「あたなにとって、SEEDCapに選ばれたことは、どんな意味がありましたか?」

昨日のブログでは、ファンドレイジング大賞2019で特別賞をコモンズ投信がいただいたことをご報告させていただきました。

さて、それでは改めて、コモンズSEEDCapというのは、寄付の受け手にとってどんな意味がある寄付のしくみなのでしょうか?

受賞のご報告をさせていただいたところ、過去の応援先の方々から、下記の声を届けていただきました。

「あたなにとって、SEEDCapに選ばれたことは、どんな意味がありましたか?」

第4回コモンズSEEDCap応援先マドレボニータ 吉岡マコさんより
会長渋澤と吉岡さん(2013年第5回社会起業家フォーラムでの授賞式にて) 


シードキャップに選んでいただいた頃は、ひたすら目の前の、「赤ちゃんを抱える産後女性」に向き合う日々でしたが、シードキャップで、老若男女問わずたくさんの理解と支援の声をいただき、これは改めて社会で支えていく問題であるということを、インストラクターもスタッフも、改めて自覚、実感した次第です。

そこから、カップル向けの講座やアプリ、法人向けプログラムなど、当事者の幅を広げてサービスを設計するようになりました。

わたしたちもコモンズのお仲間から推薦の声が戻って来た時に驚きました。
当初、女性からの指示が多いだろうという先入観をもっていたのですが、「奥さんの時には気づいてあげられなかったから」「自分の娘がそういう状況になったらと考えると」「パートナーが実際に産後うつとなりとても大変だったから」「これこそが少子化の対策になるのでは」と多くの男性からの推薦が寄せられたのです。

第5回コモンズSEEDCap応援先 かものはしプロジェクト 村田早耶香さんより
日経DUALにて対談
コモンズ投信さんのお客様と繋がることができました。
社会貢献意欲の高い長期投資家の皆さんと出会うことができ、サポーターとして応援してくださる方も増やすことができました!

そして、コモンズ投信さんという、とても良いイメージの企業さんに応援していただけて、「コモンズさんも応援しているんだね」というコメントをいただくことができました。

毎年春に投資先企業と共に開催するコモンズの周年イベントには、寄付先の方々にも登壇いただきます。
第6回の周年イベントでも、村田さんに登壇頂きました。その時ちょうどかものはしプロジェクトは、カンボジアにおいてこどもの人身売買に対する活動の成果をあげ、次にインドでの事業を始めるところでした。
周年イベントに参加された多くのコモンズのお仲間が、村田さんのお話に心動かされ、確実に成果をあげてきた団体の次なる挑戦を応援しようと、サポーター登録や寄付をするなど即座に行動に出られました。
自分の価値観をもって、これは投資(寄付)する価値がある、と感じられた時の行動力の速さにわたしたちも驚かされました。

第8回コモンズSEEDCap応援先 more treesの水谷伸吉さんより
more treesと共催でコモンズピクニックを長野県小諸で実現!


数ある社会課題の中から森林という分野が選ばれたことが嬉しかったですね。
その後、コモンズ投信の皆さんには資金的なサポートのみならず、イベントや告知などの面においても精力的に関わっていただき、親身になって「伴走」してくださった本当に心強い1年間でした。

また、過去のSEEDCap受賞者の方々に肩を並べるということは背筋が伸びる思いです。
決してこれまで手を抜いていたわけではありませんが(笑)、選ばれたことで、名に恥じぬよう、より活動を磨かねばと決意を新たにしたことをよく覚えています。

more treesの「都市と森を繋ぐ」というミッションは、わたしたちコモンズのお仲間たちと支援の現場を見事に繋いでくれました。それがコモンズピクニックにであり、間伐材でできた積み木を使ってのこどもトラストセミナー開催でした。

コモンズピクニックでは、more treesの活動の地である小諸にて、間伐の経験や、ワインなどの地場産業の見学を、お仲間やコモンズの社員と共に行うことができました。
水谷さんをはじめとするmore treesのみなさんは、普段から現地の方々との関係性を大切に培われてきています。そんな彼らのご案内ですから、わたしたちが目にできること、感じられることはプライスレスなものでした。
またこどもトラストセミナーは森林をテーマにこどもたちと共に学び、自分たちのお金の使い方がどういった未来に繋がっていくのか、そんなイメージをふくらますこともできました。
現在APORTでmore treesの新たな挑戦も応援中です!

