ESGは手段であり、SDGsは目的である
2020年7月31日金曜日
こんにちは、コモンズ投信福本です。「SDGs」という言葉をよく耳にするようになりました。
これは、2015年に国連総会で採択された人類共通の目標で、誰一人取り残さない世界を2030年までに築くという壮大な計画のこと。
17のゴール(目標)と169のターゲットが示されています。
今、SDGsへの取組を自社の価値創造につなげようとする動きも広まってきています。
そしてわたしたちコモンズ投信では、会長渋澤が5月に発売した新著「SDGs投資」を記念して、同テーマでオンラインセミナーシリーズを開催してきました。
シンクタンク・ソフィアバンクの藤沢久美さんはSDGsについて、大事なのはSDGsの5つの特徴(普遍性・包摂性・参画型・統合性・透明性)であるとおっしゃいました。
今、日本企業の多くがSDGsの取り組みを17の目標に自社の事業を紐づけることに躍起になっているが、本質は事業が5つの特徴に合致しているかどうかの方が大事、とのご指摘です。
コモンズ30ファンドの投資先である味の素の西井社長にもご登壇いただきました。
西井社長はSDGsの前身であるMDGs(ミレニアム開発目標)へも強い関心を持っておられたこともあり、SDGsが採択され自身が社長に就任されたと同時に社を上げてSDGsへの取組みをスタートさせたそうです。
そしてSDGsについては「指標であり、目標、そして経営の根幹にあるもの」と位置付けていると繰り返しおっしゃっていました。
コモンズ投信は世代を超える投資、つまり長期投資を標榜しています。
それとSDGsの共通点はまさにサスティナビリティ(持続性)です。
今、企業は持続的な成長を遂げるために必要な要素としてESG(E:環境、S:社会、G:企業統治)への取組みを加速させています。
つまり、ESGは長期的な成長のための手段であり、SDGsは目的、と言い換えられるでしょう。
私たちコモンズ投信が運用するファンドは、いずれもESGファンドを標榜はしていません。
ただし、長期的な価値創造、という点でESGは投資先を選んでいく上での重要な要素であり、その先にSDGsの達成があると考えています。
先に紹介したSDGs投資対談シリーズでは、
〇認定NPO法人D×Pの今井さん(第5回SEEDCap応援先)
〇テラ・ルネッサンスの鬼丸さんとリッチエブリデイの仲本さん(社会起業家フォーラム登壇者)
〇自然電力の磯野さん(社会起業家フォーラム登壇者)
とも対談を行いました。ぜひ、ご視聴ください!
数字は常にコンテキストを考慮しよう
おはようございます。渋澤健です。せっかくの四連休でしたが、豪雨など不安定な天候、そして何よりも新型コロナ・ウイルスの感染が再び広まっているので、ステイ・ホームされた方が多いと思います。
東京では感染者数が(日曜日の段階で)6日連続で200名以上が確認されており、全国データを見ると、4月の感染者数を超えてきています。
明らかに第二波のように見えます。
でも、その割には、4月と比べると自粛疲れなのか、街中では人の動きがそれなりにありますね。危機感が薄れているのでしょうか。やや心配になります。
ただ、別のデータセットを見ると世間の人の動きが4月と異なる理由も見えてきます。死者数が圧倒的に少ないのです。また死者数の先行指数になる重症者数が「倍増」したという見出しの報道もありましたが、それは全国で32名が64名になったからです。確かに倍増ですね・・・・でも、64名です。全国で。
7月25日現在で今まで死者数の集計は全国で993名です。確かに新型コロナ・ウイルスに感染しなければ亡くなる方ではなく、心よりご冥福をお祈り申し上げます。
でも、人口100万人あたり8名ぐらいです。
毎年、日本では130万人以上の方々が様々な要因で亡くなります。厚生労働省によると令和元年では137万6000人が亡くなる推計です。単純計算では、毎日3770名が亡くなっていることになります。
繰り返しますが、今年に入ってから新型コロナウイルスで亡くなった方は993名。日本国内で新型コロナ・ウイルスによる最初の死亡者が発表されたのが2月20日です。7月25日まで155日ですから、毎日6名が全国で新型コロナ・ウイルス感染により亡くなったということになります。毎日3770名の死亡者数が「普通」なのでパニックする必要はありません。
もちろん決して、新型コロナ・ウイルス感染を軽視するべきではない。手洗い・うがい・マスク着用、そして、3密を避けることの徹底は必要です。
ただ、数字に煽れることなく、常にコンテキストと照らし合わせて考える習慣を身に付けるべきだと思います。それは、新型コロナ・ウイルス感染だけでなく、新聞の見出しや報道のヘッドラインで表示される様々な経済ニュースでも同じです。
実態を把握するために数字は不可欠。ただ、数字は必ずしも実態の全体像を表していないということも忘れてはなりません。
社会的共通資本と「わからん」
おはようございます。渋澤健です。この週末は瀬戸内のベネッセアートサイト直島で開催されたオンライン・フォーラム「今、瀬戸内から宇沢弘文~自然・アートから考える社会的共通資本」の総合モデレーターを務めました。
宇沢国際学園の占部まりさん、福武財団/ベネッセホールディングスという色々なご縁の複雑系なつながりで、このようなすてきな機会をいただけたことを心より御礼を申し上げます。約1500名のお申し込みをいただいた盛況な大イベントであり、多くの学びや気づき、そしてすてきな出会いに恵まれたフォーラムでした!
