ファイナンシャル・インクルージョンを必要とする世代

おはようございます。渋澤健です。

今週の日経ヴェリタスは「ミレニアル世代」の投資を特集として取り上げました。数年前に、経済同友会の米州委員会で米国における「ミレニアル世代」が消費動向や労働価値観の常識を変えると研究した当時では、言葉として日本社会の認知度が少なかったでしたが、最近はかなり普及してきました。日本において、この世代のファイナンシャル・インクルージョンは重要な社会課題なので、タイムリーな特集です。




「ミレニアル世代」はどの年齢を指すのか若干異なることがありますが、私は1982年から2000年(新しいミレニアム)がしっくりします。戦後のアメリカの成長を導いたベビーブーマー(1946年~1964年生まれ)と同じ18年間だからです。現在、アメリカではミレニアル世代の人口が、ベビーブーマーより多いんです。だから、影響力が今後ますます高まる世代なのです。

ミレニアル世代の特徴は色々とありますが、何より生まれたとき、物心がついたときから世の中がインターネットで既につながっていたことが大きいです。つまり、デジタル・ネイティブだからこそ、Smart、Social、Sharingのライフスタイルが当たり前になっている世代です。

「ミレニアル世代」は現在17歳から35歳。少子高齢化社会の日本では人口的マイノリティーです。でも、インターネットで世界と意識と行動がつながれば、この世代は人口的なマジョリティーになり、過去の高度成長の成功体験がないからこそ、新しい成功体験をつくれると思います。

ただ、そのために解決しなければならない大きな課題は、この世代のファイナンシャル・インクルージョンです。

日本の金融財産は過去の成功体験を持っている世代に偏っています。これから年金生活に入る世代は、人口が多い団塊ジュニア(40代半ば)が現役として財源を支えてくれるので問題ありません。

ミレニアル世代も現役として先輩世代の年金の財源を支えることになります。でも、自分たちの年金財源を支えてくれる世代の人口が少なくなる一方です。

この世代がファイナンシャル・インクルージョンによって将来のストック収入をこつことと創り上げることは極めて重要です。つまり、簡単にいえば、「つみたて投資」を現在から、こつこつと始めることです。

投資とは、特別な人が特別なことをやっているのではなく、普通な人が普通の日常生活で消費のように行うこと。このような成功体験を日本でつくってくれることを期待している世代です。

ミレニアル世代と「今日よりも、よい明日」の共創に、コモンズ投信は今後も努めます!どうぞよろしくお願いいたします。