ファウンダーとは何か

おはようございます。 渋澤健です。 7月29日から上映されている洋画「ファウンダー」のフォーブス・ジャパンKADOKAWAのコラボレーション試写会に先日お誘いいただき、WEB編集長の谷本有香さんの司会により、Uber Japan高橋正巳社長とのトークセッションに登壇しました。


52歳でマクドナルドを「創業」したレイ・クロックの実話を描いた映画ですが、ファウンダーとは何か、経営者とは何かついて谷本さんリードのもと、高橋さんと楽しく語り合いました。

映画を見終わったあとの率直な感想としては「複雑な気持ち」でした。

マクドナルド・ハンバーガーを創業し、現在のファースト・フード産業の原型をつくったのは”モーリス”と”ディック”というマクドナルド兄弟でした。
この映画の主人公であるレイ・クロックは、マクドナルドのフランチャイズ化に成功し、マクドナルド・コーポレーションという大企業を築いた大成功者であると同時に、乗っ取り屋とも言えます。

もちろん、これは、あくまで映画であり、実際にはマクドナルド兄弟がクロックが手がけた急成長を信じられず、商標やシステムの使用権の買い取りを要求したという主張もあるようです。真実はわかりませんが、兄弟とクロックの対立は確かでした。

最近の日本でも「オーナー」と「経営」の対立がニュースになっていますね。「ファウンダー」とはどのような存在なのか。「ファウンダー」だからこそ出来ること、あるいは「ファウンダー」だから出来ないことがあるのか。「ファウンダー」と「経営者」の違いはあるのか。

私自身、長年の外資系サラリーマン生活から、2001年にシブサワ・アンド・カンパニーを立ち上げ、2007年に出資してコモンズ株式会社という準備会社を立ち上げ、2008年に伊井と共にコモンズ投信株式会社に社名変更してコモンズ30ファンドを世に送り出した「ファウンダー・経営者」のはしくれとして考えさせられる内容でした。

52歳で事業を立ち上げて大成功を成し遂げたクロックは、私のような中年起業家にとってヒーロー的なロールモデルと思っていました。マクドナルド兄弟とクロックには、失敗を繰り返し、様々な試練や葛藤を乗り越え、自分自身の道を切り開いた、という共通点があります。

そのうえで、兄弟の設立の想いにこだわるプライド、クロックの成長のためには冷酷非道なことも辞さない固執。映画では、このような対立軸が描かれています。

私は、どちらが正しいということはないと思います。また、両方を一人がやることは難しいでしょう。谷本さんの最後の質問「この映画を通じて、1つ上げるとすれば、何を一番学びましたか?」には考えさせられました。この映画は、前もっていただいたDVD、そして試写会で合わせて2回鑑賞しました。1回目では兄弟が「善」で、クロックが「悪」であるという気持ちでした。しかし、2回目で、1回目では見えていなかったクロックの微妙な表現などが見えてきました。

「一見だけでは見えないものがある」が、私の答えでした。
外面的な行為は見えますが、内面的な心情は見えにくいものですね。