<10周年イベントレポート> -プレゼン抄訳- シスメックス株式会社「豊かな健康社会づくりを目指して」
2019年4月19日金曜日
<企業との対話>シスメックス株式会社IR・広報部IR課長 表具佑樹氏
「豊かな健康社会づくりを目指して」
シスメックス株式会社IR・広報部IR課長 表具佑樹氏 |
またコモンズ投信の皆さま、本日は10周年おめでとうございます。私どもシスメックスを投資先として選んでいただき、株価の値上がりが一番高かったということで、ちょっとプレッシャーを感じておりますが、20周年、30周年を迎えた時も、同じように言っていただけるように頑張ってまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
会社の概要について簡単に説明させていただきます。
私どもシスメックスは、主にヘルスケア業界でビジネスを行っております。お医者さんが患者さんを診る時、問診、診察・治療、そして完治というプロセスがあるわけですが、私どもシスメックスが手掛けているのは、「検体検査」といわれる領域です。
病気や健康診断で病院に行った時、採血された経験のある方は多いと思うのですが、その血液を測定・分析するための装置や試薬を作っています。具体的には血液の中にある赤血球などの細胞を測定しています。その他、尿検査やHIV並びに肝炎など免疫検査のための製品も作っています。
上場来の業績推移は、お蔭様で非常にきれいな右肩上がりです。好調な業績に支えられて、株価も順調に値上がりしています。しかも、2000年以降は海外における売上高が急速に伸びています。直近20年、海外の売上が堅調だったことが、シスメックスの経営基盤を強固なものにしました。
シスメックスの経営には3つの重要なポイントがあります。
① 安定した収益性。
② 成長を支える競争優位性。
③ 高い海外売上構成比
以上について簡単に説明いたします。
第一の安定した収益性についでですが、私たちのビジネスは、プリンターとインクの関係に喩えることができます。
プリンターを買ったら、間違いなくセットでインクを買われるでしょう。したがってプリンターが継続的に購入されている限り、インクやカートリッジの売上も上がります。
私たちのビジネスモデルは、最初に検査をするための装置を販売します。すると、この装置で血液を測るために必要な専用の試薬を、継続的にご購入いただく形になります。この機械は平均で5~8年程度使われるので、一度機械を購入していただければ、5~8年程度は間違いなく試薬の収入が入ってきます。かつ2年目になると保証期間が終わるので、サービスサポート、メンテナンスの費用もいただくことになります。これらによって景気に大きく左右されることなく、長期的に安定した収益が得られるのです。
第二の競争優位性については現在、世界シェア、ナンバー1の分野を3つ持っています。
売上構成比をみると、ヘマトロジーといって血液の中の細胞を数える検査が62%。尿検査が7%。そして血液凝固検査が16%となっているのですが、これら3つの分野で、世界シェア、ナンバー1です。特に血液検査に関しては、市場シェア52%を誇っております。
第三のグローバル展開ですが、私たちは世界70か所以上に拠点を設けています。そして拠点がない国では、代理店を通じてビジネスを展開しており、結果的に現在190カ国以上で製品、サービスなどを提供しております。
シスメックスブースの様子 |
第一は新興国におけるヘルスケア市場の拡大です。世界人口の多くは新興国に偏在していますが、GDPに占める新興国の比率は3割未満です。つまりヘルスケア業界にとって新興国は、これからさらに大きなマーケットに拡大していくポテンシャルを持っています。したがって、私たちはエジプトやトルコ、ミャンマー、ガーナ、コロンビアなど、世界の新興国に新たな拠点を開設している最中です。
第二は患者さんの身体的負担が少ない検査の実現を目指しており、新しい技術を開発しているところです。たとえばガンの検査をする場合、今のところは細胞を取り出して検査する生検が主流ですが、私たちの取組みは、それを血液検査で実現するというものです。これを「リキッドバイオプシー」と言います。これが実現すれば、患者さんの身体的負担はかなり減ります。
第三は、ゲノム医療です。昨年12月、私たちは日本企業として初めて、ガンのゲノム診断に関して、厚生労働省から販売・製造の認可をとることができました。これによって、100以上の遺伝子を同時に診断できるようになります。その結果、ガン患者さんのどの遺伝子に異常があるのかについて、1度に100以上の遺伝子を診断できるようになります。
個人投資家で賑わうシスメックスブース |
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