【第14回コモンズSEEDCap応援先 選考プロセスがスタート】

今年も コモンズ30ファンドの寄付のしくみコモンズSEEDCap(シードキャップ)の応援先の選定プロセスがスタートしました。

コモンズ投信のお仲間のみなさま、ぜひこのプロセスにご参加ください。
*3月最終営業日時点でコモンズ30ファンドの受益者であられる方が、推薦の権利をお持ちになります。

コモンズSEEDCapとは、私たちコモンズ投信が創業以来続けてきた社会起業家支援。
わたしたちが考える社会起業家は、確固たる信念をもって、社会を動かそうとしている人物。
社会課題にいち早く気づき立ち上がった社会起業家に、弊社が受け取る信託報酬の1%相当を寄付し、1年間広報支援などでも応援するというプログラムです。
わたしたちは、寄付も、よりよい世の中を次世代へつなげる利他の「長期投資」と考えているため、寄付も投資と同じように本業として取り組んできました。
◇コモンズSEEDCapに関してはこちら

さて、今回の最終候補者3名を改めてご紹介します
(各候補者のプロフィール、メッセージ、フォーラム動画、SEEDCapの寄付や応援に期待することがご覧いただけます)

(フォーラム登壇順)
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候補者(1)菊川穣(きくがわ ゆたかさん
一般社団法人エル・システマジャパン
https://www.elsistemajapan.org/
共創の音楽で子どもたちの生きる力を育み、
誰もが包摂された社会の実現を追求しています。


第10回コモンズ社会起業家フォーラム登壇者

【プロフィール】
国際機関に憧れ、英国で大学、大学院に。シンクタンク勤務後、ユネスコ、ユニセフの教育、エイズ分野の専門家としてアフリカ3カ国で働く。奮闘。
帰国後、官民連携事業J8サミット統括担当、日本ユニセフ協会で、東日本大震災緊急支援責任者として東奔西走中、ピアノ、吹奏楽と触れてきた音楽が社会を変えうるというエル・システマに出会い、福島・相馬にて地元主導で日本初の活動を開始。
現在、全国6ヵ所+作曲教室を展開している。

【メッセージ】
設立10年を迎え、「誰もが自由で創造性を発揮できる共生社会」をビジョンに、「音楽を通して未来を担う次世代を育む」をミッションに再定義し活動中。
家庭の経済状況や障害にかかわらず、希望する子どもに無償でオーケストラ、合唱に参加できる環境を整え、公教育の音楽授業支援、作曲教室などクリエイティブな活動も含め、参加者は2022年度末時点で約2400人を数え、昨年、国際交流基金地球市民賞受賞。
音楽を通し、自己を表現し、仲間と連帯意識を深める経験は、困難に直面したり、機会の少なかった子どもたちを前に進める活力となります。
これまでの経験を活かし、今年度からは、児童養護施設への子どもたちへの活動を他団体と連携し展開予定。コロナ禍を経て広がる体験格差を、共創の音楽で克服します。(*)

【SEEDCapの寄付や応援に期待すること】
厳しい環境下にいる児童養護施設で暮らす子どもたちに対して、文化芸術、スポーツ体験を促進する取り組みがないわけではありません。「弦楽りぼん」の弦楽器教室プロジェクトはまさに、良質で継続的な内容と丁寧な仕組みにより、活動を実施してきた神奈川県、東京都の5箇所の児童養護施設での評判が高く、新規での希望も増加していました。
しかし、個人の善意で運営されてきた同団体は、コロナの影響も大きく現在事業の再開も容易ではありません。
そうした状況で「弦楽りぼん」から今後の事業継続のための相談を受け、まずは、鎌倉市、川崎市、渋谷区での弦楽器教室の再開を目指しています。弊社が直接雇用する弦楽器指導者による指導体制、カリキュラムの再構築を行い、既存の弦楽りぼんの指導者や弊社の首都圏在住の若手社会人や学生を中心とした指導ボランティア(フェロー)が継続的に関わっていける仕組みを作ります。
また、新たに整備した指導者向けの5つのクレド(信条)(喜び、ケア、尊厳、芸術性、責任)を、子どもたちの権利が最優先され、生きる力を育むことができる新しい音楽教育実践の場として、児童養護施設環境から実現していきます。それが、コモンズ投信さんと一緒に目指していきたい未来です。 


