こどもたちの未来に、私たちが今、できること。

2015年10月28日(ジュ・ニ・ア)「こども投資デー」に寄せて


一人ひとりの日本人の「今日よりも、よい明日」という幸せな未来を築くために、世代を超えられる投資があるはずだ。

このような想いを実現させるために設立されたコモンズ投信は2012年に経営者など民間の有識者に呼びかけて、「次世代育成の資金循環を考える委員会」を結成しました。
そして、議論を重ね、秋口に当時の民主党政権の国家戦略大臣へ下記の3つを提言しました。






提言1.
教育費積立と長期産業資本の促進のための税制措置:英国ジュニアISAや米国529プラン の日本での導入。

提言2.
世代間の資産移転の拡大のための税制措置:教育資金に関して、贈与税の非課税控除額を拡大。

提言3.
対話を通じた実感ある金融教育:企業や投資を通して見えてくる社会との対話により、実感ある金融教育の実現。

我々の提言に大臣は賛同し、事が進みそうでしたが、同年の冬に自民党政権へ交代します。

三年間の年月を経て、超党の国家政策としてジュニアNISA制度が来年から発足することは、大変感慨深いです。

ぜひ、こどもたちの未来に備えたいと思う家庭に活用していただきたい制度です。

制度設計の基本である年間投資上限金額は80 万円、譲渡益や配当金・分配金が非課税となり、18歳までは原則として払出しを行わないという三つの原則は高く評価しています。
コモンズ投信は引き続き自社の直接販売を通じてはもちろんのこと、地域金融機関など私たちのビジョンに賛同してくださるパートナーとも手を組んで、ジュニアNISAを全国に広めることに邁進して参ります。

ジュニアNISAが国民にとって、よりわかりやすくて使い勝手が良い制度として全国の家庭に広まる
との期待が高いだけに設計の改正も求めます。投資可能期間は2023年までで、非課税期間を5年間と限定しているため、複雑な制度設計になっている側面も否定できません。
5年という短期的な非課税期間および限定付き投資可能期間を撤廃して、19歳未満まで非課税と定める改正により制度の理解と実践を簡単にする重要性について政策関係者との対話に務めます。

次世代育成・世代間の資産移転を促進する税制度を政府が措置する前でもコモンズ投信は、民間からできることは民間からやってみようという試みで、2010年6月から未成年口座開設者に「こどもトラスト」という非課税分を想定した額をファンドとしてプレゼントするプログラムを設けました。
コモンズ30ファンドの直接販売口座数の16%以上が未成年であるという実績は、全国の家庭から高い評価をいただいたプログラムであると自負しています。

こどもトラストは、ジュニアNISAが始まるまでの「つなぎ役」という位置付けだったので、新規のプレゼントは今年の12月をもって終了します。しかし、お子さまの将来のための資産を育むというこどもトラストの精神をしっかりと引き継ぎ、社会・仕事・お金の教育セミナープログラムはNPO、地域金融機関などとの協働によりレベル・アップすることに務めます。

「今日よりも、よい明日」は、一人ひとりの想いから始まります。幸せな未来をコモンズ投信と共に育むことに共感される方々は、ぜひ、色々な側面でご一緒させてください。

これから末永くどうぞよろしくお願いいたします。

今回、このメッセージを発表するに当たり、多くの識者の方からも声をお寄せいただきました。
ぜひこちらもご覧下さい。




コモンズ投信 会長 渋澤 健