こどもトラストセミナー寄付の教室2020
コモンズ投信 馬越です。
昨年末12月も毎年恒例のこどもトラストセミナー「寄付の教室」を開催することができました (寄付月間2020公式認定企画でした)。
今年は残念ながら新型コロナの感染拡大を鑑みてクリスマス会は開催できませんでしたが、オンラインとなったことで全国からの参加がかないました。
午後が小学校高学年クラス。
今回寄付先候補に紹介したのは、毎年秋に当社が開催している社会起業家フォーラムに過去登壇した3団体。
【候補1】日本在住の外国籍のこどもたちに日本語教育などサポートを行う「にわとりの会」。
【候補2】病気や戦争、災害などで心に傷を負った世界中の子どもたちへ画材や絵本、ワークショップの提供を続ける「子供地球基金」。
【候補3】現在新型コロナの影響で自然界に戻すことができないオラウータン の保護活動をサポートしている森林保全団体「moretrees」。
こども達は様々な理由で寄付先を選んでいきます。
「自分も英語をやっているけど、住む国の言葉ができないのはきっと大変。」
「わたしも絵を描くのが好きで絵を描くととても楽しい気持ちになるから。」
「オラウータンがこの世界からいなくなったら嫌だから。」
シンプルなものでもいいのでそれを大事にしてね、と、こどもたち達に伝えます。
そして、その気持ちや理由を、他の人に伝えることが、自分たちの未来を主体的につくっていく力に変わっていくことを、こどもトラストセミナーを通して感じてもらいます。
コモンズの寄付の教室(主に高学年)は、4つのお金の使い方のワークシートへの記入で終わります。
このワークは、セミナー冒頭でも同じことをするのですが、寄付先選びをした後だと、不思議なほどにこどもたちの考え方に変化が生まれます。
つかう、ためる、ふやす、きふする。
最初は、多くの場合、4つの使い方の「枠」の、「つかう」、「ためる」、にしか、こども達は自分たちのアイディアをうめることができません。
しかし、未来を考える時に、こどもたちは、素直に、自分だけのことを考えたりはしません。
みんな(we)にとっていい社会が自分(me)たちにとってもいい社会、そんな風に素直に考えるこどもたち。
投資のこと、寄付のことを知ってみると、みんなにとって、自分にとって、それがいい社会を作るためのお金の使い方なのだと理解するこどもたち。
最初、なんとなく、お金を均等に4つの枠にいれていた子が、最後のワークシートでは、「ためる」に入れていたお金を「ふやす(投資する)」に移動。「きふする」は変わらず。
その理由を聞いてみると、「きふ」をしたいのだけれど、もっと「ふやして」からの方がもっと「きふ」ができるから。
そして一方では、「つかう」を「ためる」に移動した子もいました。
自分はやっぱりまだ「ふやす」がわからないから。
だから「きふ」するために、もうちょっと「ためて」おこうと思う。
本当にすごいです。
こどもトラストセミナーでは、いつも、最初はこどもたちの表情はとても不安げです。
こどもたちに「お金持ちってどんなイメージ?」という質問をするのが、私は大好きです。
こどもたちからはこんな答えが返ってきます。
「一生懸命働いているから、いい人だよ」
「お金で買えないものはないと思っているから、悪い人だよ」
「いい人も悪い人もいる。その使い方稼ぎ方によるんだ。自分のことばかり考えて、人のお金をとるような泥棒みたいな人はやっぱり悪い人だと思う」
お金のことが実は大好きなこどもたち。
彼らが、どんなお金の使い方を学んで、どんなお金持ちを目指していくのか、どんな社会をつくっていくのか、今からとっても楽しみでなりません。
そして、もちろん、彼らの時代が来るまで、わたしたち大人も、しっかりといいお金持ちになって、いい社会をつくって、彼らに受け繋いでいきたいですね。
NHKの大河ドラマが始まるこの2月、渋沢栄一が残した「論語と算盤(ろんごとそろばん)」とは?未来を担うこどもたちと会長渋澤が一緒に読み解いていくワークショップを開催します。ぜひ奮ってのご参加、お待ちしています。
わたしの想い、みんなに届け〜第8期コモンズPOINT応援先が決定しました〜
今年に延期された東京オリンピック・パラリンピックについて、NHKの世論調査が行われ、今週、以下の数字が発表されました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210113/k10012810061000.html
