ステイHOME
こんにちは。渋澤健です。この週末は、ほとんどの東京都民と同様、外出を控えてステイ・ホームでした。花見はベランダのさくらでw。また、雪が降る中で。けれども、同時進行していた二つの書籍出版の企画のゲラ確認と初校原稿の確認を済ませることができました。
しかし、新型コロナ・ウイルスの終息は、全く見えない世の中ですね。NY等の医療の現場の様子は、本当に悲惨な状態。死亡者は他国と比べると今のところは少ない日本ですが、感染・重症化の方々が増えてきていることは確かです。不急不要外出自粛の要請では足らず、そろそろロックダウン(都市封鎖)か、という話もちらほら聞こえてきます。気持ちがわさわさします。
そんな時どのような心得が必要か。
渋沢栄一は『論語と算盤』の「大丈夫の試金石」で自然的逆境に立った時にどうすべきかという考えを示しています。
足るを知りて分を守り、これは如何に焦慮すればとて、天命であるから仕方ないとあきらめるならば、如何に処しがたき逆境にいても、心は平らかなるを得る。
つまり、自分が何かを失ったことより、何が有るかへの感謝。やるべき(例えば、うがい、手洗い、マスク着用、人混みを避ける等)をきちんとやって身を守る。そして、ジタバタするより、思い切って断念する。ということですね。
外出ができなくなっても、出社ができなくなっても、少なくとも、ステイできるホームがあります。それに感謝。
でも、こういうときに、自分がステイできるホームがなければ、どんな気持ちになるでしょう。
実は、そういう人たち、社会にいます。それが、若い妊婦さんの場合もある。こういう時だからこそ、今日から始まる、こちらのクラウドファンディング・プロジェクトをご検討ください。コモンズSEEDCapの応援先のPIECESの小澤いぶきさんのご縁でご紹介いただいたものです。どうぞよろしくお願いいたします。
【投資は未来を信じる力~今、伝えたいこと~】
皆さん、こんにちはコモンズ投信 伊井です。
新型肺炎と人類の闘いは、有効なワクチンや治療薬が開発されるまで続くことになると思いますが、私は社会の安定の実現は国民の賢い判断と行動によってそれ以前に達成することが可能だと思っています。
さて、世界の金融市場も大きく揺れているわけですが、少しずつ変動幅が小さくなりつつあります。
金融市場は社会を映す鏡であり、株式市場は半年先を織り込んで動いていると言われます。
足元の株式市場の動きは、各国の大規模な経済対策と金融政策で、徐々に経済も底入れすることを示唆しはじめているかもしれません。
目の前の社会的な動きや株式市場の急落に惑わされることなく、少し先を見て生活をすることが大切です。
例えば、2月末からの世界の株式市場は、かつてないスピードで急落しました。
この急落をみていると、多くの投資家が株式を投げ売りしているようにみえますが、価格がついているということは買う人も多くいたということです。
実は、3月は東証の売買代金が4兆円を超える大商いの日が5日間もあります。
これまで、平常時は2兆円程度の売買代金でしたので倍くらいです。
こうした大商いは株式市場が最高値や最安値の時にみられる光景です。
そうです、この局面、静かに買い出動されている投資家も多いのです。
先日、世界的に著名な投資家がこのタイミングで株式の買い増しに動いているとのニュースが出ていました。かのバフェット氏はデルタ航空を、アイカーン氏は米国レンタカーのハーツを買い増ししたとのことでした。
航空会社やレンタカー会社は、コロナの影響を大きく受けていて短期的にはまったく業績の予想も出来ませんが、長期投資家からみればバーゲンセールに見えているとのことです。
こうした著名投資家は、資産の作り方を熟知している大ベテランですが、この発想力は誰にでも持てる力です。
目線を上げて長期的な視点で、未来を信じる力を育んでいけばいいのです。
今日の朝刊には、ネット証券での新規口座開設が急増していること、積立口座や積立金額も急増していることが報じられていました。
いま、行動されている方は、未来を信じる力を少しずつ育まれている方だと思います。
コモンズ投信は、こうして行動されている皆さん、あるいはこれから行動を開始しようとされる皆さんの応援団です。
そして先日、コモンズ30ファンドの投資先から嬉しいニュースも流れてきました。
旭化成さんは、「米国の医療機器子会社を通じて人工呼吸器を増産すると発表した。早期に月産量を現状比25倍の1万台に増やす。」とのこと。
そして、シスメックスさんは「国内初、新型コロナウイルス検査キット(RT-PCR法)の薬事承認を取得 ~体外診断用医薬品として医療機関への早期導入を目指す~」とのこと。
それぞれにとても迅速な対応で、私たちは投資を通じてこうした企業を応援することが出来ます。是非、一緒にこうした企業を応援していきましょう。
そして、「未来を信じる力」で、この難局を一緒に乗り越えて参りましょう!