さて、最後にこちらのラブレター(?)をご紹介させてください。

先日第9回コモンズSEEDCap応援先PIECES 小澤いぶきさんに応援期間終了の際にいただいたお手紙です。ご本人のご了承をいただき、ご紹介させていただきます。

渋澤さん 伊井さん 馬越さん コモンズ投信の皆様へ

いつもお世話になっております。
昨年SEEDCapに選らんでいただいてから、あっという間の一年でした。
その間ずっと伴走し、エンパワメントしていただき、本当にありがとうございました。

まだ小さく、周りから見たら海のものとも、山のものともわからない組織だったかと思います。そんな中、一緒に対話し、背中を押していただいたことで、東京でつくってきたモデルを水戸に展開するチャレンジをする一歩につながりました。

この1年の皆様の伴走を通して、コモンズ投信の方々がフットサルに参加してくださり、子どもたちに新たなつながりや出逢いが生まれ、新しい世界への扉が開きました。

また、私たちだけでは出会うことのなかった方々が、子どもたちとの未来を共につくる一員になり、関わってくださる機会が増えました。

保護者の方々向けのイベントやこどもトラストセミナーでのプログラムを通して、保護者の方々からの声を聞き、やっていることを子どもの日常に届ける方法を捉え直す機会をいただきました。

と思い返すと、この一年は皆様に伴走いただきながら、たくさんのギフトをつないでいただいた一年で感謝が溢れています。

このギフトを、子どもの孤立がない社会に、そして尊厳の尊重でつながる未来に紡いでいこうと強く思っています。
改めて本当にありがとうございました。
そして、これからも子どもの生きる世界に寛容な空気が巡る明日をつくるパートナーとして、是非ご一緒できますのを、楽しみにしております。
小澤いぶき

昨年の第10回コモンズ社会起業家フォーラムにて授賞式を開催
児童精神科医である小澤さんには、その立場から、子育てにおいて、今、何を大切にしたらいいのか、子育て中のお仲間たちとお話しするようなセミナーも開催していただきました。

すべてのこどもたちの成長を、みんなで見守っていくことができたら。。
その想いは、コモンズが目指す世界と共通しています。

このSEEDCapという寄付のしくみは、10年前、名もなき投資信託を運用販売する会社が長期投資のお仲間と共に始めた挑戦です。
最初は4万円、そして現在では101万円の寄付金額となり、伴走者としても、少しずつですが、力をつけることができてきました。

この寄付のしくみは、ファンドの運用販売と共に、コモンズ投信のミッションである「一人ひとりの未来を信じる力を合せて次の時代を共に拓く」を体現していくものです。
寄付も「未来への投資」と、わたしたちは考えているからです。

そして、コモンズSEEDCapらしさとは何か、、、そのことは常に、最終選考委員会でも問われ、議論を重ねるところです。

投資信託の会社を通して、コモンズのお仲間と社会課題に取り組む人々が繋がることができるしくみ、繋がることで、社会課題解決を多くの人が主体的に考えることができるしくみ、そして団体の活動を1ステージ押し上げることができたら、そんなことを願って、応援先を選定し、1年間伴走する、それがコモンズSEEDCapです。

現在は第10回目コモンズSEEDCapの受賞者 WITHALSの武藤将胤さんに対する応援期間が始まっています。



来る10月5日(土)開催の第11回コモンズ社会起業家フォーラムでは、武藤さんに対する第10回コモンズSEEDCap授賞式を開催。
また、11名の新しい仲間たち(スピーカー)の中から、未来のSEEDCap応援先が生まれるかもしれません。
ひとりでも多くのみなさまにフォーラムへご参加いただき、そして、このSEEDCapを未来に繋げるお仲間になっていただけたら幸いです!


コモンズ投信
寄付のしくみ担当
馬越裕子