対話で共創する株主

おはようございます。渋澤健です。 今週末も台風の影響で天候が乱れましたね。でも、昨日は久しぶりに予定が入っていなかったので、私は家でゆっくりと過ごすことができました。

さて、先週のTV東京のモーニングサテライトで「物言う株主に変化が出てきた」というコーナーでコモンズ投信が取り上げられました。伊井のインタビューやコモンズ投信の対話の取り組みが紹介されているので、下記のアーカイブで是非ご覧ください。

物 言 う 株 主
番組で指摘されているように、確かに「物言う株主」の存在感が再び高まってきている感じがします。

自分自身が「物言う株主」という存在に気づいたのは2000年ぐらいことでした。当時、米大手ヘッジファンドの日本代表を務めていたときに、本社から「面白いファンドマネジャーが日本でいるようなので会ってきてくれ」という指示が入りました。

行先は、マンション部屋をオフィス代わりにしているスタートアップ・ファンド。創業者は村上世彰さんでした。「官僚の立場として価値を高めてくれと企業に言い続けてきたのですが、ちっとも聞いてくれない。これから、株主の立場として物言うようにします」と大きなビジョンを小さな部屋で抱いていらっしゃったのが印象的でした。

その数年後、自分もシブサワ・アンド・カンパニーを創業していて、村上さんが関心をもった某社へ一緒に面会する機会がありました。

その会社の業界の株価が全般的に割安な状態だったと判断されていたので、企業価値のバリューアップのご提案でした。企業価値が高まることは会社にとっても、投資家にとっても、Win-Winのはずでした。しかし、会社側の顔の表情は硬かったです。

「あり方」に、特に相違がなかったと思います。ただ、「やり方」に抵抗感があったのです。

この経験によって、一方的に「物言う」ことより、しっかりと長期的に色々な側面から関係を持って「対話」した方が、双方にとって良いのではないかという考えが芽生えました。これが、その数年後に誕生したコモンズ30ファンドのひとつの起源です。

もうひとつ、コモンズ30ファンドの起源となった体験は、自分自身の長期的なつみたて投資との出会いです。

年次リターンを常に追求する弱肉強食的なヘッジファンド業界に身を置いていた自分を、長期的なつみたて投資へと導いてくれたのは妻と私の間にジュニアたちが誕生したことでした。いつか成人となり、親元を離れて、色々とチャレンジするであろう子供たちの背中をポンと押せる応援資金をつくりたかったのです。

次世代への長期投資は、コモンズ投信の起源です。だから、毎年の10月28日を、私たちは「ジュ・二・ア」の日として盛り上げたいと思っています。

コモンズ投信の、こどもトラスト
親はこどもに、「ちゃんと自分の考え、物言えるようにしなさい」と教えます。ただ、一方的に物言うだけでは友達が増えません。だから、相手の立場や気持ちのことも考えるようにも教えます。やはり「対話」を通じて共に創る「共創」が大事です。

子供たちに教えることを、大人ができないはずありません。

対話を通じて、「今日よりも、よい明日」を共創するCommon Groundに共感するみなさま。ぜひとも、コモンズ投信へお越しください!

10月28日はジュ・ニ・アの日

こんにちは。
こどもトラストセミナーや寄付のしくみを担当しておりますコモンズ投信馬越です。

コモンズ投信がこどもトラストをスタートさせてから7年が経ちました。

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コモンズ投信のこどもトラスト(未成年口座)
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現在、保有して7年目を迎えられたお仲間にアンケートを送らせていただいています。
本日のメールマガジンではその回答を一部ご紹介します。

Q:お子さまのための資産作りにコモンズ投信のこどもトラストを選んだ理由は?

●大学の学費に充てるつもりで。
●10数年にわたって、こどもの名前の口座でコツコツ投資を続けられるから。
●こどもトラストの概念に共感したから。
●社会貢献が見えるファンドであり、積立のメリットがあるから。

共通していたのは、「こどもたちの未来のために、長期的視点で運用をしたい」というお父さま、お母さまの想いでした。
また、中にはおじいさま、おばあさまが背中を押してくださった方も。

Q:投資結果および投資結果以外でも、こどもトラストを選んでよかった点は?