故宇沢弘文先生が提唱した「社会的共通資本」とはSocial Common Capitalともいわれ、すべての人々が「ゆたかな経済生活を営み、すぐれた文化を展開し、人間的に魅力ある社会の安定的な維持を可能にする自然環境と社会的措置のことで、これを社会共通の財産」とする考え方です。
登壇者としてご一緒させていただいた鈴木寛さんによると「宇沢論」とは、交換不可能な(市場でプライシングできない)大事なものがあるという概念です。「資本主義と闘った男」とも称されている宇沢先生のシカゴ大学の同僚であった故ミルトン・フリードマンの市場原理主義と対立したと言われていました。ただ、両氏は考えは異なるけど、互いへのリスペクトはあったようです。
セッション①の「教育」では鈴木寛さんに加え、ドミニク・チェンさん(東京から)、宮口あやさん(サンフランシスコから)、セッション②の「とりまくもの」=自然では舩橋真俊さん、森田真生さんという超クリエイティブ系のラインアップで、皆さんの濃くて、深くて、示唆に富むお話をファシリテーションするモドレーターとして知的のワークアウトさせていただきました。
鈴木さんが提唱する「近代化からの卒業」(これは、決してアンチ近代化ではなく、Beyond近代化の構想です)とはどのような未知の世の中なのでしょう。そこには人間の声だけではなく、自然の声にも耳を傾けるべきとご指摘される森田さん、および「モノ・カルチャー」ではなく多様性を重視する協生農法によってアフリカのブルキナファソの砂漠を生態が豊かな緑園へと変身させる検証実験に成功している船橋さんが、ヒントを与えてくれています。
ただ、ポスト近代化の世界でも、一人では何もできません。他との協力体制が必要となります。そのときに、様々な価値観や考え方にはドミニクさんが提唱するトランスレーション(例えば、デジタル化された情報を体感できるアナログ化など)が必要となりますし、権力集中型からコンセンサス型で答えを集約するブロックチェーン技術の実用化に取り組む宮口さんの視点からの展開に色んな可能性を感じます。
そして、アート。特に現代アートは「わからん」という声が少なくないでしょう。ただ、アートとは見えなかった価値(大切な数値化できないことも含む)を可視化させる力があると思います。フレーミングと言っても良いかもしれません。
「無限門」という李禹煥氏の作品が、ここに無ければ、この場所の景観を同じように楽しめたでしょうか。景色は変わっていない。けれども、作品を設置することで、見えていなかった美しさが、可視化できている。
この「フレーミング」という概念に、数値化が難しい企業の非財務的な見えない価値の可視化のヒントがあるような気がしています。見えない価値の正しい「答え」を定めることは困難ですが、「わからん」ことを前提に「問い」を繰り返すことが大事だと思います。
社会的共通資本や近代化の卒業が現実的なのか。それは「わからん」です。でも、わからんから、そこに存在感や可能性がない訳でもありません。この世の中で、人間では「わからん」ことの方が圧倒的に多いです。ただ、人間が「わからん」でも、そこに存在していることは否定できません。
「わからん」を拒否することなく、「わからん」で思考停止することなく、より謙虚に、よりオープンに、好奇心と想像力を活かせば、見えないものが見えてくるかもしれないですね。
コモンズ投信ってどんなコミュニティ?
