コモンズ30ファンドを考える(中編)!

コモンズ投信 伊井です。

今年は、まだ梅雨明け前ですが猛暑の夏となりそうですね。
さて、英国のEU離脱の国民投票で世界の金融市場は大きく揺れました。
その為、コモンズ30ファンドを考えるシリーズはこの間お休みしていましたが、本日、中編としてコモンズ30ファンドにおける銘柄選択について解説いたします。

前編では、「不確実な時代でも頼りになるもの」、「世界経済は成長を続けている」、「コモンズ30ファンドで世界の成長を家計に」を説明いたしました。

つまり、政治・経済・金融など不確実な時代でも、世界の成長を享受できる“強い企業”に投資すれば長期的な資産形成につながるということでした。



(中編)

1.投資対象はどれくらいあるのか

英国の問題に限らず、近年、世界の政治・経済は不確実性を増し、株式市場の振幅も増大する傾向にあります。
こうした、先行き不透明な時代において、株価を追い続けてリターンを積み上げることは困難です。

一方で、こうした時代でも、時代の変化に対応し進化し続ける一握りの超優良な強い企業は存在します。
その社数は150社弱と考えていますので上場企業全体の5%弱しかありません。
さらにそこから企業を丹念に調査し、投資委員会でメンバーの全員の同意を経て、最終的には約30社に投資されます。
結果として、上場企業の1%にも満たない厳選された投資先が出来上がります。それでは、以下にその銘柄選択をご説明いたします。

2.長期的な財務データに加えて非財務情報が大切

当社は、足元の業績や株価の変化にとらわれず、独自の長期財務データの分析に加え、長期的な成長を支える非財務情報を大切にしています。

具体的には、『5つの軸』で企業の評価を行い、議論を深めています。

その5つの軸は、「4つの力」と「企業文化」がキーワードになります。
見える価値(財務情報):「収益力」、見えない価値(非財務情報):「競争力」、「経営力」、「対話力」、「企業文化」です。
当社は、特にこの見えない価値の4つを大切しています。
①収益力:健全な財務に基づく、持続的な成長が予想できる。
②競争力:競争力の高い製品・サービスを生み出す仕組みが出来ている。
③経営力:企業家精神にあふれ、決断力に富むトップ、多様性のある経営陣。
④対話力:お客さま、株主、社員など全てのステークホールダーのバランスが意識され、対
話力の高い企業。
⑤企業文化:企業理念・価値観が海外も含む全ての組織に浸透し、商品・サービスを通じてお客さまや社会に貢献している企業。

例えば、この5つの軸に優れ、投資先としても運用開始当初から投資をしている「シスメックス」は15年間、「ユニ・チャーム」は14年間、売上高で過去最高を更新し続けています。

この間には、リーマンショック、東日本大震災、75円までの超円高が含まれています。その都度、株価は下落していますが業績では最高を更新し続けていたわけです。

3.フラットな投資委員会

当社では、長期的な視点での綿密な企業調査を行い、月に2回行われる投資委員会で徹底議論が行われています。
新しい投資案件や残念ながら投資対象から除外する場合は、全員の合意が必要です。
これは、6人のさまざまな専門的な経歴をもつ投資委員会メンバーが企業に対して多様な視点からしっかりと審査することを意味します。
長期投資ファンドでは、もちろん長期保有を前提としていますが、これだけ激しい変化のある時代、世界の長期集中投資のファンドの平均でも、年間に組み入れ企業の10%~20%の社数の入れ替えがあるそうです。
結果として、コモンズ30ファンドでも、この7年間の平均で年間10%の企業が入れ替わっています。

また、こうして銘柄選択された約30社は、概ね均等となるように投資されています。

次回の後編では、コモンズ30ファンドの実績、取り組みについて解説いたします。

お楽しみに!


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