コモンス30ファンドが求めるのは、+α
おはようございます。渋澤健です。連休は大型台風が接近している中、日本全国中で大勢の方々が移動されていると思いますが、特に大きな問題がなかったことを祈願しています。
さて、連休の初日の土曜日に、東京でモーニングスターの投信EXPO2017 が開催され、2000人ほどの参加者が六本木のミッドタウンの会場に駆けつけました。世間では、これほど投信への関心が高いのか!と肌で感じることができた、とても刺激的なイベントでした。
来場者は1日で2500名近くに上りました。 |
そのイベントのオープニングセッションの大ホールで、モーニングスターの代表取締役社長の朝倉智也さんの司会により、バンガード・インベストメンツ・ジャパンの投資戦略部長の塚本俊太郎さんとご一緒にパネルディスカッションに登壇する機会に恵まれました。
大ホールは満席になっため、第二会議室からの中継があったほど関心が高く、とてもうれしかったです。
WOW! 世の中のインデックス運用の王者であるバンガードに対して、アクティブ運用の代表として白羽の矢が立つとは大変光栄なことであると感じました。
どのような展開のパネルになるかと思っていたところ、オープニング・コメントの時に塚本さんがコメントが印象に残りました。
我々は拡大することを目的にしている訳ではなく、正しいことを貫いて顧客が評価してくれているからこそ拡大している。
これに、希望を感じました。
確かに、そうだと。コモンズが思う正しいということを貫くしかない、と。
インデックス運用のファンドのメリットである低コストは、特に長期投資の場合、その通りだと思います。ただ、低コストのインデックス運用のファンドを求めるだけであれば、世の中にはバンガード以外の存在は意味ありません。
誰が運用しようと、その成果が変わらないということがインデックス運用なので、その場合、世界一の運用会社であるバンガードに任せば良い。それだけのことであるからです。
でも、インデックス(パッシブ)運用と比べて、「アクティブ運用」と一言で言っても、実は、その内容は多種多彩です。色々な戦略のアクティブ運用が存在しています。
では、そのアクティブ型ファンドがコストに見合うかと判断どうするか。
やや、専門的な話になるかもしれません。しかし、α(アルファ)=超過リターンとβ(ベータ)=相関性の分析が基本だと思います。
インデックス型ファンドのβは基本的に1.0です。それは、指数とほぼ連動することが目的としているファンドですから。
そして、インデックス型ファンドのαは0です。なぜなら、超過リターンを、そもそも期待していないからです。
一方、アクティブ型ファンドの場合、ベータが1.0以下であれば、リスクを抑えている。1.0以上であれば(レバレッジなど用いる)リスクを積極的に取っていることになります。
したがって、βが1.0以下で、αがプラスであれば、それは「良い」ファンドになります。
言い返れば、インデックス運用の目的はβだけであり、αではありません。
一方、アクティブ運用の存在意義は、+αです。
ちなみにコモンズ30ファンド(信託報酬込み)の設定来のβは0.80ぐらいで、αは4%ぐらいです。ということは、過去の実績ベースで平たくいえば、指数が0%のときに、コモンズ30ファンドのリターンは大体4%ぐらいという+αを受益者に還元できたということになります。
さて、このような分析から見いだせる大切な示唆があります。
βにはコストをかける必要がないということです。なぜなら、低コストのインデックスファンドがあるからです。
一方、運用費用を指しい引いた後のαにはコストをかける価値があるということです。
今週からコモンズ30ファンドの信託報酬(税抜き)を0.98%へ下げます。βの部分をインデックスファンドの平均的な信託報酬である0.20%を支払っていると考えれば、αの部分への期待に0.78%を支払っていただくということになります。(いずれも、税抜きベース)
この0.78%が、αに値するコストなのか。それは、消費者である個人投資家のご判断になります。
例えば、女性の活躍について、プロフィール、つまり、外形的、数値的な目標を否定するわけではないが、それが本質ではないというコメントが大変印象に残りました。その通りですね。
これらは、コモンズ30ファンドの投資先企業の非財務的な「見えない」価値だと思います。目先の業績や株価の影響は直接見えないかもしれません。しかしながら、企業の持続的な価値創造のためには不可欠なことである。そして、「対話」があるからこそ、その見えない価値の見える化へとつながる。そう確信しています。
このように、投資先企業の見えない価値の見える化という「+α」を追求するファンドがあっても、良いと思いませんか? 私は、そう思います。