2020年7月17日金曜日
こんにちは。マーケティング部の横山です。今週水曜日(2020年7月15日)に、ザ・2020ビジョンが最高値を再び更新し、基準価額で初の19,000円台突破となりました。
また、コモンズ30ファンドの公募残高も初めて200億円を突破しております。
お仲間の皆さま、投資先企業さま、コモンズにかかわるすべての方にこのようなご報告ができることを心から嬉しく思っています。
今日はそのうれしいニュースを一緒に成し遂げてくださったコモンズ投信のお客さまについてご紹介します。
コモンズ投信のお客さまの年齢分布は以下のようになっています。
つみたてを実施・継続してくださっているお客さまは全体の79%、そして平均のつみたて継続年数は4.4年です。
つみたての平均金額はコモンズ30ファンドで約2万円、ザ・2020ビジョンで約1.9万円となっています。
そして、コモンズでつみたてを5年以上継続してくださっている場合、3月のコロナショックで大きくファンドの基準価額が下がっていたタイミングでも92%の方がプラス。
足もとではほぼ100%の方がプラスになっていらっしゃいます。
これは私たちが「本当にお客さまのためになっているか?」を測っていくうえで大事にしていきたい指標の一つです。
また、創業来、ライブ感を大切に、リアルセミナーを実施してきましたが、
コロナ禍においてはそのライブ感を保ったままオンラインセミナーに切り替え、引き続き積極的に発信を続けています。
月平均で10回以上、年間150回以上セミナーを実施しており、コロナ禍においても開催頻度は変わりません。
むしろリアルセミナーでは参加が叶わなかった方々にもオンラインであればご参加いただけることもあり、セミナーの規模は以前よりも大きくなりました。
そして、セミナーやイベントの場では「お客さまの声」を大切に集めてまいりました。
コモンズ投信のサービスや商品についての評価、感想、メッセージをたくさんお寄せいただいています。
いただいたお声はすべて目を通し、お叱りは次への改善につなげ、心温まるエピソードは社員で共有して皆で喜んだりしております。
また、ネット投信という対面営業を持たない業態の特性上、先にお客さまになっていただいた皆さまからのお声は、これからコモンズ投信を始めようかと検討中のお客さまへの何よりの力強い助言となると思っています。
ぜひ、私たちのお仲間からの感想・レビューを見ていただけたら嬉しいです。
私たちはこれからも、”意志あるお金”を循環させ、みなさまの資産と未来を創っていけるような、そんなファンドを丁寧に育てていきます。
これからもどうぞ、よろしくお願いいたします!
SDGs投資という新しいお金の流れ
おはようございます。渋澤健です。やはり地球温暖化の影響なのでしょうか。従来の梅雨のしとしという風情を感じることない季節で、熱帯豪雨が常になっていますね・・・被災地にお見舞い申し上げます。一日も早く平穏な日常生活が戻ることをお祈りいたします。
さて、この土日はウェビナーが立て続きました。ビフォー・コロナでは講演のダブルヘッダーは移動が大変でしたが、今ではクリックで次のセミナーへと移動できます。便利と言えば便利で、聴講者の皆さんがチャットやQ&Aに積極的にご参加いただけるとライブ感もあります。
拙著「SDGs投資」出版セミナーシリーズでは土曜日は、いつもお世話になっているtsumiki証券の仲木威雄さんとマイクロクレジットのローン投資を提供するクラウドクレジットの杉山智行さんとコモンズ投信の三社のコラボ・イベントを開催しました。
証券会社、マイクロクレジット会社、投信会社と異なる業種ですが、forgoodな新しいお金の流れをつくろうという共通点があります。
また日曜日はコモンズ社会起業家フォーラムの登壇者でもあるテラ・ルネサンスの鬼丸昌也さんとRICCI EVERYDAYの仲本千津さんと楽しくお話させていただきました。
三年ぐらい前にサロン的なこじんまりとした会場で鼎談した三人ですが、今回はその後に色々と展開があったお二人とオンライン・セミナーでご一緒させていただきました。やはり、ほしい未来を描き、それに行動することは大事ですね!そして、仕事のパートナーとの「出会い」が大切なカギです。
*こちらのオンラインイベントはYoutubeコモンズTVでもご覧いただけます。
「SDGs投資」とはMeからWeへと新しいお金の流れだと思います。Meだけの投資は、いずれ行き詰まると思います。しかし、Weへの投資でWeが繁栄すれば、Meも恩恵を受ける。そのようなサーキュラーな関係を目指すことがSDGs投資です!