1278人の回答が得られた中で「開催すべき」が16%、「中止すべき」と「さらに延期すべき」をあわせた数字は77%になりました。
わたしたちコモンズ投信は、コモンズPOINTという寄付のしくみを通して、前回(2016年)のブラジルリオパラリンピック大会直前から、障がい者スポーツの競技団体を応援してきました。
初代応援先(第2期~4期)は、(特)日本視覚障害者柔道連盟。
思い返せば、東京パラリンピックが決まった時に、わたしたちはどんな景色を願い、がんばろうと誓っていたのか。
東京でパラリンピックが開催されることをきっかけに、この国がもっと多様性のある世界に進化することではなかったでしょうか。
しかし現状は、「見え始めていた」ダイバーシティが再び「見えづらく」なってはいないだろうかと懸念しています。
東京パラリンピックに向けて、選手、ご家族、競技団体は、多様な人々が暮らしやすい世界をつくる「代表選手」のごとく、特にこの数年は、賢明な努力を日々積み重ねられてきました。
その努力は今も続き、そしてもちろん、2021年以降も続いていきます。
寄付のしくみコモンズPOINTは、引き続き障がい者スポーツのみなさんを応援していきます。
今週1月12日には、外部審査委員をお迎えして、コモンズPOINT第8期(次期)応援先最終選考委員会を行いました。
コモンズ投信伊井&渋澤より新年のご挨拶
新年明けましておめでとうございます。
また、平素より格別のご愛顧を賜りありがとうございます。
2021年の幕開けに、弊社代表伊井、会長渋澤より皆さまへのメッセージをお届けいたします。
【代表取締役社長 伊井からのメッセージ】
新年あけましておめでとうございます。
旧年中は大変お世話になり、誠にありがとうございました。
昨年は、コロナ禍で制約の多い一年となり、それぞれの環境においてご苦労も多かったことと思います。
そんな中、私が尊敬する経営者の方が「コロナが10年先の未来を連れてきた」との話しをされて、まさに我が意を得たりでした。
当社は、『投資は未来を信じる力』と説明させていただいていますが、一気にリモートワークやオンライン診療/教育が進み始めたりすることが現実となったわけです。
メディアを通じての情報だけではイメージが難しいことも、投資を通じて企業や社会とつながることで理解が進み、こうした新しい未来にスムーズに対応出来ることも増えていくはずです。
昨年末は、日経平均株価が30年ぶりの高値になりました。
30年前の株式市場は、上場会社数も1,750社程度。
それが30年で2倍以上になりました。株式市場にも新しい企業が増え、また、投資家も世代が変わって新しい価値観で市場に参加されています。
つまり、30年前の「価格」に戻ったことは同じでも、経済の価値創造を担う企業も資本市場に参加する投資家の価値観も大きく変わっているのです。
10年先の未来を手に入れた私たちは、次の30年に向けて次世代のための社会創りに取り組まなければなりません。
そのためにも、2021年も一緒に、未来を信じる力を育んで参りましょう!
本年もよろしくお願い申し上げます。
コモンズ投信代表取締役社長 伊井 哲朗
【取締役会長 渋澤からのメッセージ】
世界的なパンデミックの最中、変わるものと変わらないものは何でしょうか。
まず、変わるもの。それは時代です。
時代は常に変化するものです。
現在、ダボス会議が提唱している「グレート・リセット」もそうですし、およそ150年前に日本が封建国家から近代化社会へと転身した維新のときもそうでした。
では、変わらないものは何か。
それは人々の生活です。
その生活のあり方は変化しますが、人々の生活という存在は変わりません。
パンデミックの脅威があっても、私たちは生活を持続させなければなりません。
そういう意味で、人々は基本的に変化に抵抗する傾向があります。
昨日の一日の過ごし方は今日の過ごし方と同じと考え、今日の過ごし方も明日の過ごし方と同じと考えてしまいがちです。
でも持続可能性とは現状維持ではない。
時代変化に応じて一日の過ごし方が変化するから、私たちの豊かな生活を持続できるのです。
これは企業も同じです。
変化に抵抗する企業に持続可能な価値創造は期待できません。
そして、持続可能な価値創造に投資するコモンズ投信も同じ。
今年はコモンズ投信の変わらないもの、そして変わるものにご期待ください。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
コモンズ投信取締役会長 渋澤 健