(*)文章の最後に、「遺産を次の世代に引き継ぐことを目指し、これからも継承活動に取り組んでいきます。」という誤表記があり、修正させていただきました。大変失礼致しました。

候補者(2)田中宝紀(たなかいき)さん
NPO法人青少年自立援助センター
定住外国人支援事業部
2010年より海外にルーツを持つ子どもを対象とした日本語教育、
学習支援、就学・高校進学や就労支援を実施しています。


第14回コモンズ社会起業家フォーラム登壇者

【プロフィール】
16才で単身フィリピンのハイスクールに留学。
フィリピンの子ども支援NGOを経て2010年より現職。
海外にルーツを持つ子どもたちのための専門家による教育支援事業『YSCグローバル・スクール』を運営する他、日本語を母語としない若者の自立就労支援に取り組む。
現在、日本ユネスコ国内委員会委員、認定NPO法人DXPアドバイザー他。著書『『海外ルーツの子ども支援 言葉・文化・制度を超えて共生へ』(2021年、青弓社)

【メッセージ】
YSCグローバル・スクールは、これまでに2,000人以上の海外にルーツを持つ子ども・若者を支援してきました。
海外ルーツの子どもたちに対する支援体制はまだまだ十分ではなく、日本の学校の中で孤独な状況に置かれる子も少なくありません。
YSCグローバル・スクールは、こうした子どもたちが専門家と共に日本語を学んだり、同じ境遇の仲間と出会い、自らを自由に表現することができる、学びとつながりの場としてその成長をサポートしています。
また、2020年度からは、様々な分野で子ども・若者の支援に取り組むNPOに対し、これまで培ったノウハウをもとに「多文化対応」推進のための研修や伴走支援を行っています。子ども食堂、e-learning、若者支援、LGBTQ支援などの団体と共に、海外ルーツの子ども・若者・生活者における社会資源へのアクセス拡大を目指して活動しています。

【SEEDCapの寄付や応援に期待すること】
-奨学金として、YSCグローバルスクールの月謝負担が難しい家庭に無償で専門家による日本語教育を提供する原資として毎年一定の資金を必要としています。
この奨学金資金としてご寄付を活用させていただけますと、経済的に苦しく、日本語もわからない状況の子どもたちに支援を届けやすくなります。
また、フォーラムでご一緒させていただいた起業家の皆様よりたくさんの「協働」のお声がけをいただきました。フォーラム以外でも、他分野のソーシャルセクターの皆さんと「海外ルーツの子どもも入れて、何かしたいね」と言っていただけることも増えました。(例えばプログラミングキャンプや、スポーツ、職業体験など)
このようなコラボレーションが多く生まれれば、それだけ日本の子どもたちや大人と出会う機会が増え、海外ルーツの子どもたちの可能性も広がります。しかし助成金などが獲得しづらい部分でもあり、ご寄付のような使途をある程度お任せいただける資金で、こうした大小様々なコラボに取り組んでみたいです。
コラボを進めることで、外国人対応のノウハウの移転につながり、いずれは海外ルーツの子どもに対応可能な社会的事業も増え、共生社会の基盤整備の一助にもなると思っています。


候補者(3)濱野将行(はまのまさゆき)さん
一般社団法人えんがお
子供から高齢者、障がいの有無に関わらず全ての人が日常的に関われる
「ごちゃまぜの地域づくり」に取り組んでいます。


第14回コモンズ社会起業家フォーラム登壇者

【プロフィール】
栃木県出身。作業療法士。
大学1年生の3月、東日本大震災が起き、翌々日には周りに多数の避難所ができた。その支援活動で無力さを強く実感。
その後、被災地支援や海外支援、地域づくりを行う中で「高齢者の孤立」という問題に直面。一生懸命生きた人の最期が「孤立」。そんな社会は間違っている、との想いを持ち25歳で起業。
世代や障害の有無に関わらず、全ての人が日常的に関わり合う地域コミュニティづくりに取り組んでいる。

