残業ゼロ!を目指す!~~コモンズ30塾 投資先企業 ベネッセHDから学ぶ第3弾~

コモンズ30ファンドの投資先企業の一社であるベネッセホールディングス
同社の人事担当本部長 CHO 兼 ワークライフマネジメント・ダイバーシティ推進室長の岡田晴奈氏をお迎えして、7月1日開催したコモンズ30塾「女性の活躍セミナー」。
本日はそのブログ第3弾。(第一弾はこちら第2弾はこちらからご覧ください)。

セミナーの最後に、弊社の運用チームからもご質問させていただきました。
「社員への取り組みということでお話を聞かせていただきました。
赤ペン先生は社員ではないと思うのですが、企業文化が伝わっていますか?」


「男性の育休の取得率が5割でとどまっているのはなぜですか?
残業ゼロを目指されているので、育休をとらずとも足りているということなのか?
それとも他社と同じようにまだまだ難しい点があるのか?」

「(女性の活躍推進について)足元からこの先の課題、取り組まれようとされていることを教えてください」

岡田氏は赤ペン先生について、こうご説明くださいました。
「進研ゼミの発足の時から、赤ペン先生は商品の軸。赤ペン先生をいかに組織化するかがポイントとされていました。創業社長の福武が、有能な専業主婦が当時に家にいるだけだったのを優遇資産と考えました。教育という場面は戦後ずっと平等できているのだから、それなりに学力の高い方でも社会に出ていないという状況があったからです。そこで、赤ペン先生になっていただくことで、活躍していただける。他人のお子さんであっても毎回たくさんのいろんな質問が寄せられらる中で、そういった質問に答えることをやりがいと思ってくださる方が多く、赤ペン先生が広まりました。
決して、効率のいいお仕事ではなく、大変なお仕事なのに、やってくださる方がたくさんいた、そのことはお金よりもやりがいの方を大事にしたということではないかと思います。」

育休に関しては、逆に会場にいる男性陣に岡田氏から質問がありました。
「男性が育休をとれないのは、男性自身のマインドの中にある壁が、結構高いのではないでしょうか」と。そしてこんなエピソードをご紹介してくださいました。

岡田氏は、男性育休取得者第一号を生み出すために、男性の実家の父親に電話をしたといいます。
父親の中にも「男性たるもの、1か月も家にいたら会社の席がなくなってしまうのではないか?」という考えがあり、岡田氏が「大変有能な方だらこそ、ベネッセで長くがんばってほしいということで、是非育児休暇を取得させてください」とまずは父親から説得したといいます。

ベネッセとはラテン語で「よく生きる」ということ。
この「よく生きる」という企業理念は、社員ひとりひとりの生活がよりよいものになっていくことで、よりよい仕事に繋がっていくという考えのもとにあります。

ベネッセグループは以下のことを行動指針としています。
人を軸とし、グローバルに活動する企業グループであること。
自分たち、一人ひとりの行動そのものが「Benesse =よく生きる」の実現に繋がること、
企業人である前によき市民・よき社会人であるべきことを自覚し、この行動指針に則って行動すること。

またこれからの課題としては、本来男も女もなく、ひとりひとりが自分らしくよく生きていくための施策のひとつとして、「残業ゼロ!」を掲げています。
まだまだ壁が高いと岡田氏。会議の在り方、資料のつくり方などもっと踏み込んだ施策をしないとゼロにはならないと、その言葉からは、着実に歩を進めていこうという岡田氏の強い志が感じられました。

セミナーに参加した方からの感想の声を下記にご紹介いたします。

〇実際に投資先企業さんの企業理念や想い入れなど生の声を聞くことができて、透明感を感じることができた。グループワークもあり、いろいろな方面からの意見や考えが飛び交い、視野が広がった。20代 女性

〇会社がいきていく上で「人」とは切ってもきれない関係なんだなと感じました。企業価値というものを改めて考えさせられました。20代 女性

また岡田氏ご自身にも参加者よりたくさんのメッセージが届きました。

「こどものころからベネッセという名前とは関わりをもってきましたが、企業理念について改めておはなしをきくことができてよかったです。私自身も一働く女性としてどう生きていくべきか考えたいと思いました。」

先日発表された厚生労働省の雇用均等基本調査によると、昨年度の女性管理職比率は11.9%と前回調査(13年度)を2.8ポイント上回り、過去最高となったとのこと。女性管理職育成への取り組みを着実にすすめてきた企業では、その成果が数字となって表れてきているそうです。
一方で、グローバルにみると日本の女性活躍はまだまだ遅れをとっており、世界経済フォーラムが発表する、男女格差を測る「ジェンダー・ギャップ指数」で日本は145カ国中101位。経済分野では106位にとどまっています。女性だけに偏りがちな家事・育児負担、柔軟な働き方を実践しにくい風土、何より長時間労働を是とする働き方が日本の女性活躍を阻んでいると指摘されています。
ここから先、女性も男性も、真に活躍できる社会を作るには、社会全体で働き方にどう変化をもたらしていけるのか。

ご参加いただいたみなさま、共に「見えない価値」をお探しくださいまして、ありがとうございました!
ぜひ、ベネッセHDコモンズ30ファンドのの今後にもご注目ください!

岡田さま、素晴らしいお話、誠にありがとうございました。

マーケティング部馬越