「SDGs投資」のWEBセミナーシリーズは、まだ続きます!是非ともご参加ください!
◆7月20日(月)19:00~自然電力株式会社 代表取締役 磯野謙さん
コモンズ30ファンドはESGファンド?
2020年7月10日金曜日
皆さん、こんにちは。
コモンズ投信 伊井です。
まずは、この度の九州や長野、岐阜などでの集中豪雨で被害にあわれた方に心よりお見舞い申し上げます。
ESGという言葉を見聞きする機会は、この数年多くなっていることと思います。
運用の世界でもESG投資が重要と言われるようになってきました。
具体的には、単に決算などの財務情報を分析しての投資ではなく、
「E」=環境(Environment)では、地球温暖化につながる二酸化炭素の排出量を抑える努力をしているのか、事業が地球環境の破壊につながっていないか、再生可能エネルギーへの関心は高いかなどを確認、
「S」=社会(Social)では、労働環境の改善をしているか、人権問題はないか、女性活躍を推進しているか、地域社会への貢献をしているのかなどを確認、
「G」=ガバナンス(Governance)では、経営の透明性、多様な価値観、企業不祥事が起こらない仕組みなどを確認、することで、本当にいい会社を選ぶことが結果として投資のリターンにもつながる、との考え方です。
さて、先般、コモンズ30ファンドが、こうしたESGの評価が高い企業を多く組み入れているとのことで、ESGスコア1位の投資信託になったという記事が日本経済新聞電子版に掲載されました。
ドイツのESG評価会社のデータをもとにランキングされたものですが、さらに分析結果としてESGスコアの高いファンドは市場平均よりも運用成績がよい、という結果になっているとの内容でした。
コモンズ30ファンドは、「30年目線で、30社程度への厳選投資を行い、企業との対話を大切にする」ファンドであり、ESGを標ぼうしたファンドではありません。
しかし、30年という超長期の時間軸で企業の実力を評価するときには、ESGの要素は当たり前のように分析項目に入ります。
こうして改めて外部機関の評価で、ESGの評価が高い企業で構成されている投資信託となったことは、これまでの10年を超える当社の投資プロセスや結果に、一定の評価がもらえたことでもあり、私たちにとりましても嬉しいニュースとなりました。
今回のコロナ禍での投資先企業各社の取組みを見ても、単に自社の利益だけを追求せず、お客さま、社員、地域社会にも配慮した行動が数多く見られました。
今後もこうした各社の取組みを、しっかりと皆さまにお伝えしていきたいと思います。
味の素の西井社長との対話
おはようございます。渋澤健です。さて、拙著「SDGs投資」を題材にしたウェビナー・シリーズを展開していますが、先週の木曜日(2日)には、ビッグなゲストをお招きしました。コモンズ30ファンドの投資先である味の素株式会社の代表取締役社長CEOの西井孝明さんです。
味の素のコーポレート・メッセージであるEat Well Live Wellは、コロナ禍の自粛中には特に大事な心得でしたが、塩分を控えながら「うま味」を活かして美味しい食生活を楽しむ生活はいつでも日常化したいものです。
実は、西井社長とは自粛中に二回ほどウェブ会議でガバナンスについて意見交換させていただいていましたが、大企業の社長とオンラインで対話できることはウイズ・コロナの歓迎すべき新しい常識です。社長室にお伺いする緊張感も良いですが、オンラインを通じた対話では、西井社長のお人柄もありますが、親近感を覚えます。
ライブ配信を逃した方は、是非とも、COMMONSTVにアーカイブされた以下の対話の動画をご覧ください。
SDGs(持続可能な開発目標)が2015年の秋に国連の総会で採択された翌年の2016年の統合報告書の社長メッセージで「また、地球持続性や 食資源などの環境課題についても、国連の持続可能な開発目標(SDGs)やコンシューマー・ グッズ・フォーラムのテーマへ主体的に関与していきます」といち早く明言された日本企業であることが印象に残っています。
今回の対話でこの先見力についてお伺いしたところ、社長にご就任された直前のポストがブラジル味の素社長/取締役常務執行役員ラテンアメリカ本部長であったことで、SDGsの前身であったMDGs(ミレニアム開発目標)から注目されていて、2015年に社長にご就任されたときには既に着眼されていたとのことでした。
また現地でのご経験により、ブラジル人は仕事する時間は日本人より短いが、その時間の生産性が高い(つまり、Live Well)という教訓から3年前に本社でも在宅ワークの制度を取り入れていたので、今回のコロナ禍においてスムーズにステイホーム・モードに入れたようです。前々回の私のブログでお伝えしたように、過去5年間の「健康経営銘柄」において4回も選定されている理由が見えてきますね!