●順調に資産が増えているので満足しています。
●企業を応援する→応援先の企業が社会に役立つ→自分にも資産増で還元できる、といった風に、お金の流れをこどもにわかりやすく説明できるようになりました。
●こどもトラストを通じて、コモンズ投信を知り、投資信託とは何かを学べたこと。
●こどもトラストセミナーに参加することにより、親子でお金とは何かについて学べ、変な遠慮や抵抗なくお金について正しい知識を家族で話せるようになった。
●寄付についても、いつもの生活の一部だと親子で気が付くことが出来た。

こうしてお役に立てていることを大変嬉しく、お返事をいただいては感激しております。
産声をあげたばかりだったコモンズ投信に大切な資金を託してくださったみなさまに、心から感謝しております。
いいこと尽くしのようですが、コモンズ投信が取り扱っているのは、投信信託という金融商品。相場や時代に左右されることも多々あるものです。
だからこそ、中長期の目線でしっかりと企業を選び、対話を通じた価値の共創などにも取り組みながら、託してくださった大切な資(志)金を、お子さまたちの未来のためにしっかりと運用し、お子さまとともにお金や寄付について学ぶ機会もご提供し続けて参りたいと思います。

これからもこどもトラストを通して、お子さんたち、そしてご家族で社会のこと、世界のこと、お金のこと、共に考えて学べる機会の提供に努めて参ります。
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【これからのこどもトラストセミナー】

〇ジュニアの日企画として、今年度SEEDCap応援先の一般社団法人more trees(モア・トゥリーズ)とコラボ企画を開催します。都市と森を繋ぎ、世界と日本を繋ぎ、世代間を繋ぐ活動を展開するmore treesの「特別なつみき」を使ったワークショップです。
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こどもトラストセミナー「隈研吾さんのつみきで街をつくろう!」
with一般社団法人more trees(モア・トゥリーズ)
会場:ウィズダムアカデミー 三鷹・吉祥寺校
10月29日(日)
午前の部 10:00〜11:30
https://www.commons30.jp/seminars/detail/566
午後の部13:00〜14:30
https://www.commons30.jp/seminars/detail/567


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12月は寄付月間。寄付の教室を開催します。
クリスマスもある12月、1年の中でも、誰かのための「贈り物」を考えることの多いこの時期。自分だったらどんな活動をしているところに「贈り物」(寄付)をしたいだろう。
そもそも寄付ってなんだろう?
自らの価値観で応援先を選ぶことの大切さ・楽しさを学ぶ体験型ワークショップです。
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こどもトラストセミナー「寄付の教室」
会場:ウィズダムアカデミー 恵比寿校
12月10日(日)10:00〜13:00 
https://www.commons30.jp/seminars/detail/542



こどもトラストセミナー担当
馬越裕子

長期投資に通じる農耕民族のリスク・テイク

おはようございます。渋澤健です。超大型台風の上陸により、交通網が乱れて予定が狂ったり、災害を被っている地域もあると察しますが、どうかお気をつけてくださいませ。


土曜日は一年ぶりに北海道の十勝を訪れました。前回は大型台風が通過した直後で、自然の大きな力による被害の爪痕が生々しい状態でした。今回は、台風の影響で吹雪の予報もあるようです。まだ、現地では農作物の収穫が終わっていないタイミングなので心配の声も聞こえてきました。

しかし、そこには笑顔もありました。

日本人は「農耕民族」だからリスクが取れない。一方、欧米人は「狩猟民族」だからリスクが取れる。こんなことを、耳にすることがあります。

けれども、農耕民族がリスクを取らないということはウソです。

コモンズとつみたてNISAと金融機関

おはようございます。 渋澤健です。

この度、10月3日のプレスリリースのとおり、2018年からスタートするつみたてNISA対象ファンドとして正式に認定に受けたコモンズ30ファンドは静岡銀行および静岡ティーエム証券、横浜銀行、福岡フィナンシャルグループ(福岡銀行、熊本銀行、親和銀行)での取り扱いが決まりました。

この展開によって、何かコモンズの方針が変わったのか、という問い合わせが時々入るようです。

その方針とは、直販によってコモンズ30ファンドおよびザ・2020ビジョンを私たちの「お仲間」たちへお届けすることだと思いますが、今週に動画でアップされる第二四半期(7~9月)の運用レポートでも伊井がお伝えしているとおりです。

何も変わりません。

コモンズ投信を設立した理由は、世代を超えられる「30年」の目線で、「30社」に厳選投資して、受益者(お仲間)と投資先企業と運用会社(コモンズ)の「対話」を促す長期投資ファンドを世の中に提供し、「今日よりも、よい明日」を目指す「コモン・グラウンド」(共有地)を共に創ることです。

これを、もっとも良い形でお届けするのはダイレクトな直接販売であることは間違いないく、2009年1月の設定来からずっと実行していて、これからも変わることありません。
「コモン・グラウンド」とは会社名の由来でありますので、そのグラウンド・キーパーが不在になるということはありえません。

ただ、コモンズ単独だけでは限りもあります。コモンズが目指している未来を、もっと多くに知ってほしい、もっと多くがコモンズのお仲間に入ってほしい。こう思っています。

私たちが目指すところが「良い」と共感していただく金融機関がいらっしゃるのであれば、パートナーとして「コモン・グラウンド」では歓迎です!これは、伊井と一緒にコモンズ投信を立ち上げた当時から考えていたことでした。全く、変わっていません。

そして、もちろん、今までどおり、直販でコモンズ投信でもつみたてNISAの口座開設ができます!!一滴、一滴の「滴」が共感で寄り集まり、共助によって互いを補い、「大河」を共創する。。。こちらでも、是非ともご検討ください!!