3月17日、ZOOMオンラインセミナーを実施!左 伊井 右 原嶋(運用部) |
−1歳(うまれるまえ)のいのちに向き合うということ〜第11回コモンズSEEDCap最終候補者 林伸彦さん(親子の未来を支える会)その②〜
「この活動をすることは、とても勇気のいることでした」
と7分間のスピーチの途中、緊張から何度か言葉を詰まらせた親子の未来を支える会の林伸彦さん。
(第11回コモンズ社会起業家フォーラムで登壇)
「(おなかの赤ちゃんに障害があるとわかった後)生むと決めた時、生まないと決めた時、どちらにしても、わたしたちは全力でサポートすると決めています。
この中立的なサポートをすることが日本で許されるのか、受け入れられるのか、すごく不安でこの活動をしています。
今でも、迷いながら、活動をしています。」
こう語った林さんのスピーチに、多くの参加者の方々の気持ちが動きました。
「感想をどう書いていいのかわからないほど、とても心に響くお話でした。」
「私の身近に障がいをもつお子様のお母さんがいます。出産の時にどうだったのだろうと想うのですが、まさに心強く必要な活動と思います。当事者の選択肢を尊重する方針も素晴らしいと感じました。」
「子どもが産まれる前に病気が見つかった時のワンストップ型サービス、大変存在意義のあるサービスだと思います。センシティブな問題だけにサービスの普及には困難も多いかと思いますが、サービスの普及を通じて、日本社会全体で病気や障害を持って産まれてきた子どもと家族を支援できるようにしてください!」
「家族の選択、決断を自己責任にしない」という林さんの熱い思いに感銘を受けました。
「 活動応援しています。このような問題がある事を知らなかったですが、その問題の当事者を支援する大事な活動だと思います。地道で大変な活動ですが、是非頑張って下さい。」
「産むということを自己責任として押し付けてはいけないという一言に救われた思いがしました。」
昨年のフォーラムより、新たなSEEDCap選考方法が始まりました。
そして今回選ばれたのが林さんでした。
林さんにSEEDCapに選ばれたら寄付金を何に使われたいか聞いてみました。
現在取り組んでいる活動を、更に充実したものにするために活用されたいとのお返事をいただきました。
例えば、
・妊婦さんやご家族を必要なサービスとオンラインでマッチングしてくれるサイト「胎児ホットライン」を充実・改善。
受けた相談をまとめるシステム構築(クラウド上の電子カルテのようなもの+オンライン相談プラットフォーム)
・胎児ホットライン相談員を育成するプログラム開催
・新たなブックレットや動画の作成(家族の経験ストーリーをまとめた動画や冊子を作りたい)
妊娠を継続しないと決めた方とご家族のための星編と、継続するときめた方とご家族のための月編の両方が1冊にまとまったブックレット初版は、現在無料で配布されています。
コロナの影響もあり、様々予定されていたイベントも残念ながら中止となった中、新たなブックレットの作成を準備中。
4月25日のライブ配信CommonsDay2020では、林さんにも生出演していただき、現在の活動のこと、想いを改めてお聞きします。
ぜひ、当日、林さんの命に向き合う想いを、改めてお聞きください。
SEEDCap担当 馬越裕子
第11回コモンズSEEDCap最終候補者 林伸彦さん(親子の未来を支える会)その①はこちら
なかなかよくやっている日本
おはようございます。渋澤健です。連休はごゆっくりできたでしょうか。
街の人の動きを見ると、ちょっとずつ正常に戻っている感じがしていますね。また、日本の株式市場は比較的に落ち着きを取り戻しているように見えますが、欧米市場では動揺が収まらない値動きをしています。
新型コロナウイルスの終息がまだ見えず、今後の行方に油断を許すべきではない状況が続いているのに、日本人は呑気なんでしょうか。
いえ、私は日本はなかなか良くやっていると思います。
パンデミックの怖さは死亡することです。では、最終的に感染症対策の成果は検査の有無より、死亡する人の数を抑えることで評価すべきではないでしょうか。
3月22日時点の各国の死亡者数を人口で割ってみました。要は、その国の全員が感染したという前提の致死率です。
人口百万人あたり、日本は0.3人でした。
それと比べると、中国は2.3人、韓国は2.0人。
中国政府は新型コロナウイルスの感染を終息させたと世界にアピールしています、ただ、この数字を比べる限り、日本の方が優等生です。もちろん、この数字は死亡する人が増える都度、上昇します。でも、かなりの開きですね。
