2030年のSDGs達成は地球の未来に対する試金石
2020年7月3日金曜日
誰もが一度は耳にされたことがあるフレーズですよね。
また、同社はいち早く「SDGs(Sustainable Development Goalsの略)」に対して本業を通じた達成に取り組みを開始した企業の一つです。
7月2日、社長の西井さまをゲストにお招きし、同社の取組みや西井さまが考える「SDGs」についてお伺いする機会に恵まれました。
---------------
「SDGs投資」21世紀のサスティナブルな投資とは?ゲスト:味の素社長 西井孝明さん
---------------
西井さまは2015年に味の素の社長に就任。ちょうどその年に国連でSDGsが採択されました。
その前のブラジル社長時代、すでにSDGsの前身であるMDGs(ミレニアム開発目標)へも強い関心を持っておられたこともあり、SDGsが採択され自身が社長に就任されたと同時に社を上げてSDGsへの取組みをスタートさせたそうです。
SDGsの17テーマのなかでも、健康と環境に重点的に取り組むと決め、「食と健康の課題解決への貢献によって10億人の健康寿命を延伸させる」ことを掲げました。
また、気候変動(温室効果ガスの削減、水資源の使用量削減)、資源循環型社会構築(プラスチック廃棄物の削減、フードロスの削減)、サスティナブル調達(森林破壊、生物多様性、人権、動物との共生に配慮した原料調達)について、具体的な目標を定めています。
また、こうした取組みによって年間当たり80-100億円に上るリスク対策費用の削減につなげるとしています。
こうしたお話を伺う中で、西井さまはSDGsについて、繰り返し「指標であり、目標、そして経営の根幹にあるもの」とお話しされていました。
また、SDGsが目的・目標であるならば、ESG(環境・社会・企業統治)は手段です。
これまでは、E(環境)とG(企業統治)については見える化が進んできましたが、今回、コロナ禍において、企業のS(社会)への取組みが注目されるようになりました。
同社は、S(社会)への貢献として、“減塩”を重要なテーマとして取り組まれているそうです。
減塩に貢献できる商品の比率を上げていくことで、社会に貢献する。
それは、付加価値の高い商品であることから値段も高いため、同社の経済的なメリットにもつながります。
このような取組みを数値化して、「見える化」を進めているそうです。
また、働き方改革をいち早く進めた同社のガバナンスは、コロナ禍においても注目を集めており、経済産業省が発表している「健康経営銘柄(従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に取り組んでいる企業)」にも4年連続で選出されています。
このコロナ禍においても、健康経営を推進してきたことで、世界にある同社の工場では、罹患者をほとんど出すことなく工場の操業を止めずに済んだとのことでした。
健康経営にいち早く取り組むきっかけになったのも、西井さまのブラジル時代の経験があったとのこと。
非常に生産性の高い働き方をしていることに感銘を受け、社長に就任したタイミングで、効率よく働き甲斐のある会社を目指したいと全社に働きかけ、テレワークの推進や会議・紙の削減などを一つ一つ行ってきたそうです。
こうした甲斐もあり、コロナ禍でもスムーズにテレワークの体制移行が実現できたことは、長期的な競争力に大きく影響していくだろうとおっしゃっていました。
そして、改めて「SDGsは指標であり目標である。本業を通じて達成に貢献していきたい、そして同時に我々も成長していきたい」とおっしゃいました。
最後は「SDGs達成は未来への試金石です」という言葉で締めくくられました。
今回のSDGs投資セミナーは同社の「見えない価値」を実感させていただく貴重な機会となりました。