つみたてプランの口座を既にお持ちの方であれば、12月初旬まで
つみたてプランの口座をお持ちの方のであれば、11月初旬まで
口座開設していただければ、来年1月からつみたてNISAで購入が始められます!

月々3万3千円で、年間およそ40万円。これを20年間続ければ、約800万円の元本から得れれる利益が非課税になります。もちろん、株式投資ですから、元本保証はありません。信託報酬は1%以下に抑えていますが、運用コストがかかることも確かです。ただ、20年間、継続していただければ、元本が倍増する可能性もあるでしょう。貯金だけでは可能性がない資産形成です。

ちょっとしたことを、永~く続ければ、良いことに期待できます。わくわく。

お待ちしております!!

寄付と長期投資

こんにちは、伊井です。

皆さまのおかげをもちまして、第9回コモンズ社会起業家フォーラムも沢山の感謝のコメントいただきながら終了することが出来ました。



創業時から続けてきましたこのイベントも輪がどんどん広がっていることを実感しています。改めて、心から感謝申し上げます。

さて、今回、コモンズ投信が考える寄付と長期投資の関係についてご説明しようと思います。

なぜ投資信託の会社であるコモンズ投信が社会起業家を応援しているのか。

それは、「『善い長期資本』を世の中で循環させること」が金融本来の役割であり、それを本業として実践したいと考えているからです。

今年6月に表明した【コモンズ投信の「お客さま本位の業務運営」の実現について】の中で、「私たちが考えるお客さま本位とは、単なる投資に伴う経済的な成果だけではなく、お客さまとの長期的なお付き合いの中で、お客さまの“今日よりもよい明日”を考える希望に寄り添い、少しでもお役に立つことを実践していくこと」、であり、「私たちが考えるお客さまの最善の利益は、経済的な利益だけではなく、その先にある豊かなくらしまでを最善の利益として提供できるように業務に取り組む」と宣言しました。

私たちは、経済的な利益は物的な満足を、社会的な利益は心の満足をもたらすと考えているのです。

また、私が企業の経営者と意見交換をしていると、事業を行い長期的に成長するには安定した社会が不可欠であると意見が一致します。

社会的な課題の多い国では企業の成長が困難であることは想像に難くありません。

そして、最後は、企業と社会の「共通価値」の最大化が大切だとなります。

つまり、企業の持続的な成長と安定した社会は表裏一体であるわけです。

そして、安定した社会の実現は、企業価値の増大や株価の変動の抑制にもつながり結果として、投資家にリターンとして返ってくるはずです。

時々、寄付と長期投資を別々に考える方からは、「寄付をするくらいなら、信託報酬を引き下げるべきだ」との意見もいただきますが、上記の理由から趣旨ご理解いただければ嬉しいです。

このような考えでコモンズ投信は寄付を本業と位置付け、具体的な取り組みとして私たちの収入の一部を社会起業家や障がい者スポーツ団体に寄付し、その活動を応援しています。

まだまだ、当社のこうした取組みは微力かもしれませんが決して無力ではありません。

事実、こうして迎えることのできた9回目の社会起業家フォーラムは、第1回に比べても参加された皆さんのエネルギーとパッションはとても大きくなっていますから。

来年は、いよいよ第10回の記念フォーラムになります。引き続き、当社の寄付の活動をご期待ください!

コモンズ投信株式会社
代表取締役社長 伊井哲朗

感謝!第9回コモンズ社会起業家フォーラム

おはようございます。渋澤健です。

まだ余韻を楽しんでいますが、土曜日に開催した第9回コモンズ社会起業家フォーラムは、すてき話、気づきと出会いで大盛況でした。今年のテーマは、「ミッション」(存在意義)でした。登壇していただいた社会起業家の感動的なスピーチの動画は、近いうちにYou Tubeでアップされますが、取り急ぎ、当日の会場の雰囲気をお届けします。



濱川 明日香&知宏   一般社団法人Earth Company
インドネシア・バリを拠点に、「次の世代に残せる未来」を創出すべく、社会変革を起こす「人」と「団体」を支援・育成しています。
commonsTV7分間スピーチ
 https://www.youtube.com/watch?v=C1tvDaFEurw


