老舗企業の変革~魚谷イズムがもたらしたもの~

こんにちは、福本です。
2月7日、好決算ニュースが飛び込んできました。
「資生堂、初の売上高1兆円突破、2020年の売上目標を3年前倒しで達成」。

コモンズ30ファンドの投資先企業で、140年以上の歴史を持つ老舗企業の資生堂


2014年の魚谷社長就任後、マーケティング投資を強化しつつ、権限委譲を含めた構造改革を断行、コスト構造も大きく改善させた結果、売上、営業利益(本業の利益)ともに過去最高を記録したのです。まさに魚谷イズムが結実した結果と言えるでしょう。

企業価値を現す株価は昨年以降こうした改革の成果を織り込む形で上昇を続け、足元でも過去最高値水準を維持しています。

改めて、この資生堂の強さを、コモンズ30ファンドの5つの軸(※)に沿って、アナリストの末山に解説してもらいました。

※5つの軸・・コモン30ファンド選定プロセスにおける評価軸。4つの力、「収益力」「競争力」「経営力」「対話力」と「企業文化」で構成される。特に、長期持続的成長力を評価する上では、収益力以外の「非財務情報=見えない価値」を重視している。
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【収益力】
2017年度の売上高は初の1兆円突破。中長期戦略「VISION 2020」の売上目標を3年も前倒しで達成。
増収率は2割に迫る勢いで、営業利益は前年の2倍、営業利益率は8%に到達し、稼ぐ力が急速に向上。
売上・利益の成長牽引エリアは日本、中国、トラベルリテール(日本除く全世界の免税店)。
注力しているプレステージブランド(デパートや化粧品専門店を中心にカウンセリングを通じて販売している、付加価値の高い高価格帯化粧品)がグローバルで柱として成長。
営業利益率2ケタを目指す。

【競争力】
4つのブランド軸(プレステージ、コスメティックス、パーソナルケア、プロフェッショナル)と6つの地域軸(日本、中国、アジア、米州、欧州、トラベルリテール)のグローバル・マトリクス体制で、グローバルな巨大化粧品メーカーを相手に、ブランドの選択と集中の徹底により効率的なマーケティング投資でブランドを強化し、シェア拡大を狙う。
本社と販社の一本化で販売力を強化。

【経営力】
日本コカ・コーラの社長・会長を歴任した魚谷氏が2014年4月に社長就任。
取締役7名のうち社外取締役は4名。社外取締役のうち2名は女性。
魚谷氏を除くグローバル6地域のトップは日本人2名、フランス人4名の構成。
魚谷社長は権限移譲を含めたスピード感と実行力で資生堂を牽引。
魚谷社長就任後のボトムアップ経営改革のキャッチフレーズは「動け、資生堂。」。

【対話力】
資生堂がめざしている「美しさを通じて人々が幸せになるサステナブルな社会の実現」には、一人ひとりのお客さま、そのお客さまが属している社会、人々の暮らしを支えている地球環境がすべて持続可能であることが重要であると定義している。
「Person(お客さま)」「Community(社会)」「Planet(地球環境)」をサステナビリティ戦略の重点領域と定め、これらの領域から事業への影響と社会からの期待という観点で重要項目を抽出し、例えば「バングラデシュにおける女性活躍支援」など、様々な活動につなげている。
魚谷社長は“現場の声”を重視し、従業員6万5千人(延べ)と対話を実施。

【企業文化】
「一瞬も一生も美しく」。
単に化粧品を売るのではなく、顧客の「最高の美しさ」を実現し、更に「心の豊かさ」までもフォローする企業文化を持っている。
「お客様起点」のおもてなしで勝負。2018年秋から社内英語公用語化実施予定で、社員1700人が英語学習中。
アクティブな女性応援の一環で陸上競技やゴルフなどのスポーツに力を入れている。
女性管理職比率はグローバルで69%。
MSCI日本株女性活躍指数の性別多様性スコア(女性が活躍できる労働環境を推進する前向きな政策及びプロブラムのあらわれをスコア化)でNO.1。
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また、末山は、今後の資生堂について、魚谷イズムを更に加速し、10年後にはグローバルでトップを争うような日本発の化粧品メーカーになれるよう期待しているとのことでした。

この魚谷社長をお招きした周年イベントがいよいよ迫って参りました。
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コモンズ投信9周年!
各ファンドの運用報告、資生堂社長の基調講演など!コモンズフェスタ開催
2018年3月10日(土)10時半~18時@コングレスクエア中野
https://www.commons30.jp/9th/
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老舗企業でありながら、社長交代をきっかけに多くの変革に取組み、大きく変化、再び持続的な成長のステージに戻ってきた資生堂。コモンズ流で、その魅力に大いに迫りたいと思っています。

満席となりましたら募集を終了いたします。ぜひ、お早めにお申込ください!
https://www.commons30.jp/9th/

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