第7回コモンズ社会起業家フォーラム登壇者 認定NPO法人 難民支援協会 石川えりさん

今日はすごい雨でしたね。
東京千代田区平河町のコモンズのオフィスから、長靴に履き替えて歩いて向かった先は、四谷にある雑居ビルの6階。
認定NPO法人難民支援協会の事務所です。
来月開催の第7回コモンズ社会起業家フォーラムの登壇者のおひとり 石川えりさんに、ご挨拶に伺いました。

最近シリア難民の3歳の男の子の遺体がトルコの浜辺に漂着した写真を伴うニュースが国際的に話題になり、テレビのニュースなどでは連日、トルコを通ってヨーロッパに向かおうとする大勢のシリア難民の映像が映し出されています。
石川えりさんのところにも、各方面の報道関係者から30分に1回の割合で問い合わせの電話が来る毎日が続いています。

さて、雨の中たどり着いた事務所に入ってすぐに驚いたのが、20人近くのスタッフの方々が忙しそうにお仕事をされていたこと。
わたしが今まで訪れた社会起業家フォーラム登壇者関係の事務所の中で、一番多くの人たちが働いていました。
NPO関係で常勤スタッフを多くもつのは、大変なことです。それを実現させるだけの実力と歴史がこの団体にはあるのだということがわかります。

そして、笑顔で迎えてくれた石川えりさん。
石川さんは、4歳と5歳の2人の男の子のお母さん。
家でもお仕事でも毎日大忙しで暮らしている石川さんに早速お話を聞いてみました。

「なぜ、石川さんご自身、難民問題に取組まれることになったのですか?」

「94年のことです。高校生だった時に、100万人近い人たちが亡くなったといわれるルワンダでの内戦のことを知りました。
どうして人と人が殺し合うのだろう。住み慣れた家や町、財産を捨てて逃げ出さなければいけない状況が起きてしまうのだろう」と強い衝撃を受けた石川さんは、「どうしてもこの問題の解決に関わりたい」と願うようになったといいます。

何か行動を起こしたいと高校3年生だった石川さんが3日間悩んで電話した先が、ルワンダで活動を展開するNGO。そこで翻訳のボランティアを始めます。その後大きな人権団体のひとつアムネスティを紹介され、訪れていった先で日本に来ていた難民の人たちに出逢います。

「ルワンダまで行かなくても、助けを必要としてる人たちがここ日本にもいる」

そうして石川さんの在日難民の人たちのための活動はスタート。大学在学中には現在理事を務める難民支援協会の立上げメンバーとなりました。

日本には、エチオピア、ナイジェリアなど50か国以上から難民が逃れてきています。
2014年には5000人が日本で難民申請をしましたが、認定されたのはわずか11人。
その結果は出るまでに3年、長くて5年以上かかる人もいるといいます。

石川さんら難民支援協会は、世界の紛争や政治混乱から日本に逃れてきた難民の人たちの支援を行ってきて16年になります。

お話の最後に、石川さんに社会起業家フォーラム参加に向けて聞いてみました。

「石川さんの考える【社会起業家】って何ですか?」

石川さん、突然のこの質問にしばらく考えてみてから、こう答えてくれました。

「社会や世界で起きている課題を「自分事化」して、解決しようとしている人のことだと思います。」

「難民の人たちひとりひとりに名前があって、家族があって、世界で起きているひとつひとつのニュースが彼らのおかれている環境に関係があることで、わたしはそれが気になって仕方がないんです」

10月3日(土)文京学院大学で開催される第7回コモンズ社会起業家フォーラムでの石川さんの7分間。是非聞きにいらしてください!



マーケティング部SEEDCap担当
馬越裕子