日本は検査実施数は韓国より圧倒的に少ないことが問題視されていますが、より重要な「人口あたりの死亡者数」も圧倒的に少ないです。そして、明らかに検査実施数より死亡者数が低い方が大事です。
他のG7先進国の人口百万人対比の死亡者も比べてみました。
米国 1.3人
ドイツ 1.1人
英国 4.1人
フランス 10.3人
イタリア 90.6人 - やはり、深刻に突出しています。
G7で日本と同じ水準に並んでいるのは人口密度が低いカナダの0.5人だけです。
また、イタリアと同じラテン系のスペインは37.6人であり、今後の行方が心配です。
爆発的に感染者が増えているというニュースになったイランは20.1人。人口比ではスペインより低いです。
また、社会福祉国家として憧れの声が日本でよく上がるスウェーデンは1.6人。日本より5倍の方々が人口あたり死亡しています。
一方、アジアで新型コロナ・ウイルス感染症に優れたレジリエンシーを見せているのはシンガポールの0.3人(絶対数で2人)と台湾の0.1人(2人)です。あっぱれです。
このように人口あたりの死亡者数は比較的に正解に各国の状況を比べられる数字です。ただ、所詮、データはデータだなと思うところもあります。すべての現実を正確に反映できている訳でもありません。
人口が中国と匹敵し、人口密度や衛生管理に課題がありそうなインド。百万人あたり死亡者が0.005人、絶対数で7人です。
他の様々な感染症に常に晒されるているので、新型コロナウイルスなんてへっちゃら。インド人の身体のレジリエンシーが高いのかもしれません。でも、どちらかというと正確なデータが不足しているのでしょうね。
そして、ロシア。日本より人口が多い国ですが、0.007人。絶対数で1人です。本当でしょうか?
いずれにせよ日本はなかなか良くやっていると思います。
その理由は、日本の医療制度、政府の措置、そして、何よりも国民の生活慣習や行動の結果であると推測していますが、いかがでしょう。
いずれ、新型コロナウイルスのパンデミックの総括が行われるとき。非常状態で多くの国々と比べると比較的に日常生活のディスラプション(破壊)が低く、且つ、人口当たりの死亡者数が少なかったのは日本ということになるかもしれません。
そうなるように、引き続き、うがい、手洗い、マスク着用して気を付けて生活いたしましょう。どうぞご自愛ください。
再び夜明けは訪れる。必ず。
おはようございます。渋澤健です。東京は開花と同時に雪という相変わらずのへんちくりんな事が起こっていますが、皆さんは平穏な週末を過ごされたでしょうか。
さて、もしかすると多くの方々はご存知かもしれませんが、20代後半から30代の私はトレーダーでした。だからかもしれません。数年間に一度ぐらい、血が騒ぎます。
金曜日は、そんな日でした。今回は数年どころか、10年以上ぶりの血の騒ぎでしたw。
一方、去年の11月から年末年始にかけて、何かしっくりしない気分でした。11月25日のコモンズ広場に、その気分を書き込んでいましたが、世界の景気が低迷気味と感じていたところ、米国の株式市場のイケイケドンドンのムードが収まる気配を見せるどころか、高値圏に推移していたからです。
5Gなど次の材料を織り込む勢いの株式市場でしたが、2016年から同じように右肩上がり基調であった原油価格が2019年に入ると横ばい(つまり、経済成長による需要がそれほど強くない)のところ、米国株式市場はどんどん高値を更新していく・・・ なんか変だなぁと感じていました。
でも、今はすっきりしました。新型コロナ・ウイルスの影響で、宴が終わっていたことにやっと株式市場が気づかされたように。
2019年のどこかのタイミングでTV番組に出演したときに年内の株式市場の予測を描いてくれと頼まれ、確か日経平均の高値が23000円ぐらいで、下値が20000円割れで、もしかしたら18000円ぐらいまで突っ込むと書いた記憶があります。ちょっと時期がずれましたが、相場観なんて所詮そんなものでしょう。いつ起こるかわからない。
資産運用会社を創業した人物が弱気の相場観があることに違和感があるかもしれませんが、以前から断言していました。長期投資を実践しているのであれば、必ず、どこかで「ショック」は起こる。株式市場が、どこかのタイミングで下落することは想定内です。
大事なことは、その時に、買えるかです。
