今こそ「未来を信じる力」が必要

あけましておめでとうございます。渋澤健です。

年末年始で1週間以上の連休を取れた方も多いと思います。ゆっくりと休養してリフレッシュされたでしょうか。


さて、たったの1週間ですが、驚くようなニュースが相次ぎましたね。

まず、年末のゴーン被告の逃亡が世界で様々な反響を呼びました。

そして、その劇場的なニュースが霞むほど衝撃なニュースが年始に飛び込んできました。米国によるイランのソレイマーニー司令官の殺害。今後の世界情勢の行方にリスク(不確実性)が一気に高まりました。

去年とあるTV番組で、米国が先導している株式市場の楽観ムードのリスク要因とは何かとコメントを求められ、私は「中東情勢の悪化などで原油価格の急騰」と答えました。

原油高など物価上昇を抑えるための中央銀行の伝統的な政策ツールは金融緩和の引き締め(金利を上げること)です。ただ、今までの株式市場の上昇が超低金利政策に支えられていたことを考えると中央銀行は身動きが取れません。金融緩和政策の反転の素振りも見せることができない。なぜなら、株式市場はそのような政策反転の予兆でも敏感に反応するからです。

原油など企業の原料コストが高まる中、企業のトップライン(売上)が伸びているのであればさほど問題はありません。ただ、そもそも景気が”よくても横ばい”というイメージのときに、企業のコスト上昇はボトムライン(収益)にとって歓迎すべき話ではない。

株式市場は足元の景況よりも先を織り込む性質があるということで、2019年の上昇の理屈が通っていました。ただ、今回の米イランの「戦争」がどこまで広まるかわからないという不確実性(リスク)が高まる情勢では、その「先を織り込む」ことが回復だけではなく、悪化という要素が現実味を帯びて加わってきました。現在の情勢が早期に修復の兆しを見せなければ、去年年末の株式市場は当面のピークを打ったのかもしれないということも視野に入れるべきでしょう。

では、長期投資家としてどうするべきか。ここが大事なことです。

短中期的な投資家であれば今後はタイミングを計るという神経が尖る展開になるでしょう。

でも、積立投資を実施している長期投資家は違います。

毎月定額で購入しているので、仮に株式市場が下落基調になったとしても、気持ちはゆったりです。なぜなら、同じ金額でもより多くの口数を必ず購入できているからです。

長期投資家は、まさに「先を織り込む」という「未来を信じる力」を持っているんです。

○○ショックがあったしてもへっちゃらです。皆が株式市場から資金を引き上げようとする最中にコツコツと購入を継続すれば、必ず大底で買えて(ここが大事なポイントですが)かつ保有し続けれるのです。

仮に「戦争」があったとしても、それが永遠に続くことありません。世の中は、必ず回復します。これが、「未来を信じる力」です。

積立投資とは、山があろうが谷があろうが継続する長期投資です。いま、長期投資家がすべきことは明らかです。継続は力なり。「未来を信じる力」があれば報われます。

世界情勢の行方の不確実性が高まる2020年は、日本の時代の節目になると思っています。日本の人口動態の変化による全国規模の世代交代のピッチが著しく早まる節目です。過去の成功体験による前例主義は終わりを告げ、新しい成功体験がつくれる可能性が今後10年、20年タームで高まっている。そのような「スイッチ」を入れることも「未来を信じる力」です。

本年もコモンズ投信をどうぞよろしくお願いいたします。