未来予想図 19:コーポレートガバナンス・コードの改訂版を発表

未来予想図
19:コーポレートガバナンス・コードの改訂版を発表
2018-6-7-TUE

東京証券取引所は6月1日、上場企業に企業価値の向上を求める「コーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)、以下CGコード」の改訂版を発表、同日付で施行し、12月末までの対応を求めました。

主な改訂ポイントは3つ、
1 .政策保有株式に関する規定の厳格化(保有適否の検証と開示)、
2 .自社資本コストを把握した上での収益力・資本効率等に関する目標の提示、
3 .取締役会等におけるCEO選解任の手続き確立(独立取締役を主な構成員とする指名・報酬委員会の有効化)です。

改訂についてのパブリックコメントによると、企業側からは「政策保有株式には守秘性の高い内容が含まれており開示説明は困難。資本コストの把握は困難で非現実的。

CEOの解任について具体的な解任事由を設けると硬直的な運用を招くので反対」など改訂に否定的コメントが散見されました。

一方、私が取材させて頂いた企業からは「今回の改訂点については対応済み、制度が後からついてきた。」という趣旨の話を複数回伺いました。企業側だけでなく、機関投資家でも考え方や事情は大きく異なるので、浸透には少しハードルがあるかもしれません。

当ファンドはESGなどの良し悪しや、CGコードの順守状況に関係なく(説明は必要)、『変化』を通じた中長期目線での株価上昇を見込める企業が投資対象となります。
そもそも全く同じ企業は一つとして存在しないので、最適なコーポレートガバナンスは各社各様であって然るべきではないでしょうか。
したがって、重要なことはGCコードをどれくらい順守しているかではなく、中長期目線で企業価値を向上させていくために、企業が最適だと思うガバナンス体制をどの程度構築できているのかではないかと考えます。

CGコードという形式的な基準は参考情報として、今後も質の高い調査を心がけ、ファンドのパフォーマンスに貢献していきたいと思います。

シニアアナリスト兼ポートフォリオマネジャー
鎌田 聡