97.7%―カスタマー最幸戦略で結果を出したコモンズ流投資の秘密―


「共通KPI」
資産形成に関心のある人なら、きっと1度は耳にしている言葉ではないでしょうか。

KPIとはKey Performance indicatorの略で、組織やチームの最終目標を達成するための過程を計測・評価する指標のことです。「重要業績評価指標」などと訳されます。

金融庁は2017年3月、「顧客本位の業務運営に関する原則」を公表し、金融事業者に対して、KPIを自主的に設定するように促してきましたが、個々の金融事業者が設定した自主的なKPIでは、一般の人たちが顧客本位の良質な金融商品・サービスを提供している金融事業者を選ぶのが難しいという意見が多く聞こえたため、誰でも簡単に金融事業者を比較できるようにするために、共通KPIが設定されました。

今、話題になっている共通KPIは、投資信託を販売している金融機関を対象にしたもので、

①運用損益別顧客比率
②投資信託預り残高上位20銘柄のコスト・リターン
③投資信託預り残高上位20銘柄のリスク・リターン

という3つの指標について、販売金融機関に公表させるもので、このうち運用損益別顧客比率において、コモンズ投信は他の販売金融機関を寄せ付けない強さを見せました。

97.7%というのは、コモンズ投信を通じて、コモンズ投信が設定・運用しているファンドを購入しているお客様(コモンズ投信では、ファンドを購入して下さっているお客様のことを「お仲間」と称しているので、以下、お仲間と表記します)のうち97.7%の人が、利益になっているという意味(2018年3月末時点)です。

ちなみに2位はレオス・キャピタル・ワークスの91%、3位はセゾン投信の84.9%というように、上位3位までを直販系投資信託会社が占めました。

さて、どうして「97.7%」という、他を圧倒する数字が出たのでしょうか。

4回に分けて、97.7%という数字の裏側にある仕組みを「コモンズ流カスタマー最幸戦略」と名づけ、コモンズ投信代表取締役社長の伊井哲朗氏に伺っていきたいと思います。

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Q1、97.7%という数字は何を意味しているのですか。

投資信託の販売金融機関は、共通KPIとして「運用損益別顧客比率」の数字を公表しています。

もちろん、発表していない金融機関もあるのですが、各金融事業者が共通KPIの基準日とした2018年3月末で、36の金融事業者がこの数字を発表しました。

コモンズ投信の場合、基本的に直接販売の形態をとっているため、販売金融機関のひとつとして数字を発表したわけですが、正直、自分でもこの数字には驚いています。

97.7%とは、2018年3月末時点で、コモンズ投信が設定・運用している「コモンズ30ファンド」を保有しているお仲間のうち、97.7%の人たちは損失を被らず、利益を享受していることを意味します。

97.7%の内訳は、以下のようになります。

+50%以上・・・・・・・・・・・17.2%
+30%以上+50%未満・・・・・・29.1%
+10%以上+30%未満・・・・・・42.2%
0%以上+10%未満・・・・・・・・9.2%
-10%以上0%未満・・・・・・・・2.1%
-30%以上-10%未満・・・・・・0%
-50%以上-30%未満・・・・・・0.1%
-50%未満・・・・・・・・・・・0.1%

+50%以上が17.2%というのは、2018年3月末時点でコモンズ30ファンドを保有しているお仲間の17.2%が、50%以上のリターンを得ているという意味です。
逆に0%未満、つまり元本割れしているお仲間は、全体の2.3%です。

次に口座開設年別の損益状況を見てみましょう。2009年に口座を開いて、コモンズ30ファンドを購入したお仲間のうち99.4%の方の損益状況がプラスです。2011年から2013年に口座を開設した方は100%がプラスです。

これは、口座を開設した時期の、株式市場の環境もあるとは思いますが、基本的には長期にわたって積み立てて下さっている方が多いからだと考えています。

2017年は19.6%、2018年は12.3%の方がマイナスになっていますが、これはマーケットがやや荒れている状況のなかで、口座を開設して積立投資
を始めてからの期間が短いため、その効果がまだ存分に発揮されていないからでしょう。

これは良くお仲間の方や、これからコモンズ投信のお仲間になろうとして下さっている方の前でもよくお話するのですが、積立投資は長期間続けることで、初めて効果が現われるのです。

もうお分かりいただけたかと思いますが、運用損益別顧客比率で97.7%という、極めて高い数字を上げられた理由は、私たちの意を汲んで下さり、長期投資にお付き合いいただいているお客様が大勢いらっしゃるからです。
仮に、コモンズ30ファンドが優れた運用を行っていたとしても、すぐに利益確定のための解約をするようなお客様ばかりだと、運用損益別顧客比率の数字は上がりません。

それに加えて、いささか手前味噌ではありますが、ファンドの購入を申し込んで下さったお客様に対して長期投資の大切さを説明してくれた弊社コールセンター、コモンズ投信のさまざまな取り組みについて情報発信してくれた弊社マーケティングなど、まさにオールコモンズによる取り組みがあったからこそ、このような成果につながったのだと思います。<vol.2へ続く>
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次回以降のコンテンツ(予定)
Q、本当に長期で積み立てるだけで「97.7%」のお仲間に入れるのですか?
Q、コモンズ投信がどういう運用をしているのかを教えて下さい。
Q、長期投資の大切さを知ってもらうため、コモンズ投信はこれから何をするのでしょうか。