小澤 いぶき  NPO法人PIECES
新たな共助のネットワークを作ることで、子どもの育ちと学びの社会化を進め、子どもの孤立が予防され、生き方の選択肢が広がる仕組みを作っています。
commonsTV7分間スピーチ


竹沢 徳剛  株式会社TAKE-Z
オフィスをシェアするだけでなく、子育てもシェアする新しくて古いコミュニティ作り。
commonsTV7分間スピーチ


藤森 香衣   NPO法人C-ribbons
女性に向けたwebでの情報発信と、イベントを実施し、がんサバイバー、支える全ての人たち繋ぎ、垣根を無くします。
commonsTV7分間スピーチ


LGBTやいろんな人と、違いを力に変えながら、違いがあたりまえの未来をつくる。それが僕たちの活動です。
commonsTV7分間スピーチ

第一部を終了してから、来場者同士の「対話タイム」の時間もたっぷり取りました。


会場では、登壇者とフェイス・ツウ・フェイスでお話しができる。これが、通常のセミナーの質疑応答と異なるコモンズ社会起業家フォーラムの特長です。



「対話タイム」を経て、後半へ!


カラフルでプレイフルなアフリカ布を使用したバッグやトラベルグッズを企画・製造・販売する「RICCI EVERYDAY」を主宰。ウガンダに直営工房を持ち、現地の女性たちの雇用創出と自立支援を行います。
commonsTV7分間スピーチ


歴史的、文化的、建築的に貴重な住宅建築(住宅遺産)を保存・活用し、次世代に引き継ぐ活動をしています。
commonsTV7分間スピーチ


漁業を「カッコよくて、稼げて、革新的」な新3K産業に変え、担い手があとをたたないようにするために、地域や職種を超えた漁師集団をつくり活動しています。
commonsTV7分スピーチ
       


白井 智子  NPO法人トイボックス
不登校、ひきこもり等の子どもの支援を通じ、どんな子も自分に合った教育を受けられる社会を目指して活動しています。
commonsTV7分間スピーチ


今回は予定されていた社会起業家のお二人にご不幸があり、急遽、登壇できなくなりました。フォーラムでは初めての出来事でありましたが、心に響くメッセージをお届けいただき、会場で代読することができました。来年の第10回のコモンズ社会起業家フォーラムには是非とも登壇していただきたいと思っています。

ライトハウスは「人身取引のない社会」を目指し、国内の性的搾取を目的とした人身取引問題の解決に取り組んでいます。


門馬 優   NPO法人TEDIC
貧困やネグレクトなど困難な状況におかれる子どもに支援を届けながら、ひとりぼっちのない地域づくりに取り組んでいます。



この9年間、コモンズ投信はおよそ100名の社会起業家とのご縁をいただいております。「今日よりも、良い明日」という社会を共に創るパートナーである彼・彼女らと関係を築くことは、企業の持続的な価値創造への長期投資を受益者から託されている身として重要なミッションであり、コモンズ投信の存在意義です。

長期投資の運用会社は経済的利益を受益者に還元する「機能」だけではなく、「今日よりも、よい明日」を共創する「意味」もなければならない。これがコモンズ投信の信条です。

<バズセッション>日立製作所「本人の意欲」と「上司の期待」


トークセッションに続いて、グループごとに感想や疑問点などを共有し、会場全体でバズセッションを行いました。

会場からの質問 (回答は日立製作所武内様)

- やはり、いざ自分が管理職に推薦されても、やり切れる自信がないという女性が多いと思います。

確かに、管理職につくと仕事量と責任は増えます。しかし同時に裁量権や情報量も増えるので、育児などの自分が抱える時間の制約に対して管理職になることがネガティブにだけ影響するわけではないです。

私の例ではありますが、子どもが1歳のときに復帰し、翌年から管理職につきました。当時、私を推薦してくれた上司に「子どもも小さいし管理職は無理です」と言ったら、「やれると思っているから推薦したのだから、昇格のオファーを断るな」と言われました。
そのとき改めて、やれると思ってくれている、期待してくれている、と認識してお受けすることにしました。

やはり、はじめは女性の、しかも育児をしながらの管理職というものの像というかイメージがわかないです。身近にいる先輩社員が一人でその人が強烈なキャラクターだったりすると、あんな風にはなりたくない、となりますしね。

日立ではグループ全体で、入社3年目の女性社員向けに先輩女性社員の話を聞く機会を設けています。働く女性にとって出産というライフイベントはインパクトが大きいです。そのとき考えても遅い。だから3年目の社員を対象に行っています。

