WITH ALSの武藤さんとお会いしました
おはようございます。渋澤健です。週末は変な進路の台風が上陸しましたね。私は日曜日に大阪で日経Wアカデミー「お金の学校」で登壇する予定が入っていたので、大事を取って土曜日から現地入りしました。現地では夕食を終えた時間帯でも雨が特に降らず、寝ている間に台風が通り過ぎてしまいました。結果オーライ。
さて,先週の金曜日に第10回コモンズ社会起業家フォーラムに登壇していただく一般社団法人WITH ALS代表の武藤将胤(まさたね)さんをコモンズの社会的エンゲージメント担当の馬越裕子と一緒に面会にお伺いしました。初めて武藤さんとお会いしてお話することができましたが、とても暖かいお人柄であると感銘を受けました。
10月14日の開催日にはもしかすると公の場でお話できるのが最後かもしれません。ALSの病床が進んで呼吸困難になられることが予想され、年内には気管切開の手術を受ける決断をされているからです。ご体力の限界が迫っても、常に生きるという道を歩む勇気は本当に素晴らしいです。
ご面会を経て帰り道に馬越から武藤さんの著書「KEEP MOVING 限界を作らない生き方」をもらいました。土曜日の大阪行きの新幹線の中で読み始めたら、グングンと引き込まれ、名古屋駅に到着する前まで読み終えました。知らず知らずに限界を作っている自分 、そして、また、愛とは未来を信じる力で今を生きるということについても気づかされた素晴らしい本です。
音楽が大好きな武藤さん。多くの方々とのコラボレーションで、目で操作するVDJとしてもご活躍しています。限界を作ることない生き方は(著書で示してあるように)まさにCrazy !ですが、我々が忘れがちな大事なことを教えていただいています。
4年前にALSのチャレンジ活動でアイスバケツを被った自分として、今できることは何かと新幹線の中で考えたことはセリカファンドに参加することでした。武藤さんがおっしゃるとおり、テクノロジーによって、色々なことが可能な世の中になっています。
10月14日のコモンズ社会起業家フォーラムで武藤さんから「未来を信じる力」である人間力について大切なことを教えていただけるという予感がしています。是非、10月14日にご来場いただき、武藤さんの生の声を聴いてください!
<トークセッション>「多様性のある社会をどう築くか」
コモンズ投信の投資先企業を招いて定期開催している「コモンズ30塾」が、6月22日、東京21Cクラブで行われました。今回、ゲストにお招きした投資先企業は、味の素株式会社。そのグローバル人事部長の髙倉千春さんに加え、コモンズ30ファンドが行っている寄付のしくみである、SEEDCap第4回目応援先の認定NPO法人マドレボニータ代表、吉岡マコさんにもお越しいただき、企業とNPOが取り組んでいるダイバシティについてコモンズ投信会長渋澤とお話しいただきました。
■渋澤健(コモンズ投信会長)
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渋澤 吉岡さんは味の素の試みを聞いて、どのような感想を持ちましたか。
吉岡 早く帰れるのは素晴らしいことですね(笑)。社員の自律性に期待するというお話がありましたが、それは社員の能力を信じているから出来ることだと思います。
そういう人の才能を、この会社で開花させて欲しいというメッセージを感じました。
渋澤 吉岡さんが4週間過ごしたボストンには大学がたくさんあるから、若者が大勢います。日本の若者は自分に自信が持てない、将来が不安だと思っている人が大勢いる印象を受けるのですが、ボストンの若者と比べてどう思いましたか。
吉岡 TEDトークなどを見慣れていると、アメリカ人はみんな物凄い自信を持っているんじゃないかと錯覚してしまいますが、実は、そんなことないんですよ。
本当に人によります。
若くして自信に満ち溢れている人というのは、エンパワーされる環境にあり、常に励ましのシャワーを浴びている。
「あなたには才能がある」、「あなたがやらなくて誰がやるの」という言葉を毎日聞いているうちに、自分なら出来ると思うようになる。
若者と対峙する年長者は、若い人が持つ才能を信じて励ますことが大事だと思います。
渋澤 髙倉さんはグローバル人事部長という立場ですが、ASVを作り上げていくうえで、若者にはどういう期待をしていますか。
髙倉 自律した社員になるためには、自分で考えることが大事だと思います。
これは若者に限った話ではなく、日本人全体にそうだと思うのですが、大勢いるところで手を挙げて自分の意見を言える人が少ないでしょう。
