金融政策のゴジラ出現のリスク
おはようございます。渋澤健です。お盆休みでごゆっくりされた方々も多いと思います。私は、夏休みの初日の最初のアクティビティは「シン・ゴジラ」を鑑賞することでした(笑)!
面白かった~!
この映画は、私のように子供の時にゴジラを楽しんだ大人向けの映画ですね。こんな日本社会を作ってしまった大人たち。不都合な事実をなかなか認めようとしない大人たち。様々なルールや秩序によって自ら手を縛って身動きができない大人たち。痛烈なメッセージが満載です。
でも、そんな最悪な状況の中、日本を救ったのは、ワカモノ、バカモノ、ソトモノです。そして、スクラップ&ビルドによって新しい未来が拓けてくる。そのような希望も与えてくれます。
今日は、終戦記念日です。75年ぐらい前に戦争を始め、その悲劇を深めたのも大人でした。不都合な事実を認めなく、一旦決定しまったことには、どんなに死者・負傷者が増えようが方針を変えることができない大人たちです。
日本人は、
「意思決定まで時間がかかるかもしれない。けれども、一旦決めれば猛烈に事を成し遂げる。」
と昔から良く聞かされていました。確かに、そのような側面あります。でも、これはかなり美化している特長かもしれません。
なぜなら、負の側面もあるからです。一旦、意思決定してしまうと、恥の文化ですから、どれほど環境の風向きが変わろうと、想定外の事態を被っても、決めたことを変えることしない。このような弊害もあります。外部要因からスクラップされることがあっても、内部からスクラップすることができないのです。つまり、日本人の「がんばる」ことは危険性も潜んでいるんです。
これは過去の戦争の話だけではなく、現在の日本社会でも起こっています。今日、掲載された日本経済新聞の私のコラムで問題提起をしましたので、よろしければご笑覧ください。
これは、批判ではなく、あくまでも建設的な議論のために書きました。日本銀行の内部でも同じような懸念を抱える方々もいらっしゃると思います。ただ、内部の空気を読むとなかなか発言しづらいところもあるのではないでしょうか。
では、そのような状況で一般個人は、何をすれば良いのか。
まず、自分の将来の全てを「元本保証」と思われている現金に積み立てることはリスク(「危険」という意味ではなく、「不確実性」)が高まっているということを認識していただきたいです。異次元のマネー政策ですから、マネーの価値の不確実性が高まるということは当たり前ですね。金融政策のゴジラが現れるかもしれないのです。
リスクが高まる中、基本中の基本はリスク分散です。
マネーの価値保全機能にリスクが高まるのであれば、やはり、資産は「成長」、つまり価値創造へ分散すべきだと思います。コモンズ30ファンドが目指す世界の成長と共に持続的な価値創造の可能性が高い企業への長期投資は、その分散の手段のひとつです。
ただ、企業の市場価格である株価が上がるか、下がるかということに目を奪われる日本人が少なくないことが残念です。