そしてひとりひとりにあった指導が必須であり、今と昔とではマネジメントのやり方も違う。男性管理職のロールモデルだっていないのです。
やり方や世の中が変わって、どこにもでき上がったロールモデルはいないのです。皆で話し合って、人がやっているいいところを取り入れて、よりよい姿に近づいていく努力を続けるということです。


- 産休から戻ったけれど、子どもに後ろ髪を引かれサポート的な仕事でいいと考えてしまう。そんな人をどう説得しているのですか

子育てはいつか終わります。サポート的な仕事だけを10年したあと、自分の仕事のスキルやキャリアがどうなっているか、想像してみてください。
また、例えば日立では育休を最長で3年取れますが、育休を長く取ることのメリット・デメリットをしっかり整理して上司ともよく話しあうこと。
今はそう思っても1年後には変わっているかもしれない。定期的にきちんと確認し合うことが必要だと思っています。

社員が辞めてしまうのは、会社にとって損失。
そのときは先が見えず仕事を辞めるしかないと考えたりしますが、必ず育児の出口は訪れます。説得ではなく本人の意欲と上司(職場)の期待を認識しあうことが重要です。

- 女性の管理職登用に際し、評価制度は変わりましたか

変わっていません。「下駄を履かせる」といって評価制度を変えて女性管理職の人数を増やすという話もよく耳にしますが、日立では、きちんと育成し、仕事を与えてスキルをあげて昇進させるということを実行しています。

- 実施している施策で一番効果的なものは?

ダイバーシティというのは何かをやればすごく進むというタイプのものではありません。複合的な取組みを継続してやり続けることが重要です。

産休・育休取得者を対象とした研修の参加が、本人だけ、上司だけ、パートナーとセットでというのは他社でもよくあると思います。
日立が行っている、「本人と上司セット」で、しかも面談の時間を強制的に設定している。直接の評価者であり必要なアサインメントを与える立場の人と一緒に研修を受けるのはとても効果的だと思っています。

- 取締役に外国人も多い日立では、定年制度をやめる、という話は出ていませんか

いまのところ出ていません。定年は60歳となっています。なかには十分働いたからもう休みたいという人もいますから。延長や再雇用というかたちで希望のある方の95%以上は定年をこえて働いています。


- ダイバーシティというのは反対の意見を言える土壌があることなのだと改めて思いました。

日立のアイデンティティに「和・誠・開拓者精神」があります。
和とは予定調和であることではなく、それぞれの意見を真剣に交わし、しっかり議論して、決まったら皆で一致協力して推進するという意味です。

私はいつでもどこでも言いたいことを言っていますよ。


- ダイバーシティは業績にどんなポジティブな影響がありますか?

よく、ダイバーシティをやると儲かりますか?と、聞かれます。実はBtoCの会社はダイバーシティの取り組みをすることでいい影響が出やすいということがあるのですが、しかし日立はBtoBを中心に展開しているので効果がなかなか見えづらいと思います。それでも、事実として、今後もグローバルで成長していくためにダイバーシティは必要なのです。
意見の多様化によって、新しいビジネスやサービスの発想などが生まれているのも事実です。

渋澤 「やらなかった場合どうだったのか」を考えると違う視界が開けますよね。
今日やって明日結果がどうなるというような短期的な話ではなく、長期かつホリスティック(全体的)なことなのだと私は考えています。

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昨今、「見えない価値」の重要性は今まで以上に高まってきています。
成績表だけ見ていても全体像はわからないということです。

サン=テグジュペリの星の王子様でもキツネが王子様に言います。「一番大切なものは目に見えない」と。
そして今業界で話題の本ですが、ニューヨーク大学の研究でThe End of Accountingという本の中でも「昔は財務情報を見ればその企業のことがほとんどよくわかったけれど、今は財務情報だけでは5割くらいしかその会社の株式の価値はわからない」と書かれています。

コモンズ投信は対話を重ねることで企業の見えない価値、本質的な価値を見出す努力を続けています。
30塾、周年イベント、こどもトラスト、企業見学、そして投資先企業30社と共に取り組んでいるワークショップなどを開催し、この対話の場を、投資先企業・ファンドの受益者(個人投資家)・コモンズ投信との「共創」と位置づけています。
この先も皆さまとの対話を絶やすことなく、目に見えない価値を運用に取り入れていきます。

【コモンズ30塾】日立製作所ダイバーシティへの取組み:最初に戻る

<トークセッション>日立製作所「ダイバーシティを推進するには対話が大事」


<トークセッション>
武内 和子 様 (日立製作所人財統括本部ダイバーシティ推進センタ部長代理)
渋澤 健 (コモンズ投信会長)


