未来予想図 14:ブロックチェーンが真価を発揮する未来のサービス

未来予想図
14:ブロックチェーンが真価を発揮する未来のサービス
2018-1-10-TUE

仮想通貨「ビットコイン」がニュースで取り上げられるようになり、その基幹技術である「ブロックチェーン」という言葉もだいぶ認知されるようになってきました。

ブロックチェーンはビットコインのために発明された概念(分散台帳を実現する技術)ですが、この概念は多様な用途への応用が期待されています。

つまり金融に留まらず、分散型台帳としてさまざまな分野で応用することが可能な汎用性の高い技術です。その理由は、従来のシステムに比べて「改ざんが極めて困難」であり、「実質ゼロ・ダウンタイム(サーバー等の停止に伴うシステム障害が発生しない)」のシステムを、「安価」に構築することが可能になると言われるためです。

ただし性質上、ある程度タイムラグが生じてしまうのは原理的に避けられないので、そのデメリット以上のメリットを見込めることが必要になります。

現在は技術面に加えて、法制度などクリアしなければならない課題も多くありますが、数年後(早ければ2018年中?)には、こうした課題が(期待も込めて)解決され、今まで費用対効果の観点から整備されてこなかった領域もシステム化が進み、安全・安心な社会構築の助けになることが期待されています。

ブロックチェーンが真価を発揮する未来のサービスとして期待される主な事例としては、「貿易金融における信用状などの手続き」や「食料品のトレーサビリティ」、「多様化する電力取引に対応した新サービス構築」、「不動産流通にかかる登記簿謄本や契約書などの一元化」などがあり、企業がこぞって実証実験を始めています。

上述したような大規模システムであればあるほど、システムベンダー(システムの開発会社)にはシステム開発のプロジェクトマネジメント、及びプロジェクトに携わる数千人を超す人員(下請けを含む)の管理などシステムそのものを開発する能力に加えて、顧客の業務や業界の専門知識などを顧客以上に深く正確に習得することが不可欠となります。

システム構築需要は今後ますます高まると考えており、システムベンダーの活躍の幅が広がると考えています。


シニアアナリスト兼ポートフォリオマネジャー
鎌田 聡