「つみたての島」、「つみたての国」を目指しましょう


おはようございます。渋澤健です。

この週末は良い天気に恵まれた地域が全国的に多かったと思いますが、私は日曜日に「グロソブの島」に訪れました。

10年ほど前、かつて金融業界の売れ筋であった毎月分配型グローバル・ソブリン投資信託を人口あたり最も多く購入していたと言われる小豆島です。毎月の高分配金をはじき出すために元本まで食いつぶすという資産形成の道理に適わない商品を売りさばかれていた地域です。



小豆島には1000年のオリーブの樹が生き生きと大地に根を張って、力強く青空へ枝葉を伸ばしています。まさに、人生100年のX10という長期的な資産形成のメッセージを発信することに相応しいところです。

これからの小豆島は「つみたての島」として名が広めたい。

この想いに共感していただく現地の同志によって今回のセミナーの開催に至りました。100名ぐらいの参加者がご来場くださいまして、確かな手応えを感じてうれしかったです。



日本での「貯蓄から投資へ」という掛け声の起源は1960年代といわれています。「銀行よさようなら、証券よこんにちは」という流行り言葉もあったようです。そして、その後の時代には低金利が顕著になり、1997年の規制緩和で銀行でも投資信託の窓口販売が解禁されました。

「金利よさようなら、手数料よこんにちは」という流れが始まったのです。

ただ、投資信託とは一般個人が将来のために資産を蓄えるための商品のはずです。資産を蓄えるということは「ストック」を積み上げるということです。

顧客が投資信託を「ストック」として積み上げるべき一方、売り手である金融機関は投資信託を「フロー」ビジネスとして稼ぐ商品として注力していたのです。このミスマッチが、いままでの日本の投信業界の有様を一言で表していいます。

金融庁が求めている「顧客本位」を一言でいえば、顧客と売り手の間にミスマッチが起こらないことになります。

いままでのミスマッチが改善するためには業界が投資信託を「フロー」型事業から「ストック」型事業へと転換することが必要です。「つみたての国」である日本を目指しましょう。

株式市場の行方がわからないからこそ、つみたて投資です。市場が上がれば吉。市場が下がっても(定額で購入するとより多く口数を購入できるので)吉。つみたて投資を始める、ベストなタイミングは、今でしょう。