渋澤   女性活躍支援からダイバーシティへとシフトしたきっかけは何だったのですか。

武内様  日立は以前、7000億円以上の多額の赤字を計上したことがありました。この時の反省によるところが大きいと思います。もう、かつてのようにモノを効率的に生産するだけでは、世界で戦うことができない。そこで勝ち残るためには多様性が必要だということから、ダイバーシティが経営戦略として掲げられ、現在の取組みにつながっているのです。

渋澤   その気づきは経営トップから?それとも現場から上がってきたのですか。

武内様  もちろん、ダイバーシティを経営戦略に位置付けたのは経営トップの判断です。ただ、それを促した一つの要因は、女性の存在だと思います。2000年以降、女性の採用が増えたため、ダイバーシティの考え方がメジャーになっていきました。かつて日本では女性社員は、子どもができたら会社を辞めるのが当たり前でしたが、そうではない。働いて成果を出したら、それは正当に評価されるべきことですし、それによって昇進もしてもらいたい。そこに男女の違い、国籍の違いは一切関係ありません。

渋澤   武内さんご自身は、働きながらお子様もいらっしゃいます。どういう点で苦労されましたか。

武内様  時間の制約を受けることです。その子どもも今は中学生なので、徐々に親離れしてきましたが、それでも夕飯の準備をしないわけにはいきません。だから、夕方には会社を出なければならず、その時は時間の制約を実感します。あとは、上司が良かれと思って気を回したことが、却って疎外感につながることがありました。たとえば「子育てが大変だろうから、仕事を減らしておいたよ」というケースですね。正直なところ、これを言われてしまうと、意欲が低下してしまいます。こんな状況が延々と続いたら、子育てが終わる頃には、仕事のスキルが無くなってしまいます。

渋澤   そのギャップをどうやって埋めれば良いのでしょう。

武内様  結局は対話だと思います。上司は部下に、期待していることをしっかり伝えるべきですし、逆に部下は子育てによる制約事項が何かを、きちんと上司に伝える必要があります。これは子育てだけではなく、介護についても言えることです。要するに、上司と部下の間で認識を合わせることが大事だと思います。


渋澤   育休に入ってから、職場復帰するまでのケアはどういうものがあるのですか。

武内様  産休・育休前に、上司と一緒に参加する研修があります。で、育休に入ってからは、やはり会社との連絡が途切れると不安になるので、上司はメールでも電話でも良いので、常に連絡を取ることです。別に仕事の内容を話す必要はありません。「最近、どう?」というだけでも良いのです。それが育休に入っている社員の不安感を払しょくすることにつながります。あと、職場に復帰する時は面談シートに基づいて、上司と面談をします。ここで、仕事をするうえでどういう制約があるのかなど、認識を合わせる作業を行います。

渋澤   女性の活躍については、経営者レベルでは理解が進んでいると思いますが、どうご覧になられますか。

武内様  そうですね。バブル世代よりも若い人たちからすれば、女性が働くことに対する違和感は、ほぼゼロといっても良いでしょう。バブル世代よりも上の年齢層になると、逆に専業主婦が多いと思います。これは育休の整備が、昔は進んでいなかったからだと思います。育休制度を導入した企業は、1990年代からで、それまでは産休しか認められていませんでした。さすがに、産休だけで職場復帰となると、なかなか職場復帰は難しいと思います。産休だと、子どもが生まれてから2カ月間だけですからね。まだ首も座っていない子どもを誰かに預けて働けるかというと、それは私でも無理だったと思います。だから、バブル世代よりも上の年齢層の女性は、会社を辞めて専業主婦の道を選ばざるを得なかったのです。

渋澤   今の働き方改革については、労働時間を短くしようというのが中心になっていますが、どうお考えですか。

武内様  日本人の労働時間は総じて長いので、それを短くするのは良いことだと思います。あと、今は時間的制約がある人と、ない人の対立構造になっていると思うのですが、そうではなく、皆が労働時間を短くしてしまえば良いのです。そのなかで成果を出せば良い。だから、まずは労働時間を短くする。そして、日立では労働時間が短くなった分、何か他のことに使って欲しいと考えています。早く帰れるのだから、新しい経験にチャレンジするのは、人生を豊かなものにしてくれます。別に会社に還元しなくても良いのです。自分自身で次の転換につながるものを掴める何かをしてもらいたいと思います。

