【ダイキン工業×コモンズ投信】ディスカッション~ダイキンは環境のプラットフォーマーに

左から、コモンズ渋澤、ダイキン山田様、コモンズ末山(担当アナリスト)
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山田香織様ダイキン工業 コーポレートコミュニケーション室 経営IRグループ 担当課長)
渋澤健(コモンズ投信取締役会長兼ESG最高責任者)
末山仁(コモンズ投信運用部シニアアナリスト)
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末山 ダイキンの魅力は「強い営業力」「人を機軸に置く経営」だと考えています。
オイルショック時に生産の人員を営業にまわし人員削減なしに苦境を乗り越えたという話を聞きました。
おそらくこのときからダイキンの営業力が強まったのではないかと思っています。

山田様 お客さまに「ダイキンのなにが好きですか」と質問すると「サービス力」「解決できないことを最後まで付き合ってくれる」という答えが返ってくることがあります。
このエピソードは昭和の話だと思いますが、リーマンショックのときもヨーロッパで生産人員を一時的に営業にまわすということがありました。
もちろんそれによって会社を離れていく人はいましたが、人を大切にするマインドは我々のベースにはあるのだと思います。

渋澤 サスティナビリティレポートの中に人材についてのコーナーがありますね。
グローバル企業として日本以外の人々に理念をどう広めているのですか?

山田様 5極体制で、支配人を置いています。マネージャーミーティングでは理念の浸透を徹底的に行なっています。
紙で渡すこともありますが対話する中で培っていくものだと考えています。
ただ、企業買収を積極的に進めていることで企業理念の浸透に課題がないわけではありません。
中国、ベトナムではひとを大事にする。一度離れてももう一度戻ってきて、管理者をやっている人間もいます。

渋澤 人材は会社の最大の財産だとどんな経営者も言います。
しかし、その財産は損益計算書の人件費としてしか表れません。
大切な資産を削り取ることによって企業が利益を出すようにイメージしてしまう。
投資家から見ると企業の一番の非財務的価値はそこで働いている人であると確信しています。
人がいなければ価値創造ストーリーがうまれませんから。
・・・ところでこのキャラクターはなんですか?

山田様 ぴちょん君というのですが今年で20歳になりました。
私はぴちょん君の叔母という立ち位置です。
まだダイキンが東京での認知度が低かったころ、『うるるとさらら』という商材が出て湿度コントロールという考え方が始まりました。ぴちょん君はそのときCM監督と相談し、名前なしでうまれました。
そしてこれは初めての経験だったのですが、お客さまから「このキャラクターの名前は何ですか?」というお問合せを多数いただき、「これは乗るしかない」と、当時の私は芸能人のマネージャー張りにぴちょん君を売り出しました。
CDも本も出しているのですよ。
ぴちょん君は湿度の象徴なので、冬は求められて、夏は捨てられる。
「求められて捨てられて、も~ど~にでもして」という歌です。

うるるとさらら「ど~にでもして篇」


山田様 キャラクターの寿命1年半といわれるなかで長く愛され続けているのには、偶然ですが、キャラクターが長く愛される要素(まるくてもちもちしている等)を持ち合わせていたためだと思います。
もちろんぴちょん君を世界でも広めようと思いプロモーションしましたが、各国反応は様々です。
ヨーロッパでは気持ち悪いといわれ、東南アジアではラッピングカーになるほど受け入れられ愛されています。
インドではぴちょん君が描いてある大きな看板がありますが当社のものではありません。育ての親として20年を迎え、一抹の想いがあります。

渋澤 最近では、各社がSDGsを「現在取り組んでいることの延長」で適用していますね。
私の考えでは2030年のムーンショットからのバックキャストが、可能性やヒントを得るのに有効なのではないか、と思っています。

山田様 ダイキンでもSDGsになぞらえて自社の資産を分解して、次のFUSIONを描いています。
これだけ事業を展開していれば何かしら当てはまるところがありますが、それだけではなくて、接点を広くみてホップ・ステップ・ジャンプで考えていくことが重要だと思います。

末山 コモンズ30ファンドは30年投資を標榜していますが、中長期計画で出てくる数字は3年、5年、長くて10年。
投資先企業の中でも30年というスケールで将来を見据えているところはあまりありません。ダイキンは「環境ビジョン2050」という構想にもあるように、長期の経営の目線をしっかり持って経営が行なわれているのでしょう。

山田様 将来を見据えたとき、エアコンが今のままではないという健全な危機意識があります。
AI・IoT化が進み、プラットフォーマーが人々の暮らしをコントロールしていく、エアコンもその中に組み込まれていくというときがくることについて真剣に考えています。
中国では非常にIT化が進んでいます。IT化において、エアコンだけブラックボックスなので、グーグルがエアコン会社を買収していることを考えると、着実に競争環境が変わってきています。
ダイキンは中国でブランド力があります。
中国のシンセンにR&Dセンターを構えて中国のベンチャー企業と取り組んでいます。
自分たちの力だけでは及ばないところは協業や提携で伸ばしていくようにしています。

渋澤 ぜひ、ダイキンには環境のプラットフォーマーになってほしいと思っています。

山田様 日本で期待されるところは、東京は世界でも上位にある大都市ですが、自然エネルギーの活用という観点ではヨーロッパに遅れています。
これまでお話してきたとおり、エアコンは室外機で熱を出している。
これまでインドア・エア・クオリティで室内を考えてきましたが、今後、街全体で考えたときになにができるかということに取り組んでいくことになります。

渋澤 本日はありがとうございました。

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