つみたて投資を継続されているのであれば、絶対に買えますよね。そういう意味ではノープロブレムです。心配することありません。
さて、ここからですが、どうなるのか。
たぶん、当たらないと思うので、あくまでもご参考まで。
まず、トレーダー感覚でいうと、欧米株式市場は明らかにパニックでした。下がっても直ぐに戻ることにずっと慣れてきたので、戻らなくなったときの恐怖は凄まじかったです。FRBが利下げに踏み切って株式市場が一旦戻りましたが、翌日からすぐに下落したことは地合いの悪さの予兆でした。
恐らく新型コロナ・ウイルスの感染は当面収まることなく、人の移動も制限され続けるでしょう。でも、たぶん、株式市場のパニックのピークは先週の木金だったと思います。
では、長期投資家の感覚で言うと、安い・・・ 例えば、配当利回りが5%から7%近くに推移していた金融機関や総合商社が特に金曜日の午前中にゴロゴロとありました。また、PBRで見ると、大不況や金融危機でもないのに信じられないほど売り込まれている水準。
バーゲンハンターが、これから色々と活動を高めるでしょう。
では、今回は大底かというと、そうは言い切れないです。今まで米国企業の株価上昇は、金を借りて自社株買いを実施してROEを高めたという側面があると思います。ただ、債務が膨らんでも株価が上昇しているのであれば、D/Eレシオ(負債資本倍率)などレバレッジの上昇が抑制できますが、株価が下落基調のときはどうなるか。D/Eレシオなどが上昇し、レバレッジが高まることで企業の格付けが下がるかもしれない。格付けが下がると調達金利が高まる。。。今度は歯車が逆方向へと進む可能性があるかもしれません。
例えば、アマゾンの格付けが下がって、投資不適格のJunk Bondになったら、株式市場はどのように反応するのでしょうか。
恐らく、新型コロナ・ウイルスの感染の広まりが、今後の株式市場へ直接的に影響することは徐々に軽減されると思います。ただ、株価など資産価格が急激に暴落したことによって、他の影響がその後に出てくるかもしれませんね。夏から秋にかけてが鬼門かもしれません。
でも、長期投資家であれば、ここからの水準であれば押し目買い。そして、つみたて投資は継続させる、増額する。そんな考えでよろしいかと思います。
大事なことは、株式市場が仮に下落しても、ハッピーな気分でいられること。つみたて投資の場合は、株式市場が下落すれば、より多くの口数を購入できるのでハッピーな気分でいられるはずです。少なくとも、パニックする理由はないですね。
上がるものは、いずれ下がる。
そして、下がるものは、いずれ上がりますから。
沈んだ太陽の光が、ふたたび訪れるように。
第11回コモンズSEEDCap最終候補者 林伸彦さん(親子の未来を支える会)その①
こんにちは。SEEDCap担当 うまごえです。
3月4日、第11回コモンズSEEDCap最終候補者3名を発表させていただきました。
「第11回コモンズSEEDCap選定にご参加ください」
https://park.commons30.jp/2020/03/11seedcap.html
そして、11日、候補者のひとり、NPO法人親子の未来を支える会 林伸彦さんにお会いして、最近の近況をお聞きしてきました。
実は、私 うまごえが初めて林さんにお会いしたのは、もう4年前くらいのことでした。
胎児医療を学ぶため、渡英される直前だったと記憶します。
生まれてくる前に受ける医療、おなかの中から赤ちゃんを取り出して、必要な手術を施し、またおなかの中に戻す。
その手術をすることで、出生後の障害があきらかに軽減できるといわれているこの手術は、日本では現在に至るまで認められていません。
私自身も、その手術の是か非を問われたら、言葉を探してしまう領域。
わたしたちがアンタッチャブルと感じてしまうその領域に、林さんは進まれていました。
「馬越さん、目の前にある患者さんが困っていたら、どうにかできないのか、と考えて進化し続けるのが医療なんです」
この言葉を林さんからお聞きしたとき、わたしは改めて「医療」だけでなく、わたしたち人間が目の前に起きていること、そして未来に向かっていくことの意味みたいなものを考えさせる想いがしました。
あれから3年が経ち、林さんはどうしているだろうか、とちょうど考えていた時に、あちらこちらから「林さん」の名がわたしの耳にも届くようになってきていました。
特に、「次の社会起業家フォーラムの登壇者にぜひ」と、フォーラムの先輩登壇者さん数名から名前があがりました。
林さん、帰られていたんだ!