私が25年前に外資系企業に転じた時、英語での電話会議などで何も発言せずにいると、「チハル、寝ているの?」って言われたものです。
要するに、会議の場で何も発言しないと、組織に貢献していないと思われるのです。
語学力以上にメンタリティがしっかりしていないと、組織のなかで存在感がどんどん薄くなります。
だから、しっかり自分の考えを持って発言することが、グローバルの組織では重要になるし、それが出来るような存在になることを、これからの若者には期待しています。
渋澤 今日は就活中の学生も何人かいらっしゃっているので、今の時点でどういう点が不安なのか、ちょっとお聞きしたいと思います。
学生A 就職活動でいろいろな企業を見ているのですが、やはり入社してからでないと分からない部分もあるでしょうし、就職してから「合わない」ってことになるのではないかという点が不安です。
学生B 今、外資系金融機関と客室乗務員の2つで内定がいただけそうです。
外資系金融機関でバリバリ働くか、客室乗務員としてホスピタリティのプロになるかで働き方も人生も変わると思います。
不安というか、どちらを選べば良いのかという悩みがあります。
自分はこれをやってみたいと思える瞬間、あるいは面接の応対をしてくれた人を見て、「あ、この人となら一緒に働いてみたい」と思える瞬間って、あると思います。
そういうところで決めても良いと思いますね。
あと、失敗するのが怖いと考えている人は多いのですが、やはり失敗してみないと分からないことがたくさんあるのも事実です。
だから、早い時期にたくさん失敗しておくのも良いでしょう。
チープな失敗なら、十分にリカバリーが効きます。
グローバル競争の世界では、失敗を恐れないことが大事です。
渋澤 働き方改革を進めるなかで、勤務時間を短くし、そこで付加価値の高いものを生み出すためには、何かを捨てなければ出来ないと思います。
ご自身の経験上、何を捨てれば良いと思いますか。
吉岡 私がマドレボニータを立ち上げた時は、捨てるものが何もない状況でした。
リソースが全く無かった。だから、とにかく工夫を重ねることによって、少ないリソースで成果を出すためにはどうすれば良いのかを必死に考えました。
髙倉 勤務時間を短くして生産性を上げるためには、いかにしていらない仕事を捨てるかが勝負になるのですが、問題は「いらない仕事ってなに?」ということです。
ここが難しいのですが、捨てるべきは過去の成功体験かも知れませんね。
過去の成功体験が、つまらない慣習を生み出し、それが積み重なって、組織は身動きが取れなくなる。優秀なリーダーは、常に組織内に危機感を醸成します。
いくら業績が良くても、株価が上がっていたとしても、危機感を持たせるようにするのです。
組織のリーダーだけでなく、組織を構成する一人ひとりがそうなると良いと思います。
渋澤 恐らく、男性よりも女性の方が、捨てるのが上手いのではないかと思います。
吉岡 私も、定期的に捨てています。
大ベストセラーになった『人生がときめく片づけの魔法』で紹介されていた方法がありまして、例えば本棚を整理する時は、本を全て本棚から取り出して床に置いて、1冊ずつ手に取り、ときめくものは残しておく、ときめかないものは捨てる。
それは自分と向き合う作業であり、価値観が反映されます。
渋澤 一般的に日本人は自律性が低いということですが、逆に日本人のここが高い、優れているという点があれば教えて下さい。
髙倉 ゴールを共有する力ですね。
チーム全体で、ここに向って力を合わせて行動するという力は、とても高いと思います。
吉岡 本当の謙虚さでしょうか。
何でも自分の手柄にするのではなく、他に貢献した人がいれば、そのことに言及する。
これは、リーダーシップのプログラムでも度々話題になったことでした。
渋澤 ダイバシティを考えた時、日本企業では今、役職定年などと言われていて、年齢が一定になったところで、ほぼ一律にポジションから外すという傾向が見られます。
ただ、人生100年時代を迎え、シニアのやりがいも重要になると思いますが、この点をどうお考えですか。
髙倉 これは人事関係者の間でも大きな問題になっています。
日本の労働力は、このままいくと確実にシュリンクしていきますし、シニア層の活用は重要になるでしょう。
なので、シニア層の人たちが自分の強みに気付き、活躍する場を見つけることを、人事としてどう後押しするかを考えています。
たとえば先日、ある自動車メーカーのテストドライバーが定年退職を迎えたのですが、その後、製紙会社の品質管理に新たな職を得ました。
