再び夜明けは訪れる。必ず。

おはようございます。渋澤健です。

東京は開花と同時に雪という相変わらずのへんちくりんな事が起こっていますが、皆さんは平穏な週末を過ごされたでしょうか。

さて、もしかすると多くの方々はご存知かもしれませんが、20代後半から30代の私はトレーダーでした。だからかもしれません。数年間に一度ぐらい、血が騒ぎます。

金曜日は、そんな日でした。今回は数年どころか、10年以上ぶりの血の騒ぎでしたw。

一方、去年の11月から年末年始にかけて、何かしっくりしない気分でした。11月25日のコモンズ広場に、その気分を書き込んでいましたが、世界の景気が低迷気味と感じていたところ、米国の株式市場のイケイケドンドンのムードが収まる気配を見せるどころか、高値圏に推移していたからです。

5Gなど次の材料を織り込む勢いの株式市場でしたが、2016年から同じように右肩上がり基調であった原油価格が2019年に入ると横ばい(つまり、経済成長による需要がそれほど強くない)のところ、米国株式市場はどんどん高値を更新していく・・・ なんか変だなぁと感じていました。

でも、今はすっきりしました。新型コロナ・ウイルスの影響で、宴が終わっていたことにやっと株式市場が気づかされたように。

2019年のどこかのタイミングでTV番組に出演したときに年内の株式市場の予測を描いてくれと頼まれ、確か日経平均の高値が23000円ぐらいで、下値が20000円割れで、もしかしたら18000円ぐらいまで突っ込むと書いた記憶があります。ちょっと時期がずれましたが、相場観なんて所詮そんなものでしょう。いつ起こるかわからない。

資産運用会社を創業した人物が弱気の相場観があることに違和感があるかもしれませんが、以前から断言していました。長期投資を実践しているのであれば、必ず、どこかで「ショック」は起こる。株式市場が、どこかのタイミングで下落することは想定内です。

大事なことは、その時に、買えるかです。

つみたて投資を継続されているのであれば、絶対に買えますよね。そういう意味ではノープロブレムです。心配することありません。

さて、ここからですが、どうなるのか。

たぶん、当たらないと思うので、あくまでもご参考まで。

まず、トレーダー感覚でいうと、欧米株式市場は明らかにパニックでした。下がっても直ぐに戻ることにずっと慣れてきたので、戻らなくなったときの恐怖は凄まじかったです。FRBが利下げに踏み切って株式市場が一旦戻りましたが、翌日からすぐに下落したことは地合いの悪さの予兆でした。

恐らく新型コロナ・ウイルスの感染は当面収まることなく、人の移動も制限され続けるでしょう。でも、たぶん、株式市場のパニックのピークは先週の木金だったと思います。

では、長期投資家の感覚で言うと、安い・・・ 例えば、配当利回りが5%から7%近くに推移していた金融機関や総合商社が特に金曜日の午前中にゴロゴロとありました。また、PBRで見ると、大不況や金融危機でもないのに信じられないほど売り込まれている水準。

バーゲンハンターが、これから色々と活動を高めるでしょう。

では、今回は大底かというと、そうは言い切れないです。今まで米国企業の株価上昇は、金を借りて自社株買いを実施してROEを高めたという側面があると思います。ただ、債務が膨らんでも株価が上昇しているのであれば、D/Eレシオ(負債資本倍率)などレバレッジの上昇が抑制できますが、株価が下落基調のときはどうなるか。D/Eレシオなどが上昇し、レバレッジが高まることで企業の格付けが下がるかもしれない。格付けが下がると調達金利が高まる。。。今度は歯車が逆方向へと進む可能性があるかもしれません。

例えば、アマゾンの格付けが下がって、投資不適格のJunk Bondになったら、株式市場はどのように反応するのでしょうか。

恐らく、新型コロナ・ウイルスの感染の広まりが、今後の株式市場へ直接的に影響することは徐々に軽減されると思います。ただ、株価など資産価格が急激に暴落したことによって、他の影響がその後に出てくるかもしれませんね。夏から秋にかけてが鬼門かもしれません。

でも、長期投資家であれば、ここからの水準であれば押し目買い。そして、つみたて投資は継続させる、増額する。そんな考えでよろしいかと思います。

大事なことは、株式市場が仮に下落しても、ハッピーな気分でいられること。つみたて投資の場合は、株式市場が下落すれば、より多くの口数を購入できるのでハッピーな気分でいられるはずです。少なくとも、パニックする理由はないですね。

上がるものは、いずれ下がる。
そして、下がるものは、いずれ上がりますから。
沈んだ太陽の光が、ふたたび訪れるように。



ウガンダのビクトリア湖の夜明けです