ということで、林さんと早速お会いすることに。
事務局の沼田さんと一緒に、林さんも早速コモンズ投信のオフィスに訪ねてきてくださいました。
目的を定めて、そのために、今、できることからひとつひとつ進めようとしている「やわらかさ」が加わっていることを感じました。
帰国後の林さんがまず最初に起こした行動は、出生時前診断を受けたお父さん、お母さんたちの悩みに向き合うこと。
林さんは、仲間たちと「親子の未来を支える会」を立ち上げられていました。
(次回へつづく)
*林さんは、コモンズSEEDCap最終候補者のひとり。
他の登壇者も含め第11回コモンズSEEDCap選考についてはこちらをご覧ください。
逆境のときの心構え
渋澤健です。
新型コロナウイルスの感染が世界で広がり、人が国境を超えることの制限、国内でも集まることの制限、等々で世界の景気が停滞していることは明らかです。厳しい側面に陥っている業種や会社が多く、早期に正常に戻れることを強く祈願しています。
そして、そもそも世界の経済成長が調整基調のところ、先の成長への期待で高値圏で推移していた株式市場の楽観的ムードは吹っ飛び、動揺が広がっています。
そんな暗いムードの中、何か明るいトピックないかなと考えてみました。ある意味で異常な非日常的な状態であるからこそ、考えられることは何か。
ひとつ。家族と過ごす時間が増えました。週末の出張、夜の予定などの多くがキャンセルなって予定が空いたのです。子どもたちも休校になり遊びの約束もキャンセルになっています。家族と一緒に食事する、一緒にビデオを見るなど、今まで出来ていなかったことが出来ている。これは、なかなか良いです。貴重な時間を与えてくれていると、ある意味で感謝しています。
ふたつ。働き方が変わっています。コモンズ投信は大企業と違って全員が在宅勤務できるような体制を取れていませんが、フレックス体制で朝会が廃止になって、日中に開催するようになりました。それが、特に業務の支障になっているとは思いません。そもそも、なぜ朝会の時間に合わせるために「痛勤」の激混みに合わせなければならないのか。今までの「当たり前」「慣習」を見直す好機会です。新型コロナウイルスの「おかげ」で、日本社会の働き方改革が本質的に一段と高まる可能性があると思います。
そして、これは大事なことだと思いますが、今までは「効率性」を高めることで「生産性」を高めるという常識がありました。が、それは「時間や空間の密度を高めること」なので、ウイルスなどには感染しやすくなるということです。
すべて、効率性を高めることが、必ずしも「合理的」ではないという気づきです。
自然界には必ず、無駄や矛盾が組み込まれています。なぜなら、その方がショックに強いから。自然界は、そのようなメッセージをウイルスを通じて人類へ送っているのではないかと思います。
渋沢栄一は『論語と算盤』で「大丈夫の試金石」で、こんなことを言っています。
「自然的逆境に立った場合は、第一にその場合に自己の本分であると覚悟するが唯一の策であろうと思う。足るを知りて分を守り、これはいかに焦慮すればとて、天命であるから仕方ないとあきらめるならば、いかに処し難き逆境にいても、心は平かなるに違いない。」
ただ、
「人為的の逆境に陥った場合はいかにすべきかというに、<中略>自分からこうしたい、ああしたいと奮励さえすれば、大概はその意のごとくになるものである。」
これをコモンズ的に表現すれば「未来を信じる力」を持とう!ということですね。
株式市場の逆境は、自然的なのか。それとも人為的なのか。ここには議論の余地がありそうです。ただ、逆境には、自然的なものと人為的なものがあり、その対処の心構えが異なるということは面白いです。
追記:ちなみに写真は香川県三豊市の父母ヶ浜です。非日常的なほっとする空間・時間は大切ですね。
未来を選ぶ力
こんにちは。寄付のしくみやこどもトラストセミナーを担当している馬越です。