渋澤   ありがとうございました。

次のページ:<バズセッション>日立製作所「本人の意欲」と「上司の期待」

<講演抄録>日立製作所「経営戦略としてのダイバーシティ推進~成熟社会だからこそ求められる多様性」

コモンズ30ファンドの投資先企業をお招きし、定期的に開催している「コモンズ30塾」。今回は、ダイバーシティをテーマにして、日立製作所の取組みについてお話いただきました。
カリキュラムの内容は、コモンズ投信会長渋澤健による開会の挨拶から始まり、運用部シニアアナリストの末山仁から、「5つの軸」と「コモンズの視点」について説明させていただきました。5つの軸とは、「収益力」「競争力」「経営力」「対話力」「企業文化」のことで、コモンズ投信が投資先企業を選ぶ時に、常に重視していることです。
そして、今回のメインテーマであるダイバーシティへの取組みについて、日立製作所人財統括本部ダイバーシティ推進センタ部長代理の武内和子さんが登壇。渋澤健とのトークセッションを挟んで、参加していただいた方からも時間いっぱいまで、たくさんの質問を頂戴しました。その内容をまとめました。
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日立製作所
人財統括本部ダイバーシティ推進センタ部長代理 武内 和子 様
「経営戦略としてのダイバーシティ推進~成熟社会だからこそ求められる多様性」

日立製作所の創業は1910年ですから、すでに100年企業としての歴史を積み重ねてきました。
恐らく、皆さんのイメージとしては、家電メーカーだと思いますが、実はセグメント別に見ると、家電は売上全体の6%に過ぎません。最も大きなのは情報・通信システムの20%、社会・産業システムの23%で、この2つのセグメントで売上の43%を占めています。また、2016年度の連結ベースの売上は9兆1622億円、会社数864社、従業員30万3000人で、売上全体に占める海外比率は48%です。これらの数字を見てもお分かりいただけるように、世界中でビジネスを展開している大企業です。

さて、その日立製作所がなぜ今、ダイバーシティなのでしょうか。それは、経済構造が大きく変わってきたからです。
1980年代までの日本経済は右肩上がりで成長していました。作ったモノが作っただけ売れる時代で、生産効率を上げるために、「モノカルチャー」、「同質」な環境でモノを大量に作りました。それが事業の強みだったのです。
でも、今は日本経済の成長も止まり、企業は成長を求めて海外に積極展開しています。海外市場は変化が激しく、同質のモノばかり作っていたら、立ちどころに売上は低迷してしまいます。また海外展開を行うなかで、日立グループ全体で従業員の多国籍化が進んでまいりました。こうした人財をマネジメントしていくうえでも、多様性を強みに変える必要があります。つまりダイバーシティは、日立グループが変化の激しいグローバル競争の中、成長していくための経営戦略なのです。

日立製作所のダイバーシティは、女性活躍支援からスタートしました。1990年代のことです。女性の採用数拡大にともない、仕事と家庭の両立支援をはじめ、女性が職場で活躍できるような環境を整えることから、社員の意識改革を進めていったのです。
2006年には「ダイバーシティ推進プロジェクト」が活動を開始し、2009年に「ダイバーシティ推進センタ」を設立。長時間残業削減やメリハリのある働き方推進など、働き方の見直しが行われました。それと同時に、女性活躍支援の強化が検討されました。
そして2012年からは、いよいよ経営戦略としてのダイバーシティ推進を掲げ、女性のキャリア形成支援強化が推進されると共に、ダイバーシティに関する経営トップのコミットメント強化や、政府の働き方改革に合わせて、タイム&ロケーションフリーワークの推進、仕事と生活双方の質を高めるための取組みなどを、まさに今、行っています。

このように、多様な人財を活用していくため、制度や仕組みを作ってきたわけですが、本当のダイバーシティを実現させるには、これだけでは不十分です。大事なことは、多様な人財が、自分の能力を思う存分発揮できる環境をつくることです。そのためには、経営トップから多様化を図っていく必要があります。現在、日立製作所には13人の取締役がいますが、このうち9人が社外取締役であり、さらにこの9人のうち5人が外国人、2人が女性です。
こうして経営トップに多様性を導入すると同時に、多様な人財が活躍できる柔軟な働き方を実現させるため、人財マネジメントシステムの転換も行っています。具体的には、メンバーシップ型雇用システムから、ジョブ型雇用システムへの転換です。
日本企業の雇用システムは、終身雇用制だったことからもイメージできると思いますが、一種のメンバーシップです。メンバーとして会社に入っていただき、いるメンバーに仕事を割り振っていくのが、これまでの雇用システムでした。
これに対して今の日立製作所は、仕事に人を割り当てています。やるべき仕事に適した人を配置するのです。そうすることによって働き方の多様化、柔軟化をはかり、公正かつ透明な評価・処遇を実現しています。
そのうえで、人財ミックスの促進ということで、日本企業における少数派の人々、つまり外国人、高齢者、障がい者、女性、LGBTの方々が働きやすい環境整備を進めています。

「つみたてNISA」で資産づくり始めませんか?

