数字は常にコンテキストを考慮しよう

おはようございます。渋澤健です。

せっかくの四連休でしたが、豪雨など不安定な天候、そして何よりも新型コロナ・ウイルスの感染が再び広まっているので、ステイ・ホームされた方が多いと思います。

東京では感染者数が(日曜日の段階で)6日連続で200名以上が確認されており、全国データを見ると、4月の感染者数を超えてきています。


明らかに第二波のように見えます。

でも、その割には、4月と比べると自粛疲れなのか、街中では人の動きがそれなりにありますね。危機感が薄れているのでしょうか。やや心配になります。

ただ、別のデータセットを見ると世間の人の動きが4月と異なる理由も見えてきます。死者数が圧倒的に少ないのです。また死者数の先行指数になる重症者数が「倍増」したという見出しの報道もありましたが、それは全国で32名が64名になったからです。確かに倍増ですね・・・・でも、64名です。全国で。


7月25日現在で今まで死者数の集計は全国で993名です。確かに新型コロナ・ウイルスに感染しなければ亡くなる方ではなく、心よりご冥福をお祈り申し上げます。

でも、人口100万人あたり8名ぐらいです。

毎年、日本では130万人以上の方々が様々な要因で亡くなります。厚生労働省によると令和元年では137万6000人が亡くなる推計です。単純計算では、毎日3770名が亡くなっていることになります。

繰り返しますが、今年に入ってから新型コロナウイルスで亡くなった方は993名。日本国内で新型コロナ・ウイルスによる最初の死亡者が発表されたのが2月20日です。7月25日まで155日ですから、毎日6名が全国で新型コロナ・ウイルス感染により亡くなったということになります。毎日3770名の死亡者数が「普通」なのでパニックする必要はありません。

もちろん決して、新型コロナ・ウイルス感染を軽視するべきではない。手洗い・うがい・マスク着用、そして、3密を避けることの徹底は必要です。

ただ、数字に煽れることなく、常にコンテキストと照らし合わせて考える習慣を身に付けるべきだと思います。それは、新型コロナ・ウイルス感染だけでなく、新聞の見出しや報道のヘッドラインで表示される様々な経済ニュースでも同じです。

実態を把握するために数字は不可欠。ただ、数字は必ずしも実態の全体像を表していないということも忘れてはなりません。