新型肺炎の感染拡大を受けて、日本政府は2月28日、全国すべての小中学校や高校などに3月2日から春休みに入るまで臨時休校とするよう各都道府県の教育委員会などを通じて、要請しました。
これを受けて、当然全国の保護者の方々からは不安の声があがっています。
そんな中、「今、こどもたちにできることを」と、民間企業や非営利団体からは様々なサービスが立ち上がり、発信されてきた1週間でもありました。
コモンズ投信の投資先のひとつであるベネッセHDは、一斉休校要請に対して、自宅学習教材・サービスの一部無償提供を始めました。
コモンズ投信が毎年秋に主催している社会起業家フォーラム登壇者OBOGのメンバーも、実に迅速な対応を見せています。
例えば、第8回登壇者の甲田恵子さん率いるAsMamaの、近所で託児を支え合うアプリが注目されています。
同じく第8回登壇者の水野雄介さんがCEOを務めるライフイズテックも、ディズニー・プログラミング学習教材「テクノロジア魔法学校」を、小中高生および先生方を対象に、3月4日(水)より2週間、無料で提供を始めました。
コモンズSEEDCap第7回応援先の森山誉恵さんが代表の3keysは、頼れる大人が身近にいない子どもたちがさらに社会的に孤立しないよう、中高生向けにオフィスを臨時開放。
第9回応援先の小澤いぶきさんが代表のPIECESでは、「新型コロナウイルスに関して、情報が届きにくい方のサポート情報/不安との付き合い方・心のケア」を発信するサイトを、様々な専門家による協働プロジェクトチームでつくりました。
今回の第11回コモンズSEEDCap最終候補者のひとり、親子の未来を支える会の林信彦さんも上記チームのメンバーです。
また、自宅で過ごすすべての子どもたちのために「オンラインアフタースクール」も開校しました。
企業も社会起業家も、今回の騒動で、自らもイベント開催の中止や延期を余儀なくされながらも、「今、何が社会に対して自分たちができるだろう」と考え行動を起こされています。
社会起業家の人たちには、社会の変化にスピーディーに挑戦する力があります。
変化によって困窮する可能性のある人たちのために動く力があります。
そして、わたしたちは、そんな彼らの未来へのアクションを支える力を持っています。
社会課題に取り組むリーダーたちの活動を、「寄付」や「応援」といった形で賛同して、関わっていくことは、自分自身がよりよい未来を選ぶという主体的な行動でもあるのです。
コモンズ投信は、「投資」や「寄付」といったお金の使い方と出逢うことによって、「未来」が選べることに、みなさんに気づいていただきたいと思っています。
第11回コモンズSEEDCap応援先選定のプロセスが、例年より早くスタートしました。
3月の最終営業日時点で、コモンズ30ファンドを当社で保有している方は、「3人の中からだれを」「3つの社会課題から今、どのことに注目したいか」という選考のプロセスにご参加いただけます。コモンズ投信のファンドと寄付のしくみにご関心がある方はぜひお手続きをお急ぎください。
第11回コモンズSEEDCap候補者についてはこちらのブログをぜひご覧ください。
教えて!未来予想図~5Gってどうしてこんなに注目されているんですか?~
それに向けて目下5G商用基地局の設置が進んでいます。
5Gの特徴は、「超高速・大容量・超低遅延・多数同時接続」。4K、8K・AR・VRなど、データ量の大きな画像なども高速でストレスなく送れるようになります。
屋外で動画などを見る時の切れる・止まるが少なくなり、また、こういった技術により、遠隔医療・自動運転などに使用されることが考えられています。
今日は2020年2月次レポートの掲載コラム「未来予想図」のテーマ「5G」について運用部シニアアナリストの末山さんにイチから色々教えてもらいました!
解説 運用部シニアアナリスト 末山 仁
聞き手 マーケティング部 横山 玲子
横山 通信の5Gって目に見えないからか、いまいちピンとこないんですけど、どうしてこんなに注目されているんですか?
