寄付月間2018特集 企業の寄付の取り組み【森永乳業編】 


こんにちは コモンズ投信 寄付のしくみ担当の馬越です。

今月は寄付月間
こちらは、コモンズ30ファンドの投資先をはじめ、企業での寄付の取り組みについて、寄付月間共同事務局の仲間たちと取材し、ご紹介していくシリーズです。
*前回は資生堂の花椿基金をご紹介しました。
今回は森永乳業森乳スマイルクラブについてのレポートを寄付月間共同事務局メンバー、トビタテ留学ジャパン木勢さんよりお届けいただきます。


~森乳スマイル倶楽部・森永乳業~

寄付月間共同事務局の木勢です。
組織の中で管理職の方をはじめ、「組織の風通しをもっとよくしたい・・・」、「意欲的に働く人を増やしたい・・・」といった悩みを抱えていませんか。
もしかすると、寄付がその解決の糸口につながるかもしれない。そんな気持ちを抱いたのが、森永乳業株式会社でのインタビューでした。私と同じく寄付月間共同事務局のコモンズ投信 馬越さんと訪問しました!


森永乳業では、「森乳スマイル倶楽部」と呼ばれる、従業員の自発性に基づいた寄付活動を通して、社会貢献活動を支援するという趣旨で12年以上活動を継続しています。
森永乳業及びそのグループ会社で働く方々で趣旨に賛同する人が加入し、「月々の給与の100円未満の端数と1100円(最大10口)」のいずれかを選択もしくはその両方を選択して、寄付金を拠出・積み立てる仕組みです。
会社も、加入者から集まった寄付額と同額を上乗せして寄付しています。

201812月現在、1800名を超える従業員が加入しています。
活動の継続によって「森乳スマイル倶楽部で社内の人との新しいつながりができた」「本業では関わることのない業務にもチャレンジすることができた」といった従業員のみなさんからハッピーな声が上がるようになったとのこと。

10年も超える活動をどのように維持・継続できたのでしょうか。
自ら運営委員として森乳スマイル倶楽部の運営に携わる飯田さま(以下写真左)と倶楽部活動を支える事務局を担う小林さま(同 右)から直接お話しを伺うことができました。
(以下インタビュー敬称略)


Q. 森乳スマイル倶楽部が10年以上も継続できた理由はどの辺りにあるのでしょうか?

(飯田)
森乳スマイル倶楽部では、加入者に対してアンケートをとり、その結果をもとに寄付先としてふさわしい団体を決定しています。
寄付先も事業分野である「食」に限定せず、まず寄付で社会貢献活動を支援することに重点が置かれています。
寄付する口数単位が100円であることや給与の端数といった金額感も、無理なく続けられると思える要素ですね。

(小林)
活動開始当初は、経営陣からの強いサポートも必要でしたが、今は運営委員が自身の業務に加えて森乳スマイル倶楽部の活動に安心して取り組める仕組みを取り入れているからだと考えています。
例えば、毎年10団体を超える組織に寄付を行いますが、領収書の手続きや振込、予算の確保は事務局で行なっています。
このようにすることで、運営委員も安心して、企画業務に専念できます。
また、運営委員として活動するための交通費や打合せ時間の捻出は全社的に支援がなされており、活動に安心して取り組める環境を整備しています。

(飯田)
従業員も、ちょっとしたきっかけがあれば社会貢献活動に参加してみようと思う人が多いのでは感じます。
社会貢献意識が高いことは、スマイル倶楽部に加入する従業員の割合が全体の4割近くに上ることにも表れていると思います。

また、運営委員が毎年「社会貢献活動をどのように支援していくのか」を寄付先の選定だけにとどまらず、全国にまたがる営業拠点・工場の人にも気軽に関わってもらえるようなイベント企画を検討・実施することまで担います。
直近では、南インド地域の子どもたちに絵本を贈る活動にも全国の従業員が参加し、家族で日本の絵本に現地語の翻訳シール貼りを行いながら、社会貢献を身近に感じるいいきっかけをつくれたと好評の声をもらいました。

~インタビューを終えて~
森乳スマイル倶楽部では運営委員自ら音頭をとって、寄付による支援の他にもチャリティイベントへの参加や加入者向けの情報発信等にも努めているそう。
一人でも多くの従業員に社会貢献活動に関わってもらいたいという想いを強く感じました。
寄付も自分だけで行うよりも、組織のなかで仲間で一緒に楽しく寄付をする。
これが寄付を広めるコツになるかもしれないと思わせるインタビューでした。

寄付月間共同事務局 木勢・馬越