新興国の責任者であったからこそ、西井社長が見えていた味の素の企業価値の創造のポテンシャルがあったと察します。また、新興国の責任者からいきなり本社の経営トップに抜擢されるような人事を日本企業で聞いたことありません。これは味の素の魅力的な「見えない価値」ですね。世代を超える投資を目指すコモンズ30ファンドにとって、とても大切な価値です。
西井社長、お忙しいところ、どうもありがとうございました!
「SDGs投資」のWEBセミナーシリーズは、まだまだ続きます。是非ともご参加ください!
◆7月11日(土)10:00~クラウドクレジット株式会社 代表取締役CEO 杉山智行さんtsumiki証券株式会社 代表取締役COO 仲木威雄さん
◆7月12日(日)13:00~ 認定NPO法人テラ・ルネッサンス創設者 鬼丸昌也さん、株式会社 RICCI EVERYDAY COO 仲本千津さん
◆7月20日(月)19:00~自然電力株式会社 代表取締役 磯野謙さん
2030年のSDGs達成は地球の未来に対する試金石
2020年7月3日金曜日
誰もが一度は耳にされたことがあるフレーズですよね。
また、同社はいち早く「SDGs(Sustainable Development Goalsの略)」に対して本業を通じた達成に取り組みを開始した企業の一つです。
7月2日、社長の西井さまをゲストにお招きし、同社の取組みや西井さまが考える「SDGs」についてお伺いする機会に恵まれました。
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「SDGs投資」21世紀のサスティナブルな投資とは?ゲスト:味の素社長 西井孝明さん
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西井さまは2015年に味の素の社長に就任。ちょうどその年に国連でSDGsが採択されました。
その前のブラジル社長時代、すでにSDGsの前身であるMDGs(ミレニアム開発目標)へも強い関心を持っておられたこともあり、SDGsが採択され自身が社長に就任されたと同時に社を上げてSDGsへの取組みをスタートさせたそうです。
SDGsの17テーマのなかでも、健康と環境に重点的に取り組むと決め、「食と健康の課題解決への貢献によって10億人の健康寿命を延伸させる」ことを掲げました。
また、気候変動(温室効果ガスの削減、水資源の使用量削減)、資源循環型社会構築(プラスチック廃棄物の削減、フードロスの削減)、サスティナブル調達(森林破壊、生物多様性、人権、動物との共生に配慮した原料調達)について、具体的な目標を定めています。
また、こうした取組みによって年間当たり80-100億円に上るリスク対策費用の削減につなげるとしています。
こうしたお話を伺う中で、西井さまはSDGsについて、繰り返し「指標であり、目標、そして経営の根幹にあるもの」とお話しされていました。
また、SDGsが目的・目標であるならば、ESG(環境・社会・企業統治)は手段です。
これまでは、E(環境)とG(企業統治)については見える化が進んできましたが、今回、コロナ禍において、企業のS(社会)への取組みが注目されるようになりました。
同社は、S(社会)への貢献として、“減塩”を重要なテーマとして取り組まれているそうです。
減塩に貢献できる商品の比率を上げていくことで、社会に貢献する。
それは、付加価値の高い商品であることから値段も高いため、同社の経済的なメリットにもつながります。
このような取組みを数値化して、「見える化」を進めているそうです。
また、働き方改革をいち早く進めた同社のガバナンスは、コロナ禍においても注目を集めており、経済産業省が発表している「健康経営銘柄(従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に取り組んでいる企業)」にも4年連続で選出されています。
このコロナ禍においても、健康経営を推進してきたことで、世界にある同社の工場では、罹患者をほとんど出すことなく工場の操業を止めずに済んだとのことでした。