末山 今起こっている通信の進化は、1980年からはじまって、10年ごとに、1990年代は2G、2000年代は3G、2010年代は4G、そして5Gが今年からはじまり、2030年に向けては6G(5Gのさらなる高速化・大容量化)となっている。
この進化によって、今までできなかったことがどんどんできるようになって、産業構造自体が変わると考えられているんだ。
例えば、手術を離れたところで実施する遠隔医療が進んだり、自動運転遠隔コントロールが進み、信号がいらない社会が現実的になるかもしれない。
横山 2020年に5G、2030年に6G、ってことですね。
末山 5Gはすでに中国ファーウェイ社のひとり勝ち状態と言われているけど、アメリカはそのことが面白くない。日本も5Gは出遅れている。6Gにおいて先手を打ちたいと国をあげてスタートしているけど、もちろん米中も既に取り組んでいるからどうなるだろうね。
横山 中国と日本で差が出た要因は何ですか?
末山 基地局の面では、5Gで主導権を取りたかった中国が国をあげて中国全土に跨る5G通信網の整備を後押しした結果。日本は国の予算が限られているので、個別キャリアの予算の枠内で取り組んでいる状況。
一方で、携帯端末(スマホ)の面では、企業の意思決定の時間軸が日本と中国とではだいぶ異なっていることも背景にあるかも知れない。
スマホはモデルチェンジのサイクルが1年とかなんだけど、日本企業は、そのスピード感に翻弄されている企業が多いような印象があるね。
日本が強い自動車の分野ではモデルチェンジサイクルが3年くらい。それ位が日本企業の居心地の良い時間軸なのではないかな。トヨタ、日産、ホンダなんかは今は自分たちで車を作っているけど、アップルは自分ではスマホを作ってないよね。
そのうちグーグル(やGAFA)が日産やホンダなどの自動車メーカーに製造を委託するような世界が来るかもしれないね・・・(自動車のモデルチェンジが1年になったら大変かも)
横山 グーグルが作った日産車ですか、どんな車だろう?
ところで、そもそも、この5Gへの進化は、4Gで課題があるからなんですか?
というのも、私自身は外で動画を見ることもそんなに多くないので現状の4Gでまったく困っていないのですが、頭打ちにあってる産業や技術があるってことなんですか?
末山 現在、世界中で起きている「人口増加」「高齢化」「都市への人口集中」といった事象は、エネルギー不足や、水・食料の不足、医療格差、交通渋滞、環境破壊・変化などの問題を引き起こしていて、各国ではIoTを使ってこうした社会課題の解決を実現しようとしているんだ。
この「IoT」の効果を高めていく手段として5Gの登場が期待されているんだね。
横山 なるほど、、この先も6G→7G→8Gと進んで行くんでしょうけど、そうした技術革新の先にあるワクワクした世界ってどんなものですか?
末山 超高速・超低遅延が進むってことは、今は想像もできないことを起こせる可能性を秘めているんだよね。今は想像もできないことだから”これが5Gのワクワクだよ!“とは言い表せないんだけど、5Gの出現によって、産業構造がガラっと変わる可能性があると言われているし、そうなればゲームチェンジ(新旧交代)も避けられない。
既存の枠を超えたところに、新たなフィールドができることになるから、そこでは今の僕らの想像をはるかに超えた未知の世界がやってくるかもしれない。
それはとてもワクワクするよね!!
横山 5Gのフィールドで、個々の企業がそれをどのように活用して飛躍するか、ってところが注目ポイントなんですね!アナリストとしては5Gがもたらす社会変化は魅力がありますか?
末山 各企業の5G関連技術の開発動向やその用途、あるいは5Gを用いた新たなビジネスの創出などをウォッチしていくことが僕の仕事だ。
横山 そういうことだったんですね!やっと5Gのことが少しわかって、5Gが連れてくる未来に、ワクワクしてきました!教えていただきありがとうございました!
※文中に記載の内容は特定銘柄の売買などの推奨、または価格などの上昇や下落を示唆するものではありません。
ザ・2020ビジョンが捉える”変化“とは?!
