コモンズ30ファンドを考える(後編)!
コモンズ投信 伊井です。この時期になるとコモンズ投信では、「夏休みこども絵画コンクール」が始まります。こどもたちに30年後の自分や30年後の未来を描いていただくのですが、こどもたちの絵が明るく希望に満ちていると心から嬉しくなりますし、その希望が実現しやすい環境を私たち大人は整えていかねばならないと身が引き締まります。
さて、コモンズ30ファンドでは、その30年目線という長期的な視点で企業を選択していますので、不確実な時代においてもその時代を乗り越えていく強い企業が組み入れられます。このコモンズ30ファンドを考えるシリーズでは、前編で「不確実な時代でも人口増加を背景に長期的に世界経済を取り込む」ことを解説し、中編では「その投資対象の選び方」について解説を加えました。後編となる今回は、「約7年半の運用実績と企業との対話」について説明していきます。
夏休みこども絵画コンコールの作品 |
1.安定した資金流入が続いています
長期投資ファンドには、長期的に安定した資金流入が不可欠ですが、おかげさまで当ファンドには、業界トップクラスの安定した資金流入が続いています。①まず、コモンズ30ファンドを直接、当社で購入されている方の約7割の方は毎月の積み立てを利用されています。その結果、②約7年半に相当する89ヵ月の運用期間中、86ヵ月で資金が純流入となっています(証券の税率が上がるタイミングは資金流出でした)。リーマンショックの影響が色濃く残る時期に運用を開始し、東日本大震災やギリシャショック、75円に迫る超円高など厳しい時期を経験してきましたが、長期的な資産形成に取り組まれている方々に運用を支えていただいたと思っています。それぞれの急落時に、通常のファンドのように大きな資金流出が伴っていたら、ポートフォリオは大きく毀損し全体を立て直すのに多くの時間を要することになります。よい運用実績を実現するためには、受益者であるお客さまとの二人三脚が必要なのです。
2.運用実績
当ファンドがスタートした2009年1月から2016年6月末までの当ファンドのパフォーマンスは、マザーファンドベースで+130%と基準価額で約2.3倍になっています。この間のTOPIX(東証一部株価指数)のパフォーマンスに対しても80%近い超過収益が出ています。もちろん、下落している時期もありますが、長期的には安定した成果につながっていると考えています。また、その特色としては株式市場が調整に入ったり、大きく下落しているときに強いという特色があります。例えば、この7年半の運用期間において、月間ベースでのTOPIX(東証一部株価指数)の騰落率のワースト15ヵ月と同じ月の当ファンドの騰落率を比較すると、ワースト15ヵ月のうち14ヵ月でTOPIXの下落よりも当ファンドの下落率が小幅にとどまっています。そして、この15ヵ月のTOPIXの平均騰落率が▲7.59%に対し、同期間の当ファンドは▲5.38%になりました。平均超過収益は2.21%。15ヵ月の累積にすると33.15%の超過収益です。2015年には、過去3年のシャープレシオ(リスクに見合ったリターンを得ているかを示す指標)の評価で、投資信託の評価を行っているR&I社から、NISA部門で優秀ファンド賞もいただきました。
3.企業との対話
お客さまである受益者の皆さんが、当ファンドを上記のような数字でモニターすることも出来ますが、当社では投資先企業と受益者の皆さんでの対話の場を設けています。具体的には、3ヵ月に1回程度、コモンズ30塾と称して投資先企業にお越しいただきワークショップ形式などの対話の場をつくっています。受益者の皆さんからも「とても貴重な機会で、今まで知らなかった企業の一面を見ることができた。」との声を多くいただきます。また、企業側からも「株主総会や個人投資家向けのIRセミナーに比べても多くの気付きを得られる貴重な機会」と喜ばれています。実際に、企業側がその後にいくつかの改善につなげたケースもあります。
こうした対話の場は、なかなか日本全国では出来ませんので、月次のコモンズレターでのレポートや動画などで、皆さんにご報告していきたいと考えています。
4.最後に
当ファンドは、こうした実績以外にも、2010年6月からジュニアNISAを先取りする形で始めたこどもトラストや、直販部分での売り上げの1%程度を社会起業家に寄付をするプログラム=コモンズSEEDCapを展開してきました。いずれも、単なるファンドでの経済的なリターンだけでなく、ファンドを通じていろいろと学べる社会的なリターンも目指したものです。
当ファンドは、外部環境の変化にも強い企業に投資することで①“ハラハラ・ドキドキしない。”積立投資を取り入れることで②“売買のタイミングもほとんど気にしなくてもいい”、短期的な変動はあるけど③“長期的には安定した資産形成を実現”したい。の3つをお客さまに提供していくことを心がけています。つまり、優良な強い企業にお金を預けて、不確実な時代を長期的には乗り越えていくことをお客さまと一緒に実現していきたいと思っています。
引き続き、どうぞよろしくお願い申し上げます!
前編はこちらから
中編はこちらから