for goodな会社は、どんな会社?

おはようございます。渋澤健です。

for goodな会社はどのような会社でしょう?

当然ながら、お客さんを大事にする会社ですよね。「顧客第一主義」は、customer comes first、customer is always rightなど英語でも存在しています。

あるいは、アクティビスト的な投資家であれば、「当然、株主でしょ!」と主張すると思います。でも、株主資本主義は万能ではなく、貧富の格差の拡大につながるなど様々な社会的課題をもたらし、最近では「ステークホルダー資本主義」を重視すべきという声が世界の経営者から上がり始めています。

ステークホルダーとは、会社の価値創造に参加している存在なので、当然、株主も含みます。ただ、株主だけでは企業の価値創造は不可能です。企業には経営者が必要です。

ただ、経営者だけでは企業の価値をつくれません。企業の社員、仕入れの取引先、顧客、そして、社会も必要です。これら多くが会社の持続可能な価値創造に不可欠なステークホルダーです。

そして、最近では、「働き方改革」など、社員というステークホルダーが脚光を浴び始めています。でも、「時短」という次元では、仕事=時間という関係性の改革はありません。一方、コロナ禍によるこの数か月は、色々な課題が表面化したものの、働き方が改革される兆しを感じますね。

どの会社も「人材は我が社の最大な財産」と言います。財産とは資産です。でも、企業の代表的な財務諸表であるB/S(貸借対照表)の資産側に「人」の掲載の面影は全くありません。P/L(損益報告書)の人件費として現れます。企業の「最大な財産」が「費用」としか表現できない財務諸表には企業価値のメジャーメント(測定)に限界があると言わざるを得ません。

社員は企業の最大な「見えない価値」という表現の方が正しいでしょう。

for goodな会社は、やはり「見えない価値」である社員のウェルビーングを実施している会社でしょう。ウェルビーングは、「充実」「健康」「幸福」など様々な要素を含みます。働かされている社員ではなく、働いている社員の違いでしょうね。

働いている社員が多い会社は、企業のますますの価値創造に期待できます。

for goodとは、ただ「よいことをしている」という意味だけではなく、「永続する」という意味でも英語では使われますー this arrangement is for good ーのように。つまり、for goodな会社は持続的な価値創造が期待できる、長期投資に適した投資であるということが言えますね。

日曜日の日経ヴェリタスに、このようなコラムがありました。


2015年から私が基準検討委員会の委員として務めている「健康経営銘柄」の紹介です。5年前の初回に私は指摘しました。「今までは企業が社員へ取り組んでいたのは福利厚生という費用でしたが、健康経営と名乗るではあれば、これからの企業は健康関連の出資は単年度の「費用」ではなく、長期的な価値創造への「投資」ととらえるべきだ」と。

今回の日経ヴェリタスで取り上げらえたディスコ味の素コモンズ30ファンドの投資先企業です。「健康経営銘柄2020」の40社にはリンナイ堀場製作所デンソーも含まれています。世代を超える投資を目指しているコモンズ30ファンドですから、for goodな会社に投資していることは当然ですよね。