自動車と紙。全く違うものですが、ポイントは問題解決能力だったのです。
そういう強みがあれば、ジャンルに関係なく、セカンドキャリアを築いていけると思いますし、会社から離れて自分らしく生きるのが、日本の次の発展につながっていくと信じています。
吉岡 マドレボニータは女性が多いのコミュニティですが、実は四半期に1度の割合で開催している理事会に参加しているアドバイザリーボードのメンバーのうち、5人が男性です。
今まで積み上げて来られたキャリアを、ノンプロフィットの分野で活かすという生き方があるんですね。
米国でも、ビジネスで成功された方が、キャリアの締めくくりとしてノンプロフィットに転じるケースが非常に多く、それがステータスにもなっているようです。日本でも、そういう人が増えると良いと思いました。
渋澤 多様性が大事だと言われていますが、それでもまだ日本の企業は男性社会の面もあります。この背景の一部には、親の問題があるような気がします。
つまり、女の子だと「早く結婚しなさい」と言われ、結婚すると「早く子供をつくりなさい」と言われる。
そこには、女性も社会でどんどん活躍するべきだという視点が完全に抜け落ちています。この問題をどう考えれば良いのでしょうか。
吉岡 働くのは人間の基本的な権利です。
なので、女性に生まれたから働かず、家庭を守れという意見には全く賛成できません。
私は子供が大きくなってから特に、本当に働いていて良かったと、心から思っています。
髙倉 同感です。学業優秀だった人ほど挫折するのですが、すべてにおいて100点満点を追求しない。
子育て、家事、仕事の全てにおいて100点を取るのは不可能です。
だから、自分が出来ないことはサポーターを見つけてお願いする。
そのくらいの気持ちで、とにかく長働き続けることが大事だと思います。
渋澤 ありがとうございました。
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高倉さま、吉岡さまの講演抄録はこちら
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<講演抄録>コモンズ30塾 企業とNPOが取り組む「ダイバシティ」
コモンズ30ファンドの投資先企業をお招きし、定期的に開催している「コモンズ30塾」。2018/6/22は、ダイバーシティをテーマにして、味の素の取組みについてお話いただきました。
カリキュラムの内容は、コモンズ投信会長渋澤健による開会の挨拶から始まり、運用部シニアアナリストの末山仁から、投資先企業の”味の素”について「5つの軸」と「コモンズの視点」について説明させていただきました。5つの軸とは、「収益力」「競争力」「経営力」「対話力」「企業文化」のことで、コモンズ投信が投資先企業を選ぶ時に、常に重視していることです。
そして、今回のメインテーマであるダイバーシティへの取組みについて、理事/グローバル人事部長の髙倉千春さまが登壇。
さらには、コモンズ30ファンドが行っている寄付のしくみである、SEEDCap第4回目応援先の認定NPO法人マドレボニータ代表、吉岡マコさんにもダイバーシティについてお話いただきました。
渋澤健とのトークセッションを挟んで、参加していただいた方からも時間いっぱいまで、たくさんの質問を頂戴しました。その内容をまとめました。
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味の素株式会社
髙倉千春氏
「味の素という会社 ひとりひとり花を咲かせる自律の施策」
私のキャリアは農林水産省からスタートしました。味の素に来て4年目です。
農林水産省は中級職として入省し、日米通商交渉に立ち会うなど、多くの貴重な経験をさせていただきました。キャリアアップを図ろうと上級職にチャレンジしましたが、なかなか受からず、フルブライト奨学生として米国の大学に留学し、MBAを取得しました。
その後、コンサルティング会社に転じて組織構築や人材開発に関連するコンサルティング業務に従事し、ファイザーや日本ベクトン・ディッキンソン、ノバルティスファーマでは人事部長を務め、4年前に味の素に来たというわけです。
現在、味の素は真のグローバル企業になるため、グローバル人事制度を構築し、それを実施しています。とはいえ、まだ道半ばというのが正直なところです。
ご存じの方もいらっしゃると思いますが、味の素の創業は1909年です。現在の売上は1兆1502億円、連結ベースの従業員数が3万4452人、味の素グループの製品を販売している国は130か国・地域で、世界22か国・地域に123の工場を展開している、まさにグローバル企業です。
