<10周年イベントレポート>インベストメントチェーン ~投資と寄付で未来を繋ぐ~
2019年4月26日金曜日
インベストメントチェーン~投資と寄付で未来を繋ぐ~
コモンズ投信株式会社 代表取締役社長&CIO 伊井 哲朗
コモンズフェスタ2019京都の最後は、お金をどう回していくのかをテーマに進めていきたいと思います。
コモンズ投信は、皆さまから大切なお金を預かり、運用によって増やしていくのと同時に、寄付活動を通じて社会的なリターンも追及します。社会起業家の方々あるいは障害者スポーツの方々を応援することを通じて、社会的な課題を発見しそれを解決しようというチャレンジです。
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コモンズ投信の寄付のしくみは、形式的には金銭的なリターンを求めない寄付ですが、コモンズの想いとしては、よりよい世の中を次世代へつなげる利他の「長期投資」です。
当社が受け取る信託報酬の1%程度を目処とする金額を寄付します。
コモンズSEEDCap(シードキャップ)はコモンズ30ファンドの受益者の皆さんと一緒に社会課題の解決に取り組む社会起業家を応援する寄付プログラム、コモンズPOINT(ポイント)はザ・2020ビジョンの受益者の皆さんと一緒に障がい者スポーツのチャレンジャーを応援する寄付プログラムです。
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日本にいるとなかなか実感できせんが、例えばイギリスを見て下さい。BrexitでEUから離脱すれば、一部の企業は、イギリスから出て行ってしまうでしょう。そうなると社会が不安定になります。米国だって、さまざまな社会的課題を抱えており、それが企業の安定的な成長に支障を及ぼします。逆に、社会的な課題が解決されれば、結果的に企業は長期的に成長できるでしょう。企業の経営者は、先行きの見通しがしっかり持てた時にこそ、その力を発揮できますので、安定した社会をつくることが大事です。
金融は、身体における血液ですから、頑張って事業に取り組んでいる人に、お金をしっかり回すことが金融の使命です。
それと同時に、社会的な課題解決に取り組んでいる方々に、お金が回っていくようにするのも、金融の本来の役割であります。
こうした金融本来の役割を果たすことで、最終的にお金を提供した皆さんのところにリターンが返っていく。最終的にはみなさんの夢の実現だったり、不安を解消することにつながったりしていくものと思っています。
昨今、そういった資金の循環を「インベストメントチェーン」などと言います。投資に際して、何でもいいから儲けてくれということになると、利益は出ているけれども、たとえば環境に悪いことをしている会社に投資することも考えられます。あるいは兵器を製造している会社に投資した場合、戦争が起これば会社が儲かって株価が上がりますが、果たしてそれで良いのかという疑問も生じてきます。
そうではなくて、社会を良くしていく会社に投資をし、その結果、環境がよくなる、あるいは世界的な紛争が解決するのが理想です。
コモンズ投信が生み出すお金の循環 |
私たちは皆さんの大事な志の入ったお金の運用を託されています。
こういう運用をしますということをお伝えし、それに共感していただけたら、ファンドを購入していただき、民間企業や、社会起業家にお金が流れ、それが経済的リターン、そして社会的リターンとして返ってくる。この循環によって私たちの暮らしが良いものになっていくものと信じています。
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