<講演抄録>リンナイ株式会社「20年サイクルのイノベーションを意識」

リンナイ株式会社
取締役専務執行役員経営企画本部長 小杉 將夫 様

20年サイクルのイノベーションを意識

「品質こそ我らが命」という、リンナイの原点思考を実践するため、私たちは品質や性能に関わる重要な部品は他人任せにせず、すべて内製化しています。
また、会社に温かみがあり、心をひとつにして働けば、良心的な製品が生まれます。とはいえ、ミスはつきものです。製品不良は完全なゼロにすることは出来ませんが、私たちは敢えて「ゼロ・ディフェクト」、つまり欠陥ゼロを目指しています。理想ですが、全く理想を掲げないのに比べれば、結果は自ずと違ってきます。

また、事業の存続、成長という観点では、イノベーションを重視しています。なぜなら、どんな産業も20年で飽和するからです。過去の成功体験にしがみついていたら、いずれ衰退します。だから、20年サイクルの技術革新を意識しています。

海外展開は、40年前から行っています。日本とはさまざまな点で大きく異なる、海外の人々と共に会社を発展させていくためには、各国の独自の価値観や意欲、方向性をよく読み込み、相手の気持ちになって繁栄を語り、共存していく必要があります。これを内藤前会長は「ユーリズム」という言葉で表現していました。
そして、モノづくりの現場である作業場所を明るくするため、整理整頓の考え方も全社的に浸透させる努力を行っています。

とにかく、何でも全員で事に当たるのが、リンナイの特徴です。ラジオ体操、QCサークル活動、改善提案制度など、枚挙に暇がありません。改善提案については、日本企業のなかでトップ10に入るくらい、社員1人あたりの提出件数が多く、「4Sタイム」といって、週1回、決まった曜日と時間に、役員も含めて自分の身の回りの掃除をします。4Sとは整理、整頓、清掃、清潔のことです。

その他、商売繁盛を願って11月20日に赤福もちを配ったり、新入社員を迎える時には伊勢神宮参拝をしたりします。社内旅行も3年に1度、部署ごとに行っています。年末の餅つき懇親会、年明けの年賀式など、とにかく全社員で盛り上がります。

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