2014年11月、「日立はこれからだ」
2014年11月からコモンズ30ファンドの投資先企業に仲間入りした日立製作所。
数々の苦難の時期を乗り越えて、日本一、世界有数の電機メーカーへと成長した皆さんご存知の企業です。
- 5馬力誘導電動機からの創業
1910年に、久原鉱業所日立鉱山の付属の機械製造、修理部門である「日立鉱業所日立製作所」として創業。創業者は小平浪平。初めての製品は5馬力誘導電動機(モーター)。1920年に株式会社日立製作所が設立されました。
- 日立の復活劇
創業から約100年後の、2008年度の大赤字のニュースは記憶に残っている方も多いのではないでしょうか。
当時、ITバブルの崩壊による赤字の事業が拡大するなか、リーマンショックが起こり、日立は7,873億円の当期損失を計上しました。「つぶれることを覚悟した」という社員も多かったといいます。
想像を超える巨額赤字。しかし、これが日立製作所の経営の再転換点となりました。
経営の建て直しを担うべくグループ会社にいた川村隆氏が社長として呼び戻され、その指揮の元、赤字事業からの撤退・売却、事業ポートフォリオの再編、徹底的なコスト削減などを断行していきました。こうした取組みが功を奏し、2013年度には営業利益が5,328億円と23年ぶり過去最高益を更新するなど、見事なV字回復を遂げました。
日立担当アナリストの末山仁 |
日立製作所は「IT」と「社会インフラ」の事業領域を併せ持つ「IoT時代のイノベーションパートナー」として、事業を通じて、社会やお客様の課題を解決し、人々の生活の質の向上への貢献をめざしています。
英国における鉄道プロジェクトでは、鉄道車両に加え、保守サービスもセットで展開しています。これは、ITと社会インフラ事業を融合した事例の一つです。1編成につき数百個設置したセンサーからビッグデータを収集・分析することで、故障を未然に防ぐ予兆診断などの高度な保守サービスにより、安定的な運行と運用コストの低減を実現しています。英国高速鉄道車両Class395は、従来に比べ乗車時間を大幅に短縮したことで、「通勤時間が以前より大幅に短くなったおかげで、家族と一緒に朝食をとれるようになった」という声もあったそうです。
今後はGEやシーメンスといったグローバルマーケットにおける競合と伍していくために高い利益水準を目指していく方針を掲げています。
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日立グループ・アイデンティティ動画「I am Hitachi」
世界中の日立の従業員が、自分の仕事に対する情熱、夢、誇りを語り、自分たち一人ひとりこそが日立であるという思いを込めて、「I am Hitachi」と宣言しています。
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このとき、コモンズ30ファンドは長期投資ファンドであるので、投資先企業に何が起こっているか、この先しっかり成長できるか、主力事業にかげりがないか等を注意深くみています。
そして、日立製作所はダイバーシティを経営戦略の柱のひとつに据えて取り組んでいます。ダイバーシティ経営の実現に向けて、同社がどれだけ真剣に向き合っているか、その度合いはもちろん、世の中の時流に沿って変われる柔軟性をどのように保っているのか、打ち立てた理念やビジョンをどのように社員全員一丸となって実現していくのかに注目しています。
9月15日(金) 19:00〜21:00
【コモンズ30塾】日立製作所から学ぶ『ダイバーシティ』への取組み
日立製作所ダイバーシティ推進にて中心となってご活躍の武内和子(たけうちやすこ)様にご登壇いただきお話をうかがいます
場所:FinGATE(東京都中央区日本橋茅場町1-8-1)
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