【メッセージ】
「1週間に一回、電話でいいから誰かと話したい」。
そう話すおばあちゃんがいました。
あるおじいちゃんは「1人で毎日テレビに話しかけてるよ」と話してくれました。
国の調査では「会話頻度1週間に1回以下」と答える方は独居高齢者の10%以上に上ります。一生懸命生きても、最期は孤立。そんな社会で、子どもや若者は未来に希望を抱けるでしょうか。
私たちは現在、徒歩2分圏内で7軒の空き家を活用し、様々な方向けの居場所を作っています。そこでは90代の方が精神疾患のある若者と世間話をしたり、80代の方の手料理を皆で食べたり、それを不登校生が手伝ったりする日常があります。
今回は、そんな些細な日常の話をさせていただきます。

【SEEDCapの寄付や応援に期待すること】

地元の若者や高齢者、不登校生や障害を抱えた人が交流する地域コミュニティに、新たに子供の入り口として学童保育を開設しました。ここでは、子どもだけでなく保護者同士がつながる場所を目指しています。そうすることで、家庭だけで何かを抱え込むことがない環境を作ります。  

また、入り口には足湯も設置しました(笑)。地域の人が自然に子どもたちと一緒に過ごせるようにするためです。新規事業なので赤字も大きいのですが、地元で悲しい事件もあり、今必要なものを重視しました。  子どもたちの居場所には、これからもまだまだ必要なものがあります。遊び場にドラえもん的な土管を置いたり、木登り用の木も植えたいです。  

いただく寄付金は、こうした子どもたちの居場所や、その他「お金にはならないけど今やらなければいけないこと」に活用させていただきます。例えば山間地の孤立高齢者の支援や、地域食堂の運営、不登校生支援などです。これらは決して収益にはなりづらいですが、求めている人が目の前にいるので、たとえ赤字でも続けていきます。

活動に賛同しご寄付いただけることは、現場として何よりもの支えです。今回、このような機会をいただいたこと、改めてコモンズの皆様に感謝しています。 



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10月
コモンズ社会起業家フォーラムの開催
フォーラムに参加してくださったみなさまの感想や応援の声を参考に最終候補者1名を選定(田中さんが選ばれました)。
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翌年2月~4月
最終候補者2名を、社内選考委員会が過去のフォーラム登壇者の中から選定(菊川さん、濱野さんが選ばれました)。
*全社員の議論、投票によって選定しました。
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3月
最終候補者3名を発表。
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4月12日
候補者対談オンラインイベント開催

3名の最終候補者が登壇しスピーチや対談を通して、現在の取り組みや想いを発信。
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お仲間※に向けて、「どの候補者を応援したいか?それはなぜか?」といった推薦の声をお届けいただくお願いのメールを配信させていただきます(募集期間は5月15日(月)まで)。
※3月最終営業日時点でコモンズ30ファンドの受益者であられる方
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5月中旬
全社員にて、お仲間の声を参考に、議論。
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5月下旬
外部審査員を迎えて最終の選考委員会にて寄付先を最終決定、発表。
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10月22日      
コモンズ社会起業家フォーラムにて授賞式
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推薦の権利をお持ちのみなさまは、候補者の活動やプロフィールをご紹介したブログ記事・過去の社会起業家フォーラムでのスピーチ動画、候補者の方々とのオンライン対談イベントをなどをご参考に、ぜひ推薦プロセスにご参加ください。
推薦先1名とその理由をお知らせいただくための、推薦フォームは、4月14日ごろにみなさまにメールにてご案内いたします。


最終選考の結果発表は5月下旬を予定し、10月22日に開催が決定した今年14回社会起業家フォーラムで授賞式を開催します。

ひとりでも多くのお仲間のお声を最終応援先決定のために参考とさせていただきたく、何卒よろしくお願いいたします。

コモンズ投信 
ソーシャル・エンゲージメント・リーダー
馬越裕子