<9周年イベント>            寄付プログラムプレゼン&トークセッション

<寄付プログラムプレゼンテーション&トークセッション>
一般社団法人more trees【コモンズSEEDCap応援先】
水谷伸吉さま(事務局長)
「熱帯雨林の植林と日本の森林管理で環境保全に資する」
今年度コモンズSEESDCap(シードキャップ)の寄付先に選んでいただきました。
私たちは森林保全のNGOで、設立されて11年目になります。
今、世界では1秒間でテニスコート15面分の森林が失われています。
ポテトチップスやシャンプーに共通して使われる原材料のパームオイルは、ヤシの木の一種なのですが、その油を取るために、プランテーションとして熱帯雨林が切り開かれています。
私たちの社会と熱帯雨林の後退は、密接に関係しているのです。

では、この100年で森林は減ったのでしょうか。
実は、日本の森林は増えています。
世界では1秒間にテニスコート15面分が消えているのに、日本は逆に増えているのです。
これは戦後、スギやヒノキを植えたからで、本来ならそれを木材として適切に使う必要があるのですが、今の日本は木材を海外からの輸入に頼っています。
おかしな話です。
なので、私たちがこれから行っていく活動は、熱帯雨林に木を植えるのと同時に、日本では適切に木を間引いて管理をし、さらに消費者の方々に対しては、自分たちの生活と木の関係を知っていただくための啓蒙活動を行っていきたいと思います。
*水谷さまのスピーチ動画はコモンズTVでもご覧いただけます。

一般社団法人日本知的障害者水泳連盟【コモンズPOINT応援先】
黒田岳史さま(事務局長)
「ストレートな感情表現が魅力」
20年にわたって知的障害のスイマーを支えてきました。
現在の会長は、日本水泳連盟の会長を務めていた佐野和夫です。

日本を100人の村に例えると、男性の人口が49人、女性の人口が51人になり、そのうち障害を持つ人は7人くらい。そのなかで、知的障害者は1人くらいと言われています。
知的障害者とは、たとえば電車の中で大きな声を上げたり、学習に時間がかかったり、状況に応じた行動を取るのが苦手というものです。
結果、人間関係に障害が生じてしまいます。

そういう知的障害者の水泳競技を、私たちは主催しています。
競技を見ていると、知的障害者は身体に障害を持つわけではないので、健常者と同じ泳ぎ方になりますし、ターンもクイックターンです。
そして何よりも、彼ら、彼女らは感情表現がストレートなので、それと見ていると、自分も楽しい気持ちになります。
それを、一人でも多くの方に分かっていただきたいと思います。

*黒田さまのスピーチ動画はコモンズTVでもご覧いただけます。

<トークセッション>
水谷伸吉さま(一般社団法人more trees事務局長)
黒田岳史さま(一般社団法人日本知的障害者水泳連盟 事務局長)
馬越裕子  (コモンズ投信マーケティング部寄付のしくみ担当)
「寄付先に選ばれるということ~これからの活動について」

馬越   コモンズ投信の寄付先に選ばれた感想をお願いします。

水谷   最終選考で3人の候補者に絞られて、それぞれ7分間のプレゼンテーションをしたのですが、やはり選んでいただくためには、心に響くようなメッセージが必要だと思いました。
木は、切られても、痛いとも何とも言えません。そういう意味で、わたしたちの活動対象の森林は、人間や動物の支援に比べてひっ迫感が伝わりにくいとも言えます。
伝える力を試されましたね。

馬越   水谷さんは選ばれた瞬間、とても驚いていらっしゃいましたよね。

水谷   投資家の皆さんがわたしたちを選んでくださったその理由の声も、あの時いっしょに送ってくださいましたよね。
みなさんが本当にいろいろな想いを持って選んでくださったことがわかり、熱いものがこみあげてきました。

馬越   毎年SEEDCapの選考では、お仲間(投資家)のみなさまも、最終選考委員会のメンバーも最後の一人を選ぶことに大変苦悩します。
そして選んだ後は、その選択の責任をきちんと持ちたいと思っています。
選んだ方も、選ばれた方も良かったという選択になるよう、応援活動をしていきます。

水谷   団体のファウンダーが音楽家の坂本龍一で、昨年末開催した設立10周年記念イベントの時に「戦場のメリークリスマス」を演奏しました。同イベントには10年に渡る活動に関係してくださった地域の方々や企業の担当者の方々がご参加くださいました。
いろいろなステークホルダーをつなげるのも、私たちのミッションです。

馬越   黒田さんも、応援先決定の連絡をさせていただいた時、驚いていらっしゃいましたね。

黒田   知的障害は社会的に受け入れにくい部分がありましたし、他の候補団体がメジャーなところばかりでしたので、うちは(選ばれることは)ないなという思いでした。

馬越   わたしが選考時に黒田さんにおうかがいしたお話の中で印象的だったのが、知的障害の選手は、見た目が健常者と同じなので、スポンサーがつきにくいということでした。

黒田   そうです。選手たちは見た感じが私たち(健常者)と変わらないので、特別な存在としてCMに起用されたりしませんし、健常者の方たちとのコミュニケーションも取りづらかったりと、仕事をしながら練習することも難しいです。
だからこそスポンサーが必要なのですが、そこがなかなかうまく行かないのが現状です。
ただ、彼らの笑顔は素敵で、魅力的な選手が大勢います。選手のことを知れば知るほど感情移入することができます。それが知的障害者の水泳の魅力だと思います。

馬越   選ばれて良かったことは何ですか。

黒田   このような場(大勢の人々の前で話す場)に呼んでいただけることが増えましたね。でも、やはり一番は選手が泳いでいる姿を見てもらいたいという一念です。

馬越   最後にメッセージをいただけますか。

水谷   ESGもそうですが、社会がサスティナブルであるための一翼を担っています。ただ、それには私たちの組織自体がサスティナブルである必要があります。そこに留意していきたいと思います。

黒田   東京パラリンピックでメダルをたくさん取るため、選手強化に努めてまいります。

馬越   ありがとうございました。