地球に、社会に、すべての人に、笑顔広がる未来を届けたい

来る11月23日(木・祝)にデンソーの「統合報告書2017」を読み解き、価値創造プロセスを学ぶ「コモンズ30塾」を名古屋で開催します。
~∞~~∞~~∞~~∞~~∞~~∞~
11月23日(祝・木)10:00~12:00
コモンズ30塾「企業との対話」
~統合レポートを読み解く株式会社デンソーをお迎えして~
https://www.commons30.jp/seminars/detail/570
~∞~~∞~~∞~~∞~~∞~~∞~
皆さまとデンソーの強さの源泉と新たなる挑戦を体感する時間を共有したいと思います。
※口座をお持ちでない方もご参加いただけます

セミナーに先駆け、変わりゆく自動車業界における注目企業、デンソーについてご紹介していきたいと思います。

-地球に、社会に、すべての人に、笑顔広がる未来を届けたい

2017年10月31日、デンソーは「デンソーグループ2030年長期方針」の策定を発表しました。これはそのスローガンです。
2030年に向け、「環境」「安心」「共感」の3つをキーワードに、従来から注力している「環境」「安心」の提供価値の最大化と共に、社会からの「共感」という新たな価値の提供を掲げました。その実現の道筋として、2025年長期構想では”電動化、自動運転の実現に伴うモビリティの新領域で成長する”としています。



-デンソーの創業と社名をめぐる秘話

デンソーは、1949年、トヨタ自動車から分離独立し「日本電装株式会社」としてスタートしました。

2016年5月に名古屋で開催したコモンズ投信の周年イベントにデンソーの伊藤健一郎常務役員(当時)をお招きした際、デンソーの創業と社名について次のようなエピソードをお話しいただきました。

“日本電装としてトヨタから独立する際には、豊田喜一郎さんに「トヨタの分工場のままではお互い甘えてしまう。日本の自動車業界全体に貢献するという高い志を持って欲しい」という激励を受け、トヨタ電装ではなく、日本電装という社名になったと言われています。ただそれは表向きの理由で、当時、トヨタから独立する時点で大きな累積赤字を抱えており、トヨタ社内に「トヨタの名前を冠にするのはまかりならん」という意見もあったとか。それが社名にトヨタがつかなかった理由、とも言われており真実はわかりません(苦笑)。”

大きな累積赤字を抱えてのスタートだったこともあり、デンソーは生き残りをかけ様々な分野にチャレンジを広げていきます。
創業当初は戦後も間もなく日本経済も低迷し、自動車の需要も落ち込む厳しい時代でした。また、ガソリンの入手が難しいという時代背景もあり、デンソーは電気自動車の開発へ挑します。そしてなんと研究開発のスタートから9ヶ月という早さで最初の走行テストにこぎつけたのです。(その後、ガソリンの規制緩和が行われ、ガソリン車が普及したことから電気自動車の生産は終了しました。)
その後も、自動車部品という分野にとらわれず、洗濯機や携帯電話も手がけるなど、エレクトロニクスから通信まで幅広い分野をカバーする総合部品メーカーへと成長しました。

-ボッシュとの提携と成長

デンソーは1953年、世界的な自動車部品メーカー、ボッシュと提携しました。当時世界一の部品メーカーだったボッシュと提携するのは、「ただ技術を真似するのではなく、高い技術を吸収し、さらにサービスも含めて学ぶため」という意図がありました。2012年にこの提携は解消されますが、この頃には、デンソーがボッシュに技術を提供するまでになりました。設立から10年目には、品質管理の強化や徹底を図るために、総合品質管理に功績があった会社や団体に贈られる「デミング賞」にチャレンジすることを宣言します。
そして2年後には、宣言どおり同賞を受賞し、今日に続く「品質第一」の思想や風土の礎となっていきます。

「世界一」ではなく「世界初」にこだわってきたというのもデンソーの強みにつながっています。ディーゼルエンジンの性能を飛躍的に向上させた「コモンレールシステム」や夜間に歩行者を検知する「ナイトビュー」など、発表当時において世界初の製品を多数生み出してきました。

次のページに続く⇒変わりゆく自動車業界-コモンズ投信からみたデンソー