本日(10月2日)、「コモンズ30ファンド」がつみたてNISA対象商品として正式に認定を受けましたのでご報告申し上げます。また、コモンズ投信では、2018年1月よりスタートする「つみたてNISA」制度の口座受付を本日より開始いたします。

■つみたてNISA制度に対する想い
この度「つみたてNISA」対象商品として認定されたコモンズ30ファンドは、当社の創業の想いを詰め込んだ商品として、2009年1月より運用を開始しました。それまで国内では殆どみられなかった本格的な長期投資ファンドにより、お客さまの長期的な資産形成に強くコミットメントすることで、お客さまの「今日よりも、よい明日」を考える希望に寄り添いたいとの想いからです。
こうして地道に続けてきた取り組みが評価されたことは、とても嬉しく思っています(日本には約4500本のアクティブファンドがありますが、今回、現時点で対象商品に認定されたのはわずか13本です)。
私たちは、今回の対象商品認定を受けても、何らこれまでの取り組み姿勢を変えることはありません。これまでも、これからも創業の想いを大切に、「お客さま本位の業務運営」で表明した通り、自身がお客さまであったら「こうして欲しいな」と思うサービスを常に心がけ、「今日よりも、よい明日」を考える長期的な資産形成を応援するサービスにこだわり続けて参ります。
今後とも、どうぞよろしくお願い申し上げます。

代表取締役社長 伊井哲朗

■つみたてNISAとは
平成29年度税制改正により、家計による少額からの長期・積立・分散投資を税制面から促進するため、2018年1月より「つみたてNISA」が開始されます。


■制度概要
つみたてNISAの制度概要についてはこちらをご覧ください。


■つみたてNISA口座申込方法
NISA口座の開設にあたっては、コモンズ投信を通じて税務署への申請手続きが必要です。
≪コモンズ投信に口座をお持ちでない方≫
コモンズ投信で口座開設および「つみたてNISA」でのお取引を希望されるお客さまは、
口座開設の際につみたてNISAをご選択ください。11月初旬までに「つみたてNISA」の
お手続きが完了すると、来年1月から「つみたてNISA」にて購入が可能となります。
≪コモンズ投信に口座をお持ちの方≫
「つみたてNISA」でのお取引を希望されるお客さまは、コールセンターまで手続き書類を
ご請求ください。
来年1月から「つみたてNISA」にて購入するには、
 ○ つみたてプランをご利用中のお客さま:  12月初旬まで
 ○ つみたてプランをご利用でないお客さま: 11月初旬までに書類の到着が必要です。
お手続きが完了すると、来年1月から「つみたてNISA」にて購入が可能となります。

----- ご注意 -----
既にNISAをご利用のお客さまは、同一年内(例2018年)に「つみたてNISA」との併用や年の途中での切替えが行えないため、「つみたてNISA」をご希望される場合は、12月初旬までに書類の到着が必要です。お早目にお切替えの書類をご請求ください。

マイク一本からの希望

おはようございます。渋澤健です。

マイク一本。パワポのプレゼンなし。そして、与えられた時間はたった7分。


これだけのリレートークです。が、間違いないく、今年もたくさんの感動が期待できます!

いよいよ、今度の土曜日、10月7日の午後に第9回コモンズ社会起業家フォーラムが開催されます。

社会起業家とは、何か社会的課題を目にしたときに、誰かが何とかしてくれれば良いなぁと思うに留まらず、今、自分に何ができるかを考え、動き始めて、旗を振って他を動員し、課題解決へと踏み出したまさにコトを起こす精鋭のことです。コモンズ投信にとって、「今日よりもよい明日」を共創する大切なパートナーです。

これからの数週間、日本全国で数多くの政治家やコメンテーターがマイクを通じて長々と話をします。しかし、現在の政治に国難突破の期待、あるいは新しい政治への希望も、私は持てません。

国の運営から比べると、もとて小さなことです。しかし、コモンズ社会起業家フォーラムという「滴」のマイク一本から発せられる想いやメッセージに希望を持てます。民のため、民により、難を突破する志を感じて勇気づけられます。

毎年、私を含め大勢の来場者に色々な気づきや感動を提供してきたフォーラムですが、今年のスピーカーラインナップも、本当に素晴らしい方々です。


社会起業家フォーラムの会場は、とても心地よいステキなエネルギーが循環し、コモンズ投信のソウル(魂)が宿るコモン・グラウンドになります。このようなイベントを設ける投信会社は日本、もしかすると、世界でも他にありません。

是非ともご参加ください!お待ちしております~(^^♪