2020年3月5日木曜日
ザ・2020ビジョンのキーワードである「変化」。その「変化」を軸に、50銘柄程度に銘柄を厳選しています。
具体的には「変化をはじめた企業」と「変化にチャレンジする企業」に着目しています。
「変化を始めた企業」とは、経営者の変更や、ガバナンス(企業統治)の変化といったマネジメントの変化に注目しています。特に経営者の変更が大きく企業価値向上につながっていくケースなどは少なくなりません。
例えば、組入上位銘柄の常連となっているソニー。
エレクトロニクス事業の不振から4期連続赤字に陥っていた2012年に平井社長が就任。そこから事業のリストラや成長分野への集中投資に取組み、社長就任から6年後の2018年3月期には20年ぶりに最高益を更新するような変貌を遂げました。
今は世界シェアトップを誇る高収益のCMOSイメージセンサーを柱に、そもそもの強みであるゲーム、音楽、映画、エレクトロニクス製品とのシナジー効果を生み出し、持続的な高収益体質への変化にチャレンジしています。
「変化にチャレンジする企業」とは、技術革新や生活動態の変化、業界再編など外部環境等の変化をチャンスにして変化にチャレンジしている企業を指します。
「NewsPicks」などを運営するユーザベースはまさにその一例です。
デジタルネイティブな世代が活躍する時代を見据えたメディア戦略を展開しており、世の中に無数に溢れる経済情報を人とテクノロジーの力で整理・分析・創出することで、人々の生産性を高め、創造性を解放することを目指しています。
広告収入に過度に依存しないように利用者に月額課金するビジネスモデルを志向しており、それゆえコンテンツの質に対しては強い拘りを持っていることも特徴的であり、今までにないメディア・プラットフォームを構築しようとしています。朝、新聞を隅々まで読むまでもなく、自分にとって必要な経済情報は短時間の間で把握できるようになっている―そんな世界を、海外も含めたグローバルなフィールドで実現し、広めていくための試行錯誤を繰り返しているのです。
パンデミックか、インフォデミックなのか
おはようございます。渋澤健です。ここには、新型コロナウイルスの感染はないでしょうね。人がいませんから。(先週のNY出張の帰りの北極圏です。)
さて、冗談はさておき、新型コロナウイルスの実際の病症よりも、その感染の不安によって日本全国の日常の生活が乱れています。マスクやトイレットペーパーという普通なら手を伸ばせばいつでも手に入る日用品が無くなる異常な状態は、ウイルスの悪さというより、人間がつくっていますね。
でも、それは現実。
そんな時に、私たちはどうすれば良いのか。
それは、長期投資家であれば知っている答えだと思います。
何が本質なのかということの追求です。
目前や近いところでは、案外、その本質が見えない場合があります。この世の中からマスクやトイレットペーパーが永遠に無くなる訳ではない。いつか正常を取り戻したときに、私たちはいつでもマスクやトイレットペーパーが買える日が訪れるのです。
問題は、その日までどうするのか。
それは、長期投資と同じです。見える現象だけではなく、見えない未来を信じる力を発揮することです。
新型コロナウイルスで中国の経済活動が停滞しているというのに、二月中旬の世界の株式市場は妙に楽観しているなぁと目の前に見える現象に疑念を持っていただけに、先週の株式市場の暴落は、ある意味で「正常」な調整です。そもそも、景気が調整側面の時に、株式市場だけ高値圏ということは本質とは言えなかったですから。
そういう意味で、新型コロナウイルスが私たちに本質を見せてくれているのかもしれません。それが見える力を我々が持っていれば。
多くの行事や通常の仕事などがキャンセルされ、日常のルーチンが乱され、日程がポカンと空いた方々も多いと思います。それを不便・迷惑と考えるのか。それとも、ホッと一呼吸して何が大切なことであるかを見直す貴重な時間を与えてくれていると考えるのか。
新型コロナウイルスのおかげで、私は、この週末に久しぶりに家族全員が同じ時間を同じ場所で過ごせました。これは、日常では出来ていない、かなり大切なこと。
日が沈んでも、必ず日は登ります。
寒い季節であっても、必ず温かい季節も訪れる。
市場が下落しても、必ず市場は上昇します。
新型コロナ・ウイルスの感染が広まっても、必ず新型コロナウイルスの影響は収まります。
そして、継続は力なり。目前に惑わされない、色んなショックを乗り越えるつみたて投資です。
これが、本質だと思います。見えない未来を信じるためには、本質を読み取る力が必要です。
新型コロナウイルスは多くの人類の健康を脅かすパンデミックなのか。それとも情報拡散が招いているインフォデミックなのか。ネットから様々な情報を入手できる世の中になっているからこそ、本質を読み取る力を高めたいですね。
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