迎えいたします!

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2018年9月3日月曜日