多くの国・地域に拠点を持ち、そこには大勢の従業員が働いていますから、なぜ味の素で一緒に働いているのかというフィロソフィーをきちんと固める必要があります。
私たちは、事業を通じて解決に取り組むべき21世紀の人類社会の課題を、「地球持続性」、「食資源の確保」、「健康な生活」の3つとしました。
そして、2014-2016年の中期経営計画では、これらの課題解決を図り、社会価値を実現することで新たな経済価値を創出し、事業の成長加速を目指す取り組みとして、「Ajinomoto Group Shared Value(ASV)」を掲げました。
企業は、経済的な価値で勝負するものですが、同時に社会的価値もしっかり考えていかないと、これからは生き残っていけません。
私たちは、ASVを通じた価値創造ストーリーとして、「食を通じて、家族や人と人がつながり、多様なライフスタイルを実現できる社会づくりに貢献する」ことを、真剣に、真面目に非財務分野の重要課題に入れています。
さて、ASVを実現していくためには、社員が必要なのは言うまでもありません。
でも、画一的な発想しか出てこない組織では、この不確実な時代を生き残っていくことは出来ません。
いろいろな発想こそが必要で、だからこそ多様性のある組織を作る必要があります。
だからこそ、ダイバーシティ、そして働き方改革なのです。
今までみたいに長時間労働をしていたら、多様な発想は生まれてきません。会社で働く時間は1日7時間15分が前提です。
社員は出社したら、自分が何時に帰るのかをホワイトボードに書きます。上司はそれをチェックして、部下に今日の仕事の指示を出します。
ダラダラ残業はなし。
会社にいる時間を短くして、他の時間で何をするかが大事です。
もちろん、呑みに行って社内外の人たちとコミュニケーションしても良いですし、英会話を学ぶとか、健康増進のためにスポーツジムに行くとかでも良いでしょう。
とにかく、遅い時間まで会社に居残り、ダラダラと仕事をするのではなく、趣味でも健康増進でも、何でも良いから自分の時間を持つこと。
これまでの日本の働き方からの脱却こそが、多様な発想を生み出すもとになるのです。
あとは女性の働き方をどう改革していくか。結婚や出産で働くことを諦めるのではなく、細く長く働き続けられるような支援をしていきます。
この3月には川崎事業所内に「アジパンダ®KIDS」という事業所内保育所を開設しました。加えて、女性社員のための人財委員会も発足させています。
もっとも、勤務時間を7時間15分にすることについては、「そんなことは出来ない」という声も多数ありました。そこで2本の柱を考えました。マネジメント改革とワークスタイル改革です。
マネジメント改革については、会議資料や経営会議の簡素化を行いました。
昔は会議資料を作成するにも、いちいち「テニオハ」を気にしたり、膨大な資料をコピーしたりして、それに社員は忙殺されるという状態でした。
こうした作業を簡素化させるだけで、勤務時間の短縮化が進みます。
次にワークスタイル改革ですが、サテライトオフィスを作りました。
当初は、管理職を対象にして1週間のうち1日は自宅作業を推奨したのですが、日本は住宅事情がよろしくなく、キッチンで作業をする人もいて、そのうち家人から文句が出始めたため、沿線にサテライトオフィスを作りました。
そうすることで、わざわざ会社まで行かずに、自宅の近所で働ける環境を構築しています。
ただ、自由な働き方は自己管理が非常に大切です。
上司の目がない、同僚もいないという中で、自分の仕事をきちんとこなすためには、自分で自分を律する気持ちがないと続きません。
AIやIoTがどんどん進化するなか、人はいかにして機械に置き換えられないような仕事をしていくかが、問われるようになります。
機械では出来ない付加価値の創出につながるアイデアを、社員一人ひとりが生み出していけるような環境を人事として考えるのが、私たちの仕事です。
長時間、会社に縛り付けられるようではダメです。
仕事だけでなく家族、自分、地域コミュニティを、それぞれ均等に大事にすることで、そういうアイデアが生まれてくるのだと思います。
吉岡マコ氏
「ボストンで学んできたこと」
マドレボニータという認定NPOのファウンダーで代表をしています。
マドレボニータとは、スペイン語で美しい母を意味します。
母親になってからも綺麗な容姿を保つというような表面的なことではありません。
母となったからこその清濁を併せ呑んだ美しさを追究したいという思いを込めています。
法人化して10年が経過しました。
