「破壊」と「繁栄」の30年周期

おはようございます。 この週末の寒波で雪が積もって大変な地域が多かったようですが、東京は概ね青空に恵まれました。

さて、先週のESGに続き、今週の日経ヴェリタスの特集もコモンズ的に面白かったです。私の講演など聴講されている方々はよく聞く話ですが、「2020年から新しい時代が拓ける」という持論を、この数年間ぐらい紹介しています。超高齢化社会で課題は大きい。けれども、それぞれが、そのリスクを直視しながら動けば、2020年以降の日本は良い時代が期待できるという「30年周期」の話です。それが、本誌の「ネクスト・パラダイム」とシンクロしているのです。


過去の時代の「リズム感」を観測すると、、、

・1870年~1900年 江戸時時代の常識が破壊された「破壊の30年」

そして、その破壊があったからこそ、日本が近代化を果たし、

・1900年~1930年 日露戦争が象徴したように、当時の新興国であった日本がロシアに勝利したことで、日本は当時の先進国への仲間入りを世界へ示しました。また、当時までの日本の歴史において、一般市民が最も豊かな日常生活が送れた時代でもあり、これは「繁栄の30年」と言えるでしょう。

ただ、その繁栄期に忘れてしまったこと、あるいは、やるべきことをやらなかったことによって、

・1930~1960年 戦争の時代へと流されてしまいました。それまでの常識が非常識となり、それまでの非常識が常識になるという「破壊の30年」が再び起こります。

しかしながら、その破壊によって、社会がリセットされたことにより、新しい未来が日本全国で芽生え、

・1960~1990年 日本は高度経済成長に恵まれ、ジャパン・アズ・ナンバーワンと言われるような「繁栄の30年」を迎えます。

そして、またこの繁栄期によって忘れてしまったこと、あるいは、やるべきことをやらなかったことによって、

・1990年から再び「破壊の30年」に入ったと言えるのではないのでしょうか。確かに、今までの高度成長時代の色々な常識が破壊されている。そんなことを我々の日常生活で感じられることだと思います。

この30年周期が今後も続くという視点で時代の潮流を眺めると、2020年からふたたび「繁栄の30年」が期待できる。そのように思っています。

私自身は、この「30年」という周期性がしっくりします。30年の破壊と30年の繁栄。陰陽の関係であり、60年の1周期です。十二支も60年。還暦も60年。ぐるっと回って、新しくまた始まる。

自然の法則、シンクロニシティを感じます。

また30年を「一世代」と考えると、自分から見る一世代前(父親)、二世代前(祖父母)は自分の生活の実態がありますが、その前の世代だと実際に自分があった記憶がない。聞いただけの話。つまり、他人事になってしまう。だから、自分の記憶から失せてしまい、人間は同じようなことを繰り返してしまう。

そんな感じがしています。

この壮大な30年の波に乗れる投資があるのか。どのような時代でも進化できる会社に投資することが重要だと思います。つまり、時代が求める商品やサービスという持続的な価値創造が可能な会社に投資することです。これが、コモンズ30ファンドが目指している「30年投資」です。

その要のひとつが「対話」です。 我々とコモンズ30ファンドに投資してくださる皆さんとの対話。我々と投資先企業との対話、そして、皆さんと企業との対話。 これらを促すことが、我々がコモンズ投信を立ち上げた存在意義です。

8年前の2009年1月に、ものすごく小っちゃい存在として始まりました。そのときから、かなり成長しました。ただ、社会に良いインパクトを提供できるにはまだまだ規模的には小さく、これからもっと、もっと成長しなければなりません。

けれども、我々がずっと言い続けてきて、微力ながらも実践してきたことは、現在の世界大手の有力運用会社も同じことを言い始めています。



いろんなところでシンクロニシティを感じる。

それは、時代変化の兆候だと思います