<パネル>コモンズ投信の寄付を通じて感じたこと

3月11日の8周年イベントでは、コモンズSEEDCapの応援先である、認定NPO法人3keysの代表理事、森山誉恵さんと、コモンズPOINTの応援先である、特定非営利活動法人日本視覚障害者柔道連盟の専務理事、遠藤義安さんのお二人によるプレゼンテーション、そして日本視覚障害者柔道連盟事務局の河野貴子さん、コモンズ投信の馬越裕子を交えてのパネルディスカッションを行いました。

3keys森山さんのスピーチ動画はこちら
視覚障害者柔道遠藤監督のスピーチ動画はこちら

<パネルディスカッション>
コモンズ投信の寄付プログラムを通じて感じたこと
 ■ 森山誉恵さん(特定非営利活動法人3keys代表理事)
 ■ 遠藤義安さん(日本視覚障害者柔道連盟専務理事)
 ■ 河野貴子さん(日本視覚障害者柔道連盟事務局)
 ■ 馬越裕子(コモンズ投信マーケティング部寄付のしくみ担当)

コモンズ馬越   今回のパネルディスカッションでは、コモンズ投信が行っている寄付の仕組みについて触れてまいりたいと思います。実際にこの寄付を受けて感じたことについて教えていただけますでしょうか。

柔道河野   やはり支援していただけるのは、とてもありがたいことなのですが、何といってもうれしかったのは、コモンズ投信が発信している毎月のレポートなどに活動内容などを取りあげてもらえ、常に一緒に走ってくれているという感じがあったことですね。

コモンズ馬越   連盟として目指していることは何ですか。

柔道河野   視覚障害者柔道という競技がメジャーになって、競技に参加してみたいという人が増え、障害者に対する知識と理解が深まり、どうすれば共存していけるのかといったこと考えていけるような世の中を作れたらと思います。

柔道遠藤監督   視覚障害者柔道は、目が不自由な人の柔道です。そのほかは健常者の柔道と何ら変わりはありません。違いは何かというと、お互いに組んでから、試合が始まる、そして離れたら、再び中央に戻り、そこで組んでから試合が再開されることです。
ただ、ずっと組んでいるということは、いつでも技を掛けることができる一方で、いつでも相手からの攻撃を受ける危険性と背中合わせになります。
ずっと組んだまま、常に相手の攻撃を受ける危険性がある状態が続くと、精神的な面も含めると、健常者の柔道に比べて倍くらいの疲労があるのではと思います。
現在、視覚障害者柔道の競技人口は、全国大会などに出場している選手の数が30名ほど。私たちの連盟で把握している視角障害者柔道の選手が50名ほどで、志望者が20名ほどです。もっと選手もファンも増やしていきたいです。

コモンズ馬越   今回、視覚障害者柔道と3keysという、普段はあまり接点がないようなお二方にご登場いただいたのですが、実は「見えない」という部分でのつながりがあるように思いました。3keysは、視覚的に見えないということではありませんが、なぜか社会的に見えない存在になってしまった、子供の問題を考えていらっしゃいます。

3keys森山   かつてあった地域社会の機能が失われる中、その家庭で何が起こっているのかを、隣人でさえ全く把握できなくなりました。子どもと密接に関わる大人が減り、特に貧困や虐待などで地域や様々な社会参加の機会から孤立していると、十分な愛情や教育を受ける機会も減っている中で、大人を信じていない子供が増えやすいです。こういった愛情や教育の格差というのは、途上国に起きている「貧困」や「格差」と比べてとても見えづらいものですが、それらがないことは、社会に出て、社会生活や経済生活を営む上でとても大きなハンディとなり、貧困や虐待の連鎖につながりかねません。
 今回、コモンズSEED Capの支援を受けて感じたのは、何かしら自分にもできることがあるのではないか、と共に真剣に考えてくださる方々がコモンズ投信のコミュニティにはたくさんいらっしゃるということです。そしてこの1年、勉強会などでご一緒できる場を積み重ねてきたのですが、その度に新らたに理解ある方々とのご縁に恵まれる、そういったコミュニティってすごいと感じています。金銭的な支援だけでない幅広いサポートがそこにあります。

コモンズ馬越   寄付は未来への投資だと思います。だから私たちは金銭面だけではなく、コモンズ投信が持っているリソースを、どう活用すればより良い社会づくりに貢献できるかということを、常に考えています。

柔道遠藤監督   本当に、それは私たちも、ありがたい気持ちを受け止めております。それを私たちは、柔道を通じた人間教育という形で、世の中の人々にお返ししていきたいと思います。

コモンズ馬越   今後の抱負について教えていただけますか。

3keys森山   今日、是非お伝えしたいと思ったのは、日本は社会保障費が非常に高いのにも関わらず、虐待される子供に対する支援が非常に少ないという事実です。現在の国の予算で、この虐待などに対して何ができているかというと、虐待の疑いのある100家庭に対して1人のソーシャルワーカーしか訪問できません。そんな人員配置なので児童相談所が関わっていても、虐待で亡くなる子供もいます。施設に入れたとしても、4人の子供に対して、担当者は1人しかいなく、ひとり親が4人の子どもを育てている状況と変わりません。そして、一定の年齢に達したら施設を出るしかなく、その後は支援できないという現実があります。虐待などを受けてきた子どもたちを保護したり、ケアして、育ちを保障するという観点では足りないことだらけで、国の予算が増えるのが一番良いのですが、それにはまだ時間が掛かりますから、民間でできることを考えていきたいと思います。

柔道遠藤監督   私たちにとって、目下、一番の目標は、2020年のパラリンピックで代表になり、金メダルを取れるようにすることです。まずは、それに向けて頑張ってまいりたいと思います。


最後に、コモンズの寄付のしくみに積極的に参加してくださっている受益者の沖さんと下山さんに感想を伺いました。

「コモンズ投信らしいプログラムで、これからも応援したい」

「社会で頑張っている人を、お金を通じて応援していく、大きな循環が創れればと思う」

おふたりが、それぞれブログで当日の様子をご紹介くださっています。ぜひこちらも併せてお読みください。

☆セルフリライアンスという生き方
コモンズ投信の8周年イベント「The 8th Commons Dialog」に参加(その2) 

☆いい投資体験日誌from新所沢
コモンズ投信 8周年イベントに参加しました

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認定NPO法人3keys(スリーキーズ)
http://3keys.jp/
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NPO法人日本視覚障害者柔道連盟
http://judob.or.jp/
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