日本では、妊娠から出産までは手厚いケアがありますが、出産後は何もありません。
完全な自己責任です。自分が出産した20年前に、初めてそのことを知りました。
多くの母親は、それを我慢して乗り切りってきたのだと思いますが、私は「そんなことで良いはずがない、出産後には絶対にリハビリが必要だ」と思い、自分の体を実験台にしてバランスボールを使ったトレーニングを始めました。
それを続けていくうちに、自分の体調も良くなり、同じような産後の女性にニーズがあるのではないかと思い、「産後ケア教室」を立ち上げまました。
その後、プログラムを標準化し、インストラクターの養成・認定制度を作りました。
2008年に、NPO法人化をし、今では全国19都道府県、68カ所で教室を展開しています。
20年間の活動を通じて、私たちは、女性が産後に抱えがちな、さまざまな問題を解決しようとしてきましたが、実はそれ以上に、女性のエンパワーされる力の凄さを、改めて認識しました。
産後ケア教室で、しっかり運動をして体力を取り戻し、対話を通じて自分と向き合うことで、より自分らしい人生を歩めるようになったという声を多く耳にします。
パートナーとの関係が良くなった、仕事でも自分らしく力を発揮できるようになった、自分のミッションを見つけた、など、熱い感想をいただくのです。
単に元気になった、ラクになったというだけではない、人間が本来持っている力を開放するというレベルに達した方を大勢見てきました。
産後というトランジションの時期は、こうして自分と向き合うチャンスなのだということを今は確信しています。
私はこの春、米国のフィッシュファミリー財団が主催するJapanese Women’s Leadership Initiativeというリーダーシッププログラムに参加し、ボストンに4週間滞在しました。
ボストンがあるマサチューセッツ州の人口は東京の半分くらいなのですが、NPOの数は東京の2.5倍もあります。事業規模も大きく、政府や企業では解決できない課題を解決するために活動し、多くの市民がその活動を支援しています。
わたしは、ボストンでそのプログラムに参加して、さまざまな励ましをもらって帰国しました。
リーダーシップとは何か。
日本でリーダーシップと言うと、多くの人は社長、学級委員長など「長」が付く役職を持っている人をイメージされるでしょう。
でも、リーダーシップは誰もが持っているものなのです。
その人が持っている才能を発揮して、何か変化を起こす、影響を及ぼすのがリーダーシップだと学びました。
それは、誰でも発揮できるものだし、そのためのトレーニングがあることを知りました。それは精神論ではなく、訓練と実践で身に着くものです。
多様性が求められる時代、自分の持つ才能を発揮するためには、頭脳、スキルだけでなく、精神的な強さや共感力、自分に向き合う力が必要ですが、その土台として、身体的に鍛えられていることが求められます。
そのことに気付いた時、マドレボニータを通じて20年間、続けてきたことは間違っていなかったことを再確認するのと同時に、これからの活動につなげていこうという気持ちを新たに持ちました。
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渋澤×髙倉さま×吉岡さまトークセッションはこちら
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かみしほろ塾で長期投資を語る
おはようございます。週末は全国的の猛暑が続きましたが、いかがお過ごしでしたでしょうか。私は、土曜日の午後から十勝に入って猛暑からは逃れることができましたが、現地では今年一番の暑さ。涼しいという感じではなかったです。
去年の12月に私がフジテレビの新報道2001に「ふるさと納税」に肯定的なコメンテーターとして出演していたときに、たまたま上士幌町町長など関係者と一緒に番組を見ていたようで、「あ、シブサワさん知ってます」というところから、今回のご縁のきっかけでした。
物品目当てに寄付することは本末転倒という意見が少なくありませんが、自分の意思によって自分のお金が公に活用されるということのきっかけづくりとしては良いのではないかと私は思います。大事なことは一人ひとりの意思あるお金が社会で循環することだと思います。
上士幌町は、この「ふるさと納税」で全国的にも成功している自治体であり、その知名度アップからも影響があると推測していますが、若者の転入で人口が増えています。(と、言っても、5000人回復の規模ですが。その5000人が東京23区と同じ面積のところに暮らしています。)出生率も1.7倍へ回復していて、全国平均を上回っています。
