長期投資という「空間」の「コップ」とは?

おはようございます。渋澤健です。最近は三連休が多いですね!台風も過ぎ去った後は、また夏日のような気温に戻りましたが、やはり晴天は気持ちが良いものです。今朝は、曇りが戻り、またちょっと涼しくなりましたが。

(写真は記事の内容と関係ないです。青空がきれいだったので!)

さて、先週、お久し振りに黒川雅之さんの講話を拝聴することができました。実兄が故黒川紀章さんであり、ご本人も建築家であり、または思想家でもあります。最初に出会ったのは確か今から14年くらい前、経済同友会の「日本の使命を考える委員会」で講師としていらしゃったことがご縁の始まりです。

当時の話で「矛盾」からの生じる創造性が一番美しく、表現が一番難しいという内容の話に感銘を受け、それがその後、渋沢栄一の「論語と算盤」を研究する過程で、一見矛盾や無駄から創造する「と」の力という持論へと展開しています。

また、お会いしてから二年後の2006年に「八つの日本の美意識」という本を出版され、その内容に啓発され、「いつか、日本の美意識に基づいた運用会社を造りたいです。そうしたら、世界一美しい運用会社になれることでしょう」と当時のブログで書いています。

その数年後、コモンズ投信を仲間たちと設立しました。そういう意味ではコモンズ投信の源流のひとつに黒川雅之さんの存在があっとと言っても過言ではありません。果たして、どれほど「日本の美意識に基づいた」運用会社になったかわかりません。それから、「世界一美しい」かどうか。。。

もしかすると、こども口座比率(16%)が世界一かもしれませんし、2018年3月末の時点では、損失を被っている口座が世界一少ない(2.3%=100%-97.7%)運用会社かもしれませんがw。

今回の黒川さんのお話も思想的に刺激的でした。ちょっとシナプスがバースト気味になり、どれほど取り入れたことができたがわかりませんが、印象に残った二つの思想。

本質が「マイナス」であって「プラス」ではない。

つまり、
「不安」が本質だから、「希望」がある。
「不満足」が本質だから、「満足」がある。
「孤独」が本質だから、「人情」がある。
「死」が本質だから、「生」がある。

私の理解が正しければ、このような「本質」があるから、人間は「デザイン」によって、エンジンのピストンのように(黒川さん曰く)「ガックン、ガックンと音を立てて」いる。要は、本質に対して、「価値」を創ろうと尽力しているということでしょうか。

確かに、日本で生命保険が飛びように売れるのは、その「不安」という本質に対して取り合えず解決を提案しているからかもしれません。私は「プラス」に傾く傾向がありますが、もしかすると「ネガティブ」という本質にもうちょっと意識する必要があるかもしれないと思いましたw。

また、黒川さんは、「社会」も、「人類」も、「空間」も、「時間」も、存在しないと言います。。。! 実は存在するのは目の前の存在だけ。他はただの人の妄想ということらしいですね。

これは、「未来を信じる力」の長期投資家にとっては手厳しい視点! でも、何となくわかるような気がします。長期投資な資産運用法の本や記事より、短期的に儲かる法則や商品が目を惹きますね。

ただ、黒川さんは面白いご指摘をされます。「空間」はない。けど、そこにコップを置いた瞬間、その周囲が「空間」となる。

確かに。自分の長期投資という「空間」の「コップ」とは自分の子供たちでした。その「コップ」を置いた瞬間、長期投資という大切な「空間」が見えてきました。

果たして、多くの日本人の長期投資という「空間」の「コップ」とは何か。考え中です。。! もしかすると、「97.7%」という数字・・?w

今回は、やや小難しい内容で失礼いたしました!