健康経営にいち早く取り組むきっかけになったのも、西井さまのブラジル時代の経験があったとのこと。
非常に生産性の高い働き方をしていることに感銘を受け、社長に就任したタイミングで、効率よく働き甲斐のある会社を目指したいと全社に働きかけ、テレワークの推進や会議・紙の削減などを一つ一つ行ってきたそうです。
こうした甲斐もあり、コロナ禍でもスムーズにテレワークの体制移行が実現できたことは、長期的な競争力に大きく影響していくだろうとおっしゃっていました。
そして、改めて「SDGsは指標であり目標である。本業を通じて達成に貢献していきたい、そして同時に我々も成長していきたい」とおっしゃいました。
最後は「SDGs達成は未来への試金石です」という言葉で締めくくられました。
今回のSDGs投資セミナーは同社の「見えない価値」を実感させていただく貴重な機会となりました。
7月15日は親子の未来を支える会 林さんと話そう
本日7月1日、現代ビジネスに掲載されたこちらの記事をぜひお読みください。
中には、第11回コモンズSEEDCap応援先に決定した NPO法人親子の未来を支える会の林信彦さんのコメントも取り上げられています。
この記事を最初に私に教えてくれたのは、実は当社の社員。
「林さんの活動がより現場に近く感じられる記事でした」と。
今回の最終選考では3人の候補者に対する推薦が過去に類がないほどの接戦でした。
ただそんな中で決め手の一つになったのが、林さんたちの活動に対して、溢れ出る想いが詰まったメッセージが多く集まったこと。
「今回も一つだけ選ぶのは難しいですね
その中で、出産という大事業がかかえるいくつかの問題に気づかせてくださった林先生の活動を選ばせてもらいました
ますますの活動のご発展をお祈りしています」
「子育てや生まれる前からの病気、障害をテーマにされており、その家族を支える活動をされているところに共感しました。産科医という立場からでしかできない、見えない視点での活動を期待しています。」
「子供は未来の宝です。元気に生まれてくる赤ちゃんが一人でも多くなりますようにと思い、林さんの取り組みに賛同したいと思います。」
「生まれる前からの治療への道を開くのに共感します。
今後、医療診断技術が向上するトレンドを考えると、胎児に対してのケア、そして情報提供はすごく大切な事だと考えます。」
「友人が子供を授かり、重度な障害があることがわかりました。彼女はとても強く、それでも産む決心しました。産まれた子は、産まれて間もなく亡くなりました。彼女のように強い人ばかりではないので、もっと力になってもらえるような仕組みが増えると良いと思います。」
など、様々な声をお寄せいただきました。
こういった社会課題を初めて知りましたという声もありました。
林さんの「命」にフォーカスした活動の決意と姿勢に、多くの人々が心動かされました。すべての人が出会う「命」、その「命」と向き合う姿勢を私たちに示唆してくれるその活動に、そして、「命」と向き合うことを決して一人ではさせないとするその活動に、わたしたちは「未来を信じる力」を感じることができました。
この数ヶ月、私たちは、新型コロナの影響によって、経済活動をにブレーキをかけるような、未だかつてない挑戦を世界中でしてきました。
まさに「命」のために。
私たちコモンズ投信はお仲間とみなさんと共に、林さんと親子の未来を支える会のメンバーの方々と一緒に、これからの1年間を過ごすことによって、この「命」に改めて向き合っていけたらと思います。
まずは第一弾、応援先決定記念イベントとして、7月15日にオンライン対談イベントを開催します。
#forgoodお金の未来を考える
with親子の未来を支える会 林さん
with親子の未来を支える会 林さん
~ー(マイナス)1歳のいのちと向き合う~
7月15日(水) 19:00~20:00 (受付開始時間 18:50)
ぜひ皆様のご参加をお待ちしています!
コモンズSEEDCap担当 馬越裕子
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