ユニ・チャームとコモンズの”対話”物語・上


コモンズ投信 伊井です。

コモンズ30ファンドは、2009年1月から運用開始していますが、ユニ・チャームへの投資は、運用開始時点から検討を重ねていました。当時は「ユニ・チャーム」と「ユニ・チャームペットケア」の2社が上場しており、この2社が合併したらいいねと社内で話していました。その後、なんと2010年4月にユニ・チャームがペットケアを吸収するとの発表があり、合併が終了した6月から満を持して投資を開始することとなりました。現在も投資継続していますので、投資期間は6年半を超えてきました。この間、同社の業績は一貫した右肩上がりで株価も2.5倍になっています。

さて、今や誰もが知っているユニ・チャームですが、創業は1961年、大成化工(株)の名前で、愛媛県で産声をあげました。当初は、木毛セメント板(リボン状に細長く削り出した木材をセメントペーストで圧縮成型した建材で天井や壁に使われます)を製造販売する会社でしたが、その後生理用品メーカーになりました。生理用品メーカーらしい名前に変更しようとのことで1974年に今のユニ・チャームという名前になりました。

ユニ・チャームの「ユニ」は、「Universal(ユニバーサル)」・「Unique(ユニーク)」・「United(ユナイテッド)」の3つの意味を持ち、“世界的に通用するユニークな商品やサービスを提供する統合した会社でありたい”という思いが込められました。また、「チャーム」は、英語の「Charm(チャーム)」、生理用品メーカーとして、“女性にはいつも魅力的(チャーミング)であって欲しい”という願いから、社名に取り入れられました。
こうして、「ユニ」と「チャーム」をあわせた「ユニ・チャーム」という社名が誕生したそうです。会社に歴史あり、社名に由来あり、ですね。

―ユニ・チャームの持続的な成長

ユニ・チャームの売上高は創業約50年で7000億円を超える成長となっています。
2015年度の決算まで、なんと、売上高は14年連続、営業利益は9年連続で最高を更新し続けてきました。9年連続というと、この間、リーマンショック、東日本大震災、75円の超円高という困難がありましたがそれらをすべて最高の結果で乗り越えてきたということです。まさに、事業環境の変化にも強い体質で、持続的に成長できる会社ということです。株価はこうしたイベントの時は大きく下がりがちですが、このように業績が最高を続けているのなら私たち投資家は怖がることなく共に永く歩んでいくことができます。

もし、みなさんが1990年代くらいにユニ・チャームの経営を任されたらどうでしょう。いきなり、これから日本は少子化だよ、人口も減るよ、との難題が待ち伏せることになります。
私が生まれたころは新生児は200万人時代でしたが今や100万人ギリギリです。経営者はどのような判断をするのでしょうか。国内でのシェアを高めていく、あるいは海外に打って出る・・・ユニ・チャームはアジアに舵を切りました。


当社が投資を始める段階では海外売上は30%台でしたがわずか5年で60%台に飛躍し、現在アジアではNo.1のシェアを誇ります。ベビー用、女性用、シニア向け、全てにおいてNo.1になったのです。中国、インド他それぞれの地域できっとさまざまな苦労を乗り越えての実績だと思います。

例えば、インドではまだ生理用品の利用率が15%程度しかありません。これは、家庭でも学校でも女性への衛生教育が十分に行き届いていないことが背景にありますが、ユニ・チャームは地元のNGOやJAICAの協力を得て小学校に出向き、その教育を実施しています。こうした取り組みは、商品を売ることを優先するのではなく、地域の課題克服に貢献し、その先にブランドや商品をつなげていくスタイルだと思います。だからこそ持続的な成長が出来ると私たちは考えています。3月の周年イベントでは、是非、アジアでの成功の秘訣、ご苦労を伺いたいと思っています。

―ユニ・チャームの企業文化

コモンズ30ファンドの投資先は、財務データを中心とした「見える価値」と非財務情報である「見えない価値」から成る5つの軸から分析、決定されます。「見えない価値」の中でも企業文化は大切にしています。ユニ・チャームの企業理念は「NOLA&DOLA」ですが、これには、「赤ちゃんからお年寄りまで、生活者がさまざまな負担から解放されるよう、心と体をやさしくサポートする商品を提供し、一人ひとりの夢を叶えたい」という想いを込められています。この企業理念を事業を通じて実現し、社会課題の解決に貢献することに取り組まれています。素晴らしい企業文化がひとりひとりに浸透し、持続的に成長する企業の人材育成や組織の作り方など非常に参考になります。

→ ユニ・チャームとコモンズの”対話”物語・下|6年半の投資期間のなかでの対話や取り組みの中で感じたユニ・チャームという会社の魅力について

ユニ・チャーム高原社長のお話を、直接聞けるチャンス!
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The 8th Commons Dialog~共に創る"対話"の時間~
日時:3月11日(土) 10:30~17:30(受付開始 10:00)
場所:東京都中野区(コングレスクエア中野)参加費無料
http://www.commons30.jp/8th/
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