つみたて投資はアクティブに!

おはようございます。渋澤健です。

日曜日の日経新聞によると、つみたて投資への関心が広まってきているようです。特に若い現役世代が長期的にコツコツと積み立てる株式投資を始めていることは、日本社会が良い方向へと動き始めている歓迎すべき良い傾向です。

投資信託は、今まで株式投資と接点がなかった方々のエントリーとして適格な選択肢です。若いうちから長期的に日常のプチ余裕資金を積み立てる日常的な習慣が、将来の余裕資産の形成へとつながります。


ただ、恐らく、ほとんどがインデックス投資へと向かっているのではないかと推測しています。これは、インデックス・ファンドの方が信託報酬も安いし、株式投資を始めたばかりで良くわからないから、「とりあえず」というデフォルトになっているからです。販売している金融機関側も、表面的な説明だけで済ませたいとう傾向があると思います。

ただ、表面をなぞるのではなく、投資の本質をちょっと考えてみれば、インデックス投資というパシッブ運用が日本株式投資に適しているとは必ずしも断言できないはずです。

日本生産本部「労働生産性の国際比較 2017年版」によると、日本の1時間当たり労働生産は購買力平価換算USドルで46ドルに比べて、米国は70ドルです。なんとイタリア(54ドル)より日本の生産性が低いんです。(イタリア人の皆さん、ごめんなさい。)

また一人当たり当期利益を比べてみると、たとえば、同じ重電機製造業部門ではGEは3万ドル、シーメンズは1.8万ドルと比べて、日本の三菱重工は1万ドルで日立は7千ドル、という差がついています。これが、S&P500など米インデックスで関与度が高いアップル(39.3万ドル)、グーグル(27万ドル)などと比べれば桁違いです。

10年前にアップルやグーグルはS&P500の上位10銘柄にランクインしていなかった会社です。生産性に支えられた、凄まじい成長です。

一方、TOPIX(東商一部)の時価総額トップ企業は現在でも、10年前でもトヨタ自動車であり、銀行が10年前も現在でも3行が上位10社にランクインしています。(10年前にランクインしていたみずほフィナンシャルが落ちて、現在はゆうちょ銀行がランクイン)。トヨタ自動車は日本企業では別格の存在かもしれませんが、金融機関の生産性が高いとは到底言えません。

そう考えると日本株式の投資信託を選ぶときに、
・信託報酬が安いから、
・日経225やTOPIXという株式指数を見慣れているから、
・米国の経験を元にした学術的論文がそう書いてあるから、
ということだけを理由に、むやみにインデックス投資を選ぶことに投資の本質の魅力があるのでしょうか。

マクロ的なデータから明らかなのは、生産性が低い、成長が見込めない会社が日本では残念ながら多いということが示されています。ということは、日経225のような「平均」的な指数、TOPIXのような「総額」的な指数に投資すれば、生産性が低くて成長が期待できない多くの会社に投資していることになります。

でも、全ての会社がそうではありません。「平均」や「総額」だけでは見えていない優良企業も日本に存在しています。

やはり、生産性などを意識して、常に新しい事業環境に対応して「進化」できる日本企業に投資して、応援したいですよね。

もちろん、外国株への投資もありです。しかし、株式投資のビギナーにはホームマーケットである日本で、世界との競争に努めている日本企業を投資を通じて応援することに意味があると思います。 

つみたてNISAの対象ファンドとなっているコモンズ30ファンドは、まさに、持続的な価値創造の可能性が高い企業への投資を厳選し、また、対話を通じて応援しています。

特にコモンズ30ファンドは投資先の企業との対話を通じて、非財務的な「見えない価値」の可視化に努めています。タイミングを計って銘柄を忙しく入れ替えることだけがアクティブ運用ではありません。厳選した投資先企業とじっくりとエンゲージメントすることもアクティブ運用です。

そのコモンズ流の対話をぜひとも3月10日(土)に開催する9周年COMMONS FESTAにご参加いただき、体験してください。未来を創る私のアクション。これこそが、つみたて投資のアクティブ運用です!