対談セッションでは、「貯金」と「預金」の違いから入り(皆さん、ご存知ですか?)、投資とは地域社会の「枠」の外から新たな視点や成長を呼ぶ込むことという話の展開になりました。そういう意味では、寄付は自分への金銭的なリターンを期待することではないですが、「今日よりも良い明日」の社会を次世代へバトンタッチすることの活動と考えると、これは「長期投資」ですとお話ししました。
「見えない未来を信じる力」という側面でも、長期投資も寄付は同じことだと思います。
糸島さんが卒業
2018年7月20日金曜日
お仲間のみなさまへのお知らせ2013年2月にコモンズ投信に入っていただき、運用部を中心に活躍してくれた糸島さんが、7月20日(金)を持ってコモンズ投信を卒業され、新しい道を進まれることになりました。
糸島さんの新しいスタートをコモンズ投信の役職員一同、心から応援しています。
これまで本当にありがとうございました。ますますのご活躍を!
伊井哲朗
糸島さんから皆さまへのメッセージ
2013年2月に弊社に入社して5年6か月。今年の1月11日に、運用部(ファンドマネジャー、投資委員会メンバー)から投資情報部(社内向けストラテジスト)へ社内異動し半年が経過しましたが、この度新たな道に進むことを決断しコモンズを卒業する決断をしました。
これからも誠実に、自身の想いを貫いて生きて行きます。
皆様、本当にありがとうございました。
糸島 孝俊
2020年に向けて!
コモンズ投信 伊井です。東京は猛暑が続いていますが、こうした中、この度の西日本地域で豪雨に見舞われた皆さまが一日もはやく日常生活を取り戻されることを心から願っています。
さて、いよいよ2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催まで、あと2年となりました。
近代の日本の歴史において国創りを大きく変えた節目として明治維新と終戦があると思いますが、私は2020年が次の節目としてその後の日本を大きく変えていくのではないかと考えています。
あと2年で何か変わるのか?という感じかと思いますが、2050年くらいから振り返った時、きっと2020年を起点に日本は変わったと言われていると思うのです。
何が変わるのか。
①「世代が変わり価値観が変わる」:高齢化社会は当面続きますが、2020年を超えていくと高度成長をけん引した世代である団塊の世代から団塊ジュニアに人口の中心は変わります。
戦後はじめて世代が変わると言えるのではないでしょうか。世代が変わって価値観が変わらないはずがありません。
②「静かなる開国」:日本国内のグローバル化が加速するでしょう。
ご存知の通り、訪日外国人数は急増しています。2010年は861万人でしたが、昨年2017年は2,869万人とこの間で約2,000万人もの増加となっています。
政府は2020年の目標を4,000万人、その方々の消費額を8兆円と試算しています(2030年の目標は、6,000万人で15兆円の消費額で試算)。
ここで大切なのは、海外から訪日される外国人の方が増えているという単純なことでなく、その方々に満足いただけるように、言語の表示からはじまり接客、決済、物流にいたるまでの対応が進んでいるということです。
こうした変化は大都市からはじまり今や地方まで拡がっています。
③「企業のグローバル化の進展」:
日本企業の海外売上高比率の向上は続くことでしょう。
さて、こうした歴史的な変化をニュースなどで知っていくのではなく、投資信託を通じて
皆さんとこのワクワク感を共有したいとの想いから出来た商品が「ザ・2020ビジョン」です。
年初来から日本株市場は乱高下をする難しい展開が続いていますが、当ファンドは好調を維持しています。
年初から6月末までのパフォーマンスでは、TOPIX(東証一部株価指数)が-3.67%の下落、日経平均も-2.02%の下落に対し、当ファンドは+2.44%と日本株ファンド全体でみても好成績をあげています。
組入れ銘柄上位には、日本を代表する企業の変化に注目して、ソニー、任天堂もありますが、「マネーフォワード」、「メルカリ」、「サイバーダイン」、「ペプチドリーム」などこれからの時代をけん引する若い企業が組み込まれています。
こうした企業群がファンドの成績もけん引しているのです。
2020年を起点としたワクワク感を是非、「ザ・2020ビジョン」を通じて楽しんでいただけると嬉しいです。
暑い夏が続きますが、どうぞ、ご自愛ください!
ディスコのWILL経営
おはようございます。渋澤健です。 猛暑の三連休となっていますが、いかがお過ごしでしょうか。熱中症対策を整え、どうぞご自愛ください。
さて、先週、PIM対戦という面白い取り組みをコモンズ企業価値研究会で体験させていただきました。
コモンズ企業価値研究会とは、コモンズ30ファンドの投資先企業のIR、CSR、人事部、経営企画・総務部など会社と部門を超えた担当者にお呼びかけして実施している企業の非財務的な「見えない価値」の勉強会です。投資先企業同士がお互いから学び合うことによって企業の価値創造へ貢献するコモンズ流の対話です。
今回は、当研究会にいつも積極的にご参加いただいている株式会社ディスコの本社へお招きいただき、当社のWILL経営について勉強する機会をいただきました。原則オフレコの研究会ですが、ディスコからご了承をいただいので、さわりだけをご紹介いたします。
PIM(Performance Innovation Management)対戦とは部署同士が1分間のプレゼンで業務改善などを競り合う「競技」です。「コロシアム」という会場で定期的に行われていて、競技の勝敗は社長を含む社員が観客・審判としてスマホを通じて投票して決定します。
遊び心満載ですが、競技者に熱が入るのは、この勝負の結果によって自分の部署へのWILLの獲得、あるいは支払いが決まるからです。実際、年間のWILL収支によって本人の報酬もかなり変動するようです。
このWILLとは、ディスコの社内仮想通貨のような個人別清算制度です。他に仕事を頼む時にWILLを支払い、引き受ける時にWILLを受け取り、一般社員にも事業主の感覚を研ぎますことを狙っています。例えば、誰もがやりたい仕事であれば「買い手」が直ぐに見つかりますが、逆に誰もやりたくない仕事であればWILLの「価格」が上がるので、そのリスク・リターンを見極めて「買い手」が現れるという市場原理を内部の業務フローに取り組んでいる経営革新です。
WILL経営推進のご担当者の説明によると、まだまだ改良の余地があるということですが、企業にとって最大の「見えない価値」である人材の気力と知力を高めるこのような斬新的な施策に感銘を受けました。長期投資家として、素晴らしい会社とこのようにお付き合いいただけることを大変嬉しく存じます。
今回は大変貴重な学びの機会をいただいたディスコの皆様、どうもありがとうございました!
定年退職後に向けて1億円を蓄えたいですか
おはようございます。渋澤健です。西日本から東海の各地での皆さま、豪雨でご心労いかばりとお察し申し上げます。速やかに収束しますようお祈り致しております。
さて、日曜日の日経ヴェリタスの「Econo Graphics」に、ちょっと衝撃を受けました。
定年退職後に向けて準備している国民の意識が、日本が最下位という調査結果です。
最上位が、インド、中国、ブラジル。 国からの制度が整っていないということが背景にあるのかもしれません。
でも、逆に日本は国民年金、厚生年金保険に加え、iDeCo、NISA、つみたてNISAなど老後の生活のために様々な制度が用意されています。年金制度のラインアップが豊富なのに、国民の意識が低いことは、残念なことだと思います。
恐らく、大勢の日本人が「ない病」に陥っているのではないかと思います。
・お金がない
・時間がない
・関心がない
でも、普通に仕事しているのであれば、月に数千円、数万円の余裕資金があると思います。それを月次に積み立てる意識があれば、「お金がない」は問題になりません。
確かに、色々と忙しい日々を過ごしています。将来のための長期投資の口座開設するには時間がないと感じるかもしれません。でも、自分が与えらえた時間は、常に過ぎ去っていきます。だったら、まだ余裕がある「今」から、将来のための準備を始めた方が良いことは明らかです。
今は関心がないかもしれません。でも、将来。。。
自分の定年退職のときに、、、あ~・・・あの時に資産形成を積み立てておければよかった。。。と思うことを想像すると悔しくありませんか。
20代、30代、40代の皆さんに対して、断言します。
ゼッタイにつみたて投資をした方が良いです。それは、コモンズ投信でなくても良いです。実施していただくことが何より大事です。20年後、30年後、40年後のみなさんは、やっていて良かった~という声を上げていると思います。
もちろん、私と同年代の50代、そして60代、70代、80代、90代でもつみたて投資を実施していただくことに、何も問題ありません。つみたて投資は時間軸の分散投資です。「未来を信じる力」さえあれば、年齢問わず、つみたて投資を実践できます。
仮に、毎月3万3333円のつみたて投資を実践したとしましょう。およそ年40万円です。
そして、仮に、毎年8%の運用利回りが実現できたとしましょう。(これは、約束ではないですが、世界の株式市場の運用成果は長期的に約8%ぐらいであり、コーポレート・ガバナンスなどで企業にROE=8%を求めているということは、株主の期待リターン、すなわち、これぐらいの収益が毎年あれば良いな~という水準です。)
それが、毎年、40年間続いたとしましょう。仮に。
40年後にいくらになると思いますか?
年40万円X40年ですから、1600万円以上になることは明らかですね。。。。
答えは。。。。。
1億1600万円です。
実は、時間さえかけて積み立てすれば、誰でも1億円の資産形成は不可能ではないのです!
なのに、なぜ、日本が定年退職後に向けた準備が最下位なのでしょうか。
第9回コモンズSEEDCapの発表!
こんにちは。渋澤健です。先週の木曜日(28日)に第9回コモンズSEEDCap選考委員会が開催され、今年の候補者の志、活動、これからの進展について討議しました。そして、その結果が本日、発表されました。
第9回コモンズSEEDCapの応援先はNPO法人PIECES(ピーシーズ)の小澤いぶきさんに決定いたしました! おめでとうございます!
小澤さんの第9回コモンズ社会起業家フォーラムの落ち着いた、しかしながら確たる芯を感じるスピーチを改めてご覧ください。誰にも頼れない、見えない「孤立」されている子供たちに未来を信じる力を養成することに精力的にご活動されています。
今回の選考プロセスも難しく、選考委員全員が頭を抱えました。公益財団法人京都地域基盤基金の深尾昌峰さんは社会起業家の大御所です。また、一般社団法人Earth Companyの濱川知宏さん・明日香さんご夫婦は間違いなく、世界を舞台にする日本人社会起業家のライジング・スターです。
最終的に選考委員会が小澤さんに決定した主な理由は、コモンズ30ファンドに長期投資を託してくださっている「お仲間」からの推薦でした。今回のコモンズSEEDCapの選考にあたってお仲間から頂戴した3名の候補への推薦の数はおかげさまで史上記録を更新しましたが、小澤さんへの推薦の数が圧倒的に多く、また、一緒に備えられていた推薦の想いの文字の分量も多くて熱かったです。
でも、その中で最も的を得たコメントは東京都の8歳の男の子からの推薦理由。
「こどもが一人になるのはかわいそうだから。」
目頭が熱くなります。
これから一年間のSEEDCapの応援を通じてコモンズは小澤さんと伴走することになりますが、深尾さん、トモ・アスカさんとも色々な側面でご一緒できることを楽しみにしています。皆様のますますのご活躍、ご発展を大いに期待しています!
また、今年も外部選考委員会としてご協力いただいた、公益社団法人日本フィランソロピー協会の理事長の高橋陽子さん、西武信用金庫の常務の高橋一朗さん、特定非営利活動法人CANPANセンターの代表理事の山田泰久さん、どうもありがとうございました!
そして、コモンズSEEDCapの実践を今年も支えていただいているコモンズのお仲間の皆様、心より御礼を申し上げます! 一人ひとりの未来を信じる力を合わせることによって、次の時代を共に拓くことができます。 今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
*NewsRelease「第9回コモンズSEEDCap」応援先決定のお知らせ
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