未来予想図 21:デジタル・トランスフォーメーションに注目
未来予想図21:デジタル・トランスフォーメーションに注目
2018-8-7-TUE
7月2日に日本銀行が発表した2018年度ソフトウェア投資額計画(6月調査」は、前年度比+6.4%で高い成長の継続と、8年連続プラス成長となる見通しです。
現在、ITソフトウェア業界はコスト削減などの「守りのIT投資」に加えて、売上拡大・競争力強化につながる「攻めのIT投資」が堅調に拡大しており、上記のような長期に渡る成長トレンドを描いていますが、2020年東京オリンピック・パラリンピック以降も、同業界は着実に安定成長していく見通しを持っています。
その根拠としては、デジタル・テクノロジーの進化によって生み出された新しいビジネスモデルが社会基盤や人々の価値観そのものを大きく変化させているという事実です。
例えば本を買う場合、以前は営業時間内に店舗を訪れて店頭在庫から本を探すか、取り寄せて後日再び訪れるという行動が一般的でした。
しかし今はスマホでいつでもどこでも注文でき、指定の場所と日時に配達してもらうことが可能で、品揃えはどの本屋よりも充実しています。
リアルな書店の良さが完全に失われるわけではありませんが、人間は一度こうした便利な経験をすると過去に戻りたくないと感じるものです。
洗濯機の登場によって洗濯が劇的に楽になったことと同じです。
デジタル・テクノロジーの進化により、今までなし得なかった高い利便性を低価格で提供されるサービスは、社会や人々から圧倒的に高い支持を集め、これまでの圧倒的な地位を築いていた企業や、既得権益に守られてきた企業であっても、一気に企業存亡の危機に直面する可能性があります。
したがって、企業はこぞって「攻めのIT投資」を増やし、ITを幅広く活用した競争力のあるビジネスモデルの開発を進めているのです。
こうしたデジタル・テクノロジーによる時代の再定義のことを流行語では「デジタル・トランスフォーメーション(以下、DX)※」といい、株式市場でも高い注目を集めています。
当ファンドでは、DXそのものによってビジネスを拡大させる企業に加えて、DXの進展により変化するIT需要の恩恵を享受できるITサービス業の成長を見据えた投資を積極化しています。
※デジタル・トランスフォーメーション(Digital Transformation:略称DX)とは、2004年にスウェーデンのウメオ大学のエリック・ストルターマン (Erik Stolterman) 教授が提唱した「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させること」という概念。現在は幅広